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飲食店に修行は必要か?

以前ホリエモンは、鮨職人になるために何年も修行するのはバカという発言で炎上していました。

賛否あるとは思いますが、僕はどの視点で見るかによって変わると思います。

料理人に憧れて、一生料理を作っていたいだけの人は自分の腕をみがく為に修行は必要だと思います。

しかし独立して開業するのが目的なのであれば、どこかのお店で何年も修行するよりは何店舗かの「これだ」と思うお店に頼み込んで何ヶ月間かずつ教えてもらい、いろんな店で短期間働いたほうがよっぽど身になると思います。

そもそも修行といっても、お金をもらっているうちは従業員なので、最初の2〜3年は雑用ばかりやらされるだろうし。

先輩や上司に気に入られて初めて仕事を任されて、その先輩や上司がいる間は自分の思い通りにはできないだろうから。

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僕が修行させてもらったSさんの店は、住宅街の中にありました。

自宅の一軒家の1階を店舗として営業していました。当時(16〜17年前)は飲酒運転が今のように厳しくなく、夜になるとその一軒家の周りには駐車している車がいっぱいありました。

午前10時頃にお店に行って、深夜1時頃に帰る毎日でした。僕はお金を払って起業するために修行しているので、あらゆるものを吸収しようと必死でした。

しかし、Sさんは僕がメモを取ろうとすると「メモなんか取るな!見たあとはやってみろ!そして味で覚えろ」と教えてくれました。

もちろんレシピや分量などはあとで教えてもらえました。

ちゃんと包丁(牛刀や骨スキ)を持つのも初めてですし、見よう見まねでやってみると「こんなもん客に出せるか!」とゴミ箱に捨てられました。

だけどそのあとは、「できるようになるまで自分で何回もやっとけ!冷蔵庫の材料はいくら使ってもいいけん」と言ってくれるのです。

そして、Sさんが空いている時を見はからっては「大将、見てもらえませんか?」と、包丁さばきや味付けを見てもらいました。

なかなか褒めてはもらえないのですが、たま〜に「うん、うまい」と言ってニッコリ笑ってくれるのでした😋。

普段は仏頂面の大将が見せるその笑顔は、本当に天使のように見えるのです笑。

カルト教団ってこうやって洗脳されるんだろうなと思っていました。

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Sさんからは本当に色々な事を学びました。

味や技術はもちろん、店の営業が終わった後に必ず一緒にまかないを食べ、「商売とはこういうもの」というのを話してくれるのです。

■商売とは
・原価を抑えろ
・食材ロスをなくせ
・客に媚びるな
・値引きはするな
・よその真似はするな
・料理は自信を持って出せ
・良いものは名前と見た目を変えてパクれ
・お客さんにまた来てもらえる努力をしろ


たまに包丁で叩かれることもありました。包丁で親指の爪を切り落としたこともありました。

だけどこの修行は、やって良かったと今でも思います。


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