40歳が4ヶ月でIELTS5.5⇨7.0まで達成した勉強法!
自己紹介
初めまして!2022年8月より米国のJohns Hopkins大学の修士課程(MS in Individualized Genomics and Health)で勉強をしている渡邉拓史と申します。遺伝子分野をもっと深く体系的に勉強したいと考え、同大学の修士課程の受験を決意したのが2021年の冬でした。しかし、入試要項を見ると外国人に課せられた言語能力試験で「IELTS overall 7.0」が必要と知り焦りました。私が最後に受けた言語試験はTOEFL iBTで3年前の時点で76(IELTSでは5.5相当)でした。私は純ジャパであり、現在40歳で受験英語から遠ざかって久しいです。記憶力にも自信がなく不安だらけでしたが、奮闘の結果無事に4ヶ月で目標スコアを達成できました。
今回のNoteでは、4ヶ月間で効率的に点数を上げるために私が行った勉強法をご紹介します。さらに4ヶ月の勉強の中で使用して非常に有益だった参考書、ブログページ、Youtube動画、アプリなどを多く載せました。私と同じ年齢層の方だけでなく、これからIELTSを受験したいと思っている方やスコアが伸び悩んでいる方にもご参考になる内容になったのではないかと思います!
ベースラインと経過
2019年 TOEFLiBT 76(IELTS overall 5.5相当)
2022年の年明けから心機一転、英語の勉強を開始しました。
1か月(2022/1/22)でIELTS overall 6.0取得
2カ月(2022/2/20)でIELTS overall 6.5取得
4カ月(2022/4/23)でIELTS overall 7.0取得
1日の勉強時間は平日1ー2時間程度、休日は4ー5時間程度です。
私は子供が三人おり、また仕事も20時ごろまであり、なかなか時間を取るのが難しかったので主に早朝5時に起きて7時まで勉強をやるという生活でした。休日は朝6時から8時までと日中に2-3時間勉強という感じでした。
総勉強時間は300時間程度だと思います。
戦略
勉強当初から色々な方の受験体験記を読み漁り、いいと思うものを厳選して実行してきました。
その中で今振り返って私と同じような純ジャパ英語リハビリおじさんが取るべき戦略は「リーディング(R)とリスニング(L)になるべく時間リソースを投下し、ライティング(W)とスピーキング(S)はほどほどに」と言うものです。
WとSは出る問題や採点者によって点数がバラつき、かつなかなか努力と点数が比例しにくい科目です。一方でRとLは正解を選べれば点数が素直に出るため、底堅く点数を取れるかつ、うまく行けば点数が上振れる可能性があるためこちらから攻めることをお勧めします。実際に私はoverall 7.0に到達したのは、Rで8.5が取得出来たことが大きいと思います。
単語
兎にも角にもまず最初の入り口は単語です。
単語は全ての科目の底上げにつながるため、やっている際中は砂を噛むようなやるせない作業ですが、後々とても効いてきます。
単語帳はあれこれ手を出さず、以下の1冊で十分です。
実際の試験や過去問を解く中でこの単語帳に収載されている単語を多く発見し、その精度の高さに感心しました。
私の実際のやり方は次の通りでした。
手順1:最初の1周目は「知らない単語」と「知ってる単語」を分ける作業です。なるべく早いスピードで知らない単語にチェックをつけていきます。(最初はチェックが少なくて、案外あれ?行けるぞ?と思いましたが、ページを進めるごとに徐々にチェックが多くなり、やがて全てチェックしているときには心が折れそうになりました。)
手順2:2周目以降はチェックしたところのみを高速で回していきます。(一単語1−2秒で意味が思いつかなければ、すぐに意味をみると言う感じです。)
手順3:朝、晩、翌日の朝、翌々日の朝というように繰り返し、徐々に間隔をあけていきます。一日300単語くらいを平気で回せますが、短い周期で繰り返さないと全く頭に残りません。
単語は隙間時間を見つけてトイレや移動時間、食事などの時間になるべくやります。しかし、中にはどうしても頭に入らないという単語もあるでしょう。
そういう場合は、フラッシュカードのアプリなどに個別にピックアップするのもありです。
iKnow!
