Rust ニュータイプイディオムとは 使い方と注意点について
今回はRustにおけるニュータイプイディオムについて説明していきます。
ニュータイプイディオムとは
ニュータイプイディオムは、既存の型に新しい型をラップして、型安全性を高めたり、意図しない操作を防いだりするために使用される設計パターンです。
既存の型に新しい意味や振る舞いを加えたい場合に便利です。
ニュータイプイディオムの使い方
ニュータイプイディオムを使用するには、新しい構造体を定義し、その中に既存の型を単一のフィールドとして持たせます。
例えば、以下のようにEmail型を作成して、文字列型をラップすることができます。
struct Email(String);
impl Email {
pub fn parse(s: &str) -> Result<Email, String> {
if s.contains('@') {
Ok(Email(s.to_string()))
} else {
Err("Invalid email".to_string())
}
}
}
Email構造体がStringをラップしており、parseメソッドを通じてバリデーションを行うことで、ニュータイプを使って特定の制約やメソッドを追加することができます。
ニュータイプイディオムの注意点
データアクセスの手間
ニュータイプはデータアクセスに余分な手間がかかる可能性があります。
ラップされた値にアクセスするためには追加のメソッドやパターンマッチングが必要になることがあります。
追加の実装が必要
ニュータイプが既存の型と同様の振る舞いをするようにしたい場合、多くのトレイトの手動での実装が必要になります。
この手間を省くためにderive属性を使用することもできますが、すべてのトレイトがderive可能なわけではありません。
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