マガジンのカバー画像

中沢新一著『レンマ学』『精神の考古学』『構造の奥』などを読む

53
中沢新一氏の著作『レンマ学』『精神の考古学』『構造の奥』『精霊の王』『アースダイバー神社編』などを読み解きます。
運営しているクリエイター

2020年8月の記事一覧

中沢新一著『レンマ学』を精読する(1)

中沢新一著『レンマ学』を精読する(1)

中沢新一氏の『レンマ学』は「考える」きっかけが無数に織り込まれた一冊である。これを丁寧に読んでみたい。

まずは第一章「レンマ学の発端」である。

中沢氏はレンマ学で試みることを次のように明示する。

「レンマ学は、大乗仏教の縁起の論理を土台として、新しい「学」を構築しようとする試みである。かつて鈴木大拙や井筒俊彦によっても、このような「学」が構想されたことはあったが、いずれの試みも未完成に終わっ

もっとみる