Quizlet
私のオリジナルの方法はパワーポイントに左上に単語、イメージ画像、右下に日本語訳を載せてオリジナルの単語帳を作りました(下図)
それを隙間時間でパラパラしていると単語とイメージ画像が紐づくので、私的にはこの方法でのイメージ暗記はとても合っていてかなり頭に残りました。
単語帳は机で座ってというよりも隙間時間になるべく多くこなす感じで、結局30周くらいしたと思います。
Reading
私は以下の勉強法で8.5まで取得出来ました。ぜひ参考にして頂ければと思います。
手順1:まず過去問を解きます。
Cambridge University PressのIELTS XXシリーズ(Academic)を最新のものから3つ買って解きました。
まずは数回分解いてみて下さい。
ここでのポイントは必ず時間を計って解いてみることです。解く目安は私はPart116分、Part2 18分、Part3 20分と考えて、最後に少し余裕を持たせられるようにしました。出来ればPart1-3の3問まとめて解くことにより試験の雰囲気と時間配分の要領を感じられると思います。
ここまでは試験形式になれるという意味合いが強いので、点数に一喜一憂する必要はありません。
ここからが本番です。
手順2:精読を行います。
分からない単語があればマーカーでチェックして横に意味を書いたり、四角や丸などを駆使して自分ルールで文構造(どれがSでVでOで、、など)を明らかにします。
精読の仕方については以下サイトを参考にしました。
実際、一つの課題文に精読で1時間かかることもザラです。
しかし精読が終わると、その課題文はリーディング対策のための素晴らしい教材になります。問題を解く→精読のサイクルで私の勉強時間では1週間に3つ程度の課題文の精読をしました。
手順3:精読した課題文を速読します。
文構造や単語が隅々まで分かっている文を速読することは、結果的にすごくいいトレーニングになりました。
ここで大事なことは必ず時間を計って1つの課題文を読み終わる時間を計測することです。読み終わる時間の推移が可視化されると自分の進歩が分かりやすくなり、励みになります。
余談ですが、私は当初1課題文7分くらいかかっていました。しかし「内容の重み付けをして読む」様になってから、スピードが格段に上がりました。これは、パラグラフの中で重要情報はしっかりと内容を把握し、具体例などはさっさと読み飛ばすというような読み方の強弱です。これを意識することにより当初1課題文に7分程度かかっていたものが、最終的には3−4分まで縮めることが出来ました。
精読を終了した課題文を毎日時間を測りながら3つ程度読むように努め、速読力をあげました。
加えて未知の英文でもこのような重み付けをしながら読む練習をするために
BBCニュース
The Japan Times Alpha
などを使用しました。
なおThe Japan Times Alphaは有料ですが、日本語訳に加え英語学習者には嬉しいいろんな発音のTipsや読解法などが分かりやすく載っているので勉強になりました。
手順4:自分に合った問題解答法を確立する。
リーディングには色々な解答ストラテジーがあります。
一例を挙げると、、
方法1 まず3−4分で課題文全体を速読して内容を把握し、次に問題文を読み課題文の該当箇所までスキミングして解答する。
方法2 直接問題文から読み始め、キーワードを課題文から探し、その周辺の文だけを読んで解答する。
しかし私にはこれらの方法は上手く行きませんでした。
方法1では、意味を必要以上にしっかりとってしまい文を読み終わった段階で8−9分経過、それから問題文読み、焦って解くうちに時間がなくなりどんどん後の問題を考える時間がなくなる、最後はなんとなく解いて終了と言ったパターンになってしまいがちでした。
方法2では、確かにこれで解ける問題も存在しますが、虫食い状に読むのでなんとなく全体の論理構造が掴みづらく、今ひとつ自信を持って解答できない問題が相当数あることが自分には合いませんでした。
結局私は、以下のyoutube 動画で語られているような方法を採用しました。
これはIELTSの問題の流れが課題文の内容の順番になっていることを利用し、パラグラフ単位で少し読んでは問題を解き進める方法です。最後の文までたどり着いたときには、もう問題が解き終わっている状態であり、2度読みがなくなったため時間が短縮され、解答の再チェックができるようになりました。
