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#3 彼氏爆誕

●登場人物
わたし・・・アラサー業界人。転職10ヶ月目。
Cくん・・・28歳、わたしの彼氏になる男/不動産
 
ペアーズ・・・恋活・婚活が半々なアプリ。わたしの友達は主にここで恋人を見つけ、結婚している。
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コロナになってからは自粛していたマッチングアプリだが、少し落ち着き始めてきた秋頃に再開することにした。
 
「性格が良さそうな人」を選んでいるつもりが、癖の強い人にしか会ったことがないと気づいたわたしは、どうせならと、「わたしの好きな顔の人」を選んで会ってみることにした。


写真越しのCくんは、目がぱっちりとしたまさにわたしのタイプの顔だが、口元を隠した写真と遠目のものしかなかったため、会うまでは「本当にわたしのタイプの顔か?」と、多少の不安があった。
しかし会ってみると、まさに好きな顔がそこにあった。


人見知り+タイプの顔を前にしたわたしはかなり緊張していたが、Cくんは接客業ということもあり会話は弾んだ。
2回目、3回目とデートを重ね、3回目のデートの時に告白され付き合うことに。
大人になってからこんなにもしっかり順序を守りながら始まる清い恋愛があったのかと感動したのを覚えている。

 
わたしたちは、付き合うと同時に互いの仕事が繁忙期に入ったが、時間を作って少しでも会える時間を作っていた。

会える時間が少ない中で、たくさんの愛情を示してくれるCくんとは、忙しくも順調に交際が続き、半年が過ぎた頃、それは発覚した。
 
Cくんの家に泊まった際、わたしの枕元で鳴ったアラームを消そうと手を伸ばして掴んだスマホは彼のものだった。
ふと視界に入った「マッチングしました」「メッセージが届いています」の通知にわたしの眠気は吹っ飛んだ。

血の気が引いて、脳が痺れているような感覚。
見たことのないアプリ名を検索すると“日本最大ゲイマッチングアプリ”という更なる衝撃。
その事実に少し冷静になったわたしは、「もしかしたら消し忘れかもしれない」という希望を抱き、一旦ステイすることにした。
 
だが、次に会った時も「いいねが来ています」と、その通知は来ていた。
通知のバリエーションから「これはアプリを続けているな」と、確信したわたしだが、簡単に触れられないジェンダーに関する問題に怖気付き、問いただせないまま。

それとなく探りを入れていく中で、Cくんは恋愛に性別は関係ない(バイである)こと、心が浮ついていなければアプリもワンナイトもOKだと思っていることを知った。浮気は寂しい思いをさせる方が悪いらしい。


「俺がワンナイトしててもわたしちゃんは俺を嫌いにならないでしょ?」

と、純粋無垢な目で言われて別れを決意。
しかしその前になぜかCくんと音信不通になり、わたしが振られたような結末で終わった。

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