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★ひるむなかれ、“大卒以上”求人。

最近「スマホを持っている人は貧困じゃない」というネット記事をみました。
当然ながら、様々な視点から考察し、この意見に賛同する人も反対する人もいました。

SDGsの17つの世界的目標の最初に挙げられているのは、「貧困をなくそう」というものです。これをもうちょっと細かくいうと、「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」というのですよ。
他にも「働きがいも経済成長も」、「人や国の不平等をなくそう」という目標もあり、それら17つの世界的目標を私たちは2030年までに達成しようとしています。

これを国のえらい人たちだけに任せるのではなく、私からも提言したいことがあって書いています。

2020年7月17日に厚生労働省が公表した〈2019年国民生活基礎調査〉によると、子どもの貧困率はますます上がっていて、胸を痛めている人も多いでしょう。
割合からすれば、noteを利用している人の中にも相対的貧困者は大勢いると思います。

私自身は昭和62年に地方の県立高校を卒業しましたが、在校中は平日も週末も時給350円程度のアルバイトをして、家にお金を入れながら授業料を払っていました。
時代はバブル期だったのに、両親ときょうだいあわせて6人の一家は狭い団地で、世帯年収250万円程度(もっと少なかったかも)で暮らしていました。

これでは大学になど到底進学できるわけもなく、卒業後は父がきまぐれで始めた飲食店を手伝わされていましたが、家出同然で上京し、住み込みで新聞配達をして一年間食いつなぎました。

結局バブルが弾けたあとだったので、大学も出ていない私は、非正規雇用でしか仕事に就けず、所得も低く、昼だけでなく夜も居酒屋や高級レストランでがむしゃらに働いてきました。
でも、運の良いことに昼間派遣される先は東証一部上場企業ばかりだったので、派遣されている間に高給の正社員がどのような仕事をしているのか観察し、マネをして学び取りました。

派遣社員に登録して働くメリットは、大手に出向させてもらえることです。

これは、キャリアになります。

今から十数年前、40歳になった頃です。たまたま知った言葉でした、これからは「サスティナブル」や「ゼロエミッション」に関わる仕事が伸びると気づき、大きくキャリアシフトをしたら、高卒でも大学院卒の人たちと肩を並べて働けるようになり、何とか今はちゃんと家賃を払い、ご飯も食べられるようになりました。

とにかく、働きたくても高所得を得られる職業に就けないとか、正社員と同じ仕事をしているのに賃金格差があるとか、個人的には何とかならないものかといつもいつも思っています。

実は、実社会で自分の実情を他人に伝えると、たいがい距離を置かれるようになるので、周囲にはなかなか声をあげられないものです。

これを読んでくださっている人の中で、企業の人事を担っている方こそ救済可能だと思います。
もう即戦力なんていいじゃありませんか。本気で「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」と考えているのなら、未経験の人でも育ててあげるという気持ちで採用していただきたいし、「大卒以上」という募集要項も廃止していただきたい。もう少し雇用の間口を広げてくれたらいいのにと心から思います。

私の場合は「大卒以上」という言葉を無視して、志望動機で目に留めてもらえるよう〈文章〉を工夫し、高卒でも遠慮せずに履歴書を送り続けていたら、書類審査が通るようになりました。だから、自分に自信がないという方も尻込みせずにどんどん臨んでもよいのにと考えています。

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