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≪目次≫「節目」を迎える2022年の中国 日本の対中戦略、再考を

 9月29日、日中国交正常化から50周年を迎える。ロシアによるウクライナ侵攻の〝衝撃〟の陰に隠れているが、日本にとっても、世界にとっても21世紀最大の焦点は「中国問題」であることは間違いない。

 2022年は、中国にとって多くの「節目」が並ぶ。

 7月、英国の統治を終えて香港が中国に返還されてから25年が経過した。英中共同声明で「一国二制度」が50年は不変だと理解されてきたことを踏まえれば、折り返し地点を迎える。だが、近年の香港は、香港国家安全維持法の施行をはじめ民主派の活動家やメディアに対する激しい弾圧など、既存秩序の形骸化が著しく進む。そうした現実から目を背け、日本経済の香港依存が続いている。これからも「香港は日本の生命線」であり続けるのか。

 そして日中関係。50年前から今日に至るまで、民主化を求める人々に中央政府が銃を向け「流血の惨事」となった天安門事件など、中国共産党の本質を見抜くチャンスはあった。それでも日本は、「中国がいずれ民主化し自由化する」ことを期待し、関与政策という外交を選択した。だが、軍事的・経済的に台頭し、日本にとって「脅威」となった現下の中国を見れば、その期待は甘かったと言わざるを得ない。こうした教訓を今後にどう生かすのか。

 習近平国家主席が中国共産党のトップである総書記に就任してから10年。秋には異例の3期目入りを狙う。「節目」の今こそ、日本人は「過去」から学び、「現実」を見て、ポスト習近平をも見据え短期・中期・長期の視点から対中戦略を再考すべきだ。

[PART1]
香港の表層に惑わされず「中国」化した現実を直視せよ
https://note.com/wedge_op/n/nfd15f81bf76f
久末亮一
(日本貿易振興機構(JETRO)アジア経済研究所 副主任研究員)

[PART2]
現代版〝赤化〟目論む「モンスター」 日本は中国にこう向き合え
https://note.com/wedge_op/n/nec1f17dd1422
城山英巳

(北海道大学大学院メディア・コミュニケーション研究院 教授)

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