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お食事セレモニー


 皆さん、こんにちは。儀式とか、否定はしないけど参加したくない派です。木賃もくちんふくよし(芸名)です。

 さて。しばらく続けてみようと思ってるお食事シリーズ。前回は、お食事マナーとお食事メソッドについてお話したので、本日はお食事セレモニーについてお話ししたいと思います。

 セレモニー。すなわち儀式。
 前回は形骸化したマナーについての話をしましたが、儀式は違います。
 最初っから形骸化してるのが儀式。
 特定のコミュニティの中においては、ルールでもモラルでもマナーでもなく、そうしなければならないモノ。
 二礼二拍手一礼をしなければ罰されるなんてルールもなく、宗派が違えばそんなモラルもない。礼儀とは少し違う、儀礼。それがセレモニーである。

 ワタクシは前職としてワイン・バーを経営していた(現在無職)が、ワインにも謎の儀式が存在する。

 例えば、ワインの葡萄畑には、砕いた水晶(ケイ素)を撒く場合があるのだが、これ自体は儀式ではないと思われます。ワタクシは葡萄農家ではないのでわかりませんが、一応、畝の水捌けを良くする為だと言われています。
 また、聞いた話ではケイ素が光の反射で葡萄の木を下からも照らす、、、なんて言う説も聞いた事がありますが、割と疑わしい話である。
 光の反射が事実なら、畝の間に反射盤でも置いた方がいい訳ですしね?

 んで、水捌け問題もケイ素である必然性もよくわからん。
 小石とか、ミネラルとか考えたら石灰石とかで良くない?
 その辺の科学的根拠のない話で、どうにも儀式くさい雰囲気が漂う。
 んでまた、多くの人が「水晶」を特別視するが、水晶とガラスは基本的に同じケイ素だからな?

 そして、ガラスだと何も言わないのに、水晶と言うと急にスピリチュアルな事を言い出す阿呆が出てくる。
 ワインも、月の満ち欠けで味が変わるとか言い出す輩(自然派)がいて、


 エセ科学は (´°Д°)」 ワインの世界にも。


 と衝撃を受けたのモノである。
 ハッキリ言うが、この辺の話に科学的根拠などない。
 ワタクシは有機農法や自然派農耕を否定しないが、それが科学的根拠によるモノと限らせていただく。
 ワインが月の満ち欠けで味が変わるなんてのは、もはや儀式を通り越してエセ科学かスピリチュアル系である。
 個人的に、ワインの熟成は必ずしも単純な山形にはならないと思っているが、月齢なんてモノで測れる訳がない。
 もし月齢が影響するとするなら、加工物であるワインより、野菜や果物、生肉や生魚の方が顕著であろう。
 100%有り得ないなどと言うつもりはないが、99.99999%影響しない。影響するのだとしたら、むしろ食べる人間の方が影響を受けていると考える方が正しい。


 
 (´・Д・)」 つまり、ない。


 まあ、どんな世界にもオカルトやスピリチュアルやエセ科学を持ち込む奴はいて、一定数は確実に騙されるモノなのである。

 おっと、儀式と言うよりは、少しスピリチュアルなオカルトチックな話になってしまった。
 儀式の話に戻そう。

 ワインには、「スワリング」という儀式がある。
 見た事はないだろうか。
 ワイングラスの脚を軽くつまみ、くるりと回せば、中身の液体の表面がグラスの壁を撫でるように動く様子を。


 あれがスワリングである。


 簡単な話、金魚鉢状になっているワイングラスの内部にワインの香りを立たせて溜め込む。
 わかりやすく言うと、炊きたてのごはんを軽く切る(混ぜる)と、香りが立ちますよね。要はアレです。

 ワインを混ぜる事により香りを立たせたり、空気に触れさせる事により、擬似的にワインの熟成をうながす効果がある。
 なおかつ、余裕ある雰囲気でワイングラスをクルクルしてたら、ちょっとカッコ良く見えたりしなくもない。
 なので、ワイングラスぐるぐるをやりたがる輩は後を絶たない。

 んでまあ、この効果が薄いとは言わん。
 しかし、熟成が進んでいる繊細なワインなんかは味も香りも飛んでしまうし、澱を含むタイプのワインだと澱と混じって、舌触りも味も悪くなる。


 考えても見て欲しい。


 ワインの保存や移動に関しては「揺らすな」「振動は厳禁」とか言ってる癖にグラスに注いだ瞬間、ぎゅんぎゅんにブン回すのはアホじゃないかと、ワタクシは思ってる。

 ワインの試飲会などで参加者全員が一斉にワイングラスをクルクルしてると、何か異世界から召喚でもしてるのかと思って笑ってしまう。バハムートでも呼ぶん?


 コレはワタクシの話ではないが、とあるフランス料理屋のシェフが、趣味で割と高級なフランス料理屋に食事に行ったそうな。
 食事のお供に、少し古いワインも注文した。
 すると、ワインを持ってきた若いソムリエが、ホストテストを促したのである。

 ※ ホストテスト。そのワインが傷んでないかどうかの判断を客に求める行為。


 割と繊細な古いワインだったので、そっと口元に運んで味見をし、「大丈夫です」と味に問題がないと示した。
 すると、若いソムリエは、相手が経験豊富な同業だと気付きもせず、


 (´・皿・)っ🍷 「グラスをちゃんと回してください!」


 って指導したそうです。
 シェフの方は人間ができてるので、慣れた手つきで、


 (・∀・)b ぎゅんぎゅんに回したったわ。


 って笑顔で語ってましたが、相手の正体に気付かず得意げに説教するとか、マジで地獄ですから辞めましょうね。


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 なお、この先には前述の「スワリング」に注いて少し書いてます。


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(´・Д・)」 文字を書いて生きていく事が、子供の頃からの夢でした。 コロナの影響で自分の店を失う事になり、妙な形で、今更になって文字を飯の種の足しにするとは思いませんでしたが、応援よろしくお願いします。