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ミュージアム鑑賞


 皆さん、こんにちは。バッドエンド大好き。木賃もくちんふくよし(芸名)です。
 えー、本日は唐突ですが、小栗旬主演の映画「ミュージアム」のレビューなどをお届けしたいと思います。

 なんで突然、何年も前の映画をレビューするか言うと、先日ようやく観たからですね。
 ワタナベさんと「何の映画にします?」って話しながら配信されてる映画を眺めてたんですが、どっちかが既に観てる映画か、どっちもが観てるか、どっちも興味ないか、あるいは多分これハズレ映画ってパターンがほとんどで、なかなか決まらなかったんですよ。

 別に、ワタクシもワタナベさんも既に観た映画を再視聴するタイプなのですが、せっかくなら未視聴の方がいいかな、ってのと、これは是非とも相手に見せたい! とか、もう一度観ましょうよ! って空気ではなかったのである。

 その中で、ミュージアムが選ばれた理由は明白。


 二人とも未視聴。
 ワタクシは原作の漫画を読んでおり、原作が面白い事は知ってる。


 と言うわけで、映画「ミュージアム」のレビューを開始していきましょう。

 ある雨の日、突如として起きた猟奇殺人。飢えた犬に人間を食い殺させると言う狂気じみた犯行。そして、その犬が吐き戻した遺留品には「ペットフードの刑」という謎のメッセージが。
 主人公の刑事・沢村は優秀ではあるが、仕事のために妻と子供を顧みない事で、現在別居中。その沢村がこの事件を追う事になる。
 連続して起きる猟奇殺人。
 そしてそれは、沢村自身を巻き込む狂気の沙汰へと発展していくのだった。

 というサスペンス・ミステリー。
 原作漫画は、刑事モノのミステリとしては雑な部分が幾つか目立つものの、


 (´°∀°)」 面白い!


 そして、映画はこの原作の面白さを一切スポイルする事なく実写映像化で再現。
 当然、面白い。

 更に実写映画版は、幾つかの映画オリジナル要素を追加し、これが原作の面白さを、


 (´°Д°)」 完全に
 スポイルしてる。


 映画オリジナル要素は4~5点あったと思うんだが、コレがとにかくダメ。マジでダメ。全然ダメ。全然わかってない。
 いや、原作を読んだのが10年ぐらい前だから、かなり忘れちゃってるが、原作はかなり面白いのだ。確かに、「コレだけ派手にやったら流石に捕まるだろ」とか「この期間、犯人は何してたの?」とか「ちょっと犯人が有能すぎない?」とか色々ある。
 しかし、そこはまあイイや。展開が気になるし。って鬼気迫る面白さがあるのだ。

 映画版に期待したのは、その辺の補完だった訳だが、映画で追加された要素は、それこそ蛇足だった。
 何しろ、読んだのが10年近く前である。かなり忘れていたにも関わらず、映画を観てるだけで、


 (´・∀・)」 そうそう! この展開!


 と記憶が甦り、ワクワクさせられる。しかし、オリジナル要素がブチ込まれた瞬間


 ( ˙-˙ ) このしょーもない
 展開は、原作になかった。


 と記憶が甦り、ションボリさせられる。とことんわかってない。実際、原作未読のワタナベさんも、「ここの展開、要る?」って言ってて、「これ、映画オリジナルですね」って2回ぐらいやりとりした。いやマジで。

 この映画の失敗は、犯人に理由を求めた事だろう。

 コレがとにかくダメだった。犯人にも悲しい生い立ちがあるんです。狂ったのには理由があるんです。って言われても、我々がこの映画で観たいのは、鬼気迫る狂気のサスペンスでね? 理由なんかどうでもいいんスよ。

