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ツッコミを入れつつ読むと、めっちゃ笑える名作 【夏目漱石 坊っちゃん】

 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。

「我が輩は猫である」や「雪国」ほど有名ではないけれど、まぁ誰もが一度は目に(耳に)したことがあるだろう出だし。
 早速、表題の通りツッコミを入れていきます。

 親譲りの無鉄砲で小供の時から損ばかりしている。

 無鉄砲(=向こう見ず)って、親から受け継がれるもんなの? ていうか、損してる自覚あんのに、何で他人事みたいに語ってんの?

 では、もう少し読み進めてみましょ(カッコ内がツッコミです)。

小学校にいる時分学校の二階から飛び降りて(何やってんの?)一週間程腰を抜かした事がある(馬鹿じゃないの?)。なぜそんな無闇をしたと聞く人があるかもしれぬ(うん)。別段深い理由でもない(ほう)。新築の二階から首を出していたら、同級生の一人が冗談に、いくら威張っても、そこから飛び降りる事は出来まい。弱虫やーい。とはやしたからである(そんなことで飛び降りたの? 馬鹿じゃないの?)。小使に負ぶさって帰って来た時、おやじが大きな眼をして二階位から飛び降りて腰を抜かす奴があるかといったから(親父も相当ですね)、この次は抜かさずに飛んで見せますと答えた(いや、そっちじゃない)

 このあと、自分の無鉄砲自慢がずらずらと続きます。

 このツッコミ解説で「坊っちゃん」を読んでみようと思った方がいらしたら、図書館でも100円の古本でも、無料のkindleでも(同じく無料の青空文庫でも)いいから、ぜひ手にとってみて欲しいです。文豪として超名高い漱石先生だけど、実はとってもユーモアセンスに溢れていることがわかります。しかもその滑稽さが、江戸っ子口調で語られてるとくりゃぁ……!

「坊っちゃん」は渡辺が一番好きな小説で、既に十回以上読んでいるはずだけれど、それでも未だにくすくす、げらげらしちゃいます。日本で知らない人はいないだろう名作なのに、こんなに愉快痛快な話ってのも、実に面白い。

 古い小説だから難しいんだろう、文豪の作品って難しそう、と敬遠していた方、ぜひ読んでみてください! 腹ぁ抱えて、笑えますよ!

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