 んで、その生い立ちや過去の物語が面白ければそれでもいいんだけど。ねぇ。つまんなかったんだよ。うん。素直に。


 いずれにしても、心因性はないわ、心因性は。


 まあ、小栗旬の演技も良かったし、残る9割の原作再現部分は面白かったと断言する。
 ぶっちゃけ、

 漫画原作の実写化はクソ

 なんて言われますが、コレはむしろ成功の側であると思うのだ。
 てかね? ワタクシは悪い例だけ挙げて、ほーら漫画の実写化はクソ。なんて言うのはアホ臭いとしか思ってない。
 オリジナルをブッこむ、という余計な事さえしなきゃ、この「ミュージアム」は充分に面白かったのだ。なので、9割は成功だと言える。

 特に、現代劇でサスペンスやミステリってのは、むしろ漫画よりも動画の方が相性がいい。(漫画だと登場人物の顔のアップばかりで、説明台詞が多くなる。動画だと再現映像が簡単、とか。逆にドラゴンボール的なバトル漫画は実写に向いてないだろうし)

 そういった様々な観点を考慮せず、実写化はクソって言われると、その頭の中身がクソなのかな? としか思わないのである。

 まあ、このミュージアムも、余計なオリジナル要素を入れた為に、全体像をボヤけさせてしまった訳だが。

 とは言え、原作の再現性って点においてはかなりの良作だったと言える。
 あえて苦言を呈するならば、原作の沢村の外見は冴えない、悪く言えばモブ顔なのだ。妻も同僚も、全員がどっちかと言うとモブ顔なのである。

 だからこそ妙なリアリティがあった訳で、そこが面白さのひとつだったと思うのだ。

 そこを小栗旬とか松重豊とか妻夫木聡に任せてしまうと、その面白さが完全にスポイルされちゃうのは難しいところだ。
 とは言え、基本的に演技やキャストは良かったし、しっかりした2時間サスペンス映画を観てる感じはあるので、そこは「映画版の良いところ」なのだと思う次第である。

 小栗旬もダメ男の格好良さが出てるし、松重さんも渋いし、妻夫木聡も、、、



 (´°Д°)」 妻夫木、出てた?

         ↑ リアルな感想。

 で。本作を鑑賞し、ワタクシはひとつ面白い発見をしたのである。

 ワタクシは先ほど、ミステリと漫画の相性はあまり良くない、と書いた。
 理由は前述の通りだ。無論、面白いミステリ漫画は沢山あるが、ジャンルとしてミステリは難しい、と思うだけである。
 やはり、詳細を緻密に記述できる小説か、映像で簡単に理解させられる映画やドラマの方が、ミステリ向きだと思うのだ。

 だが、本作を観て、本作の原作漫画を読んでいた10年ほど前を思い出し、


 (´°Д°)」 ミステリ漫画の
 優位性に気付いてしまったのだ。


 まあ、これは連載中(かつ打ち切られない)ってのがある程度の前提になって来るが、


 (´・Д・)」 ミステリ小説も、
 ミステリ映画のどちらも
 「終わり」が見える事だ。


 映画なら2時間。小説なら残されたページ。ここで終わっちゃうよ、って事が予想出来てしまうのだ。
 別に、それが必ずしも悪い事だとは言えないし、それを上手に利用してる作品もある。

 だが、ミステリ漫画やサスペンス漫画は違う。



 漫画媒体は、

 (´°Д°)」 何巻で終わるか
 わからないからこそ、

 今、物語が、
 何処まで進んでいるのか
 わからないのである。



 特にコレ、陰惨な物語だと、希望が掴めるのか潰えるのか、絶望が終わるのか、まだ堕ちるのか。
 常にワクワクして待っていられる。

 コレは、実に10年振り目にして、連載当時の「ミュージアム」を思い出して気付いた事である。


 (´・∀・)」 だって、
 バッドエンド大好きなの。


 そんな訳で、「ミュージアム」の原作漫画、オススメです。

 いや、単行本だと思いっきり終わりが見えてますが。ええ。


 え? 漫画版じゃなくて、映画版?


 映画版は、オリジナル要素部分がノイズですが、全体では普通に楽しめますし、まあ、この発見が出来ただけでも、大きな価値があると思ってます。

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 なお、この先には超ネタバレを含む「こうすべきだったミュージアム」(漫画版)について書かれています。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。