根拠を持って解答できる問題が多くなり、リーディングの点が安定的に上がるようになりました。
自分自身の解答法の確立において、皆さんにもぜひ試していただきたい方法です。
手順5:間違えノートを作る。
精読が完了した時点でなぜ自分が問題を間違えたのかが明らかになるはずです。
リーディングには決まった種類の問題形式があり、それぞれに解答の要領があります。私は「どの問題形式を、なぜ間違ったのか」を問題を解くたびに別のノートにまとめていました。
解答した問題数が増えると、自分の苦手な問題形式や間違えのパターン(例えば、FalseとNot Givenを間違えるなど)が分かるので、その部分を個別に解答の要領を確認していくと言った感じになります。
各々の問題形式の解答の要領については多くのブログが情報を出してくれております。
具体的には、以下のようなものがあります。
True / False / Not Given問題
パラグラフ選択問題
見出し選択問題
タイトル選択問題
カテゴリー問題
穴埋め問題
文章完成問題
テーブル完成問題
フローチャート完成問題
ダイアグラム完成問題
文章完結問題
多肢選択問題
リスト選択問題
ショートアンサー
ノートを試験の前に見直して、同じ間違いを起こさないように気をつけました。
Listening
リスニングは6.0からスタートし最終的には7.5まで取得出来ました。
私はアメリカ英語圏にいるためにイギリス英語は最初は戸惑いました。
しかし聴き慣れてくれば、同じ英語なのでそうは変わらないことに気が付きました。
リスニングに関してもCambridge University PressのIELTS XXシリーズ(Academic)を使用しました。
理由は実際の試験に即した内容であり、かつ完璧なスクリプトがあることです。
手順1:まず通常スピードで普通に問題を解きます。答え合わせをして間違った問題をピックアップします。
手順2:スクリプトは見ずに間違った問題の周辺のところを意識しながら繰り返し音声を聴きます。
より内容が分かると思いますので、解答が根拠を持って分かればOK。それ以外の間違った問題にフォーカスします。
何回か聞いて、全ての問題が自信を持って答えられるか、「自分自身のリスニング力ではどーやっても解けない」というところまで繰り返し聴き込みます。
手順3:スクリプトを見ます。
スクリプトには聞き取れていなかった部分、未知の単語、自分が解釈していた内容が間違っていた部分があると思います。
そこは自分のリスニングにおいて「弱点」と言える部分なので、記憶がフレッシュなうちにそのような部分に下線(なるべく色付きで)を引きます。
手順4:リーディングと同じように精読を行い、内容をしっかりと把握します。
手順5:その音声を使ってシャドーイングを行います。
スクリプトを見ずにPart2ならPart2だけを10分間集中してシャドーイングします。本気で集中です。
(もしシャドーイングに自信がなければ、まずはスクリプトを見ながらオーバーラッピングから始めます。その後スクリプトを見ないシャドーイングに移行します。)
シャドーイングが終わったらスクリプトを確認し、あやふやな部分がないかをチェックしました。
このようにしてシャドーイングができるような音声とスクリプトをどんどんストックして、毎日ランダムに選んで挑戦しました。
時間にして1日15−20分くらいかと思います。
だんだん慣れてくると遅く感じてくるので、再生速度を早め1.5-2倍速でシャドーイングできることを目指しました。
再生速度の調整はハヤえもんというアプリを使いました。(iOS, Android版どちらもありました。)
後から振り返ると、スクリプトのない英語音声をただ聞き流すだけの映画、海外ドラマ、英語聞き流しの動画ではリスニング力は身につきませんでした。
ただ、同じ音声を繰り返し聞いても飽きてしまうかもしれません。
そこで私は1週間に一度更新される
BBC 6min English
(イギリス英語でスクリプトもあり、レベル感もちょうどいい)を使ってシャドーイングのチャレンジをしていました。
手順6:解答方法の確立
リスニング試験は、半分リーディングの試験でもあると言えると思います。
Part1の待ち時間にPart2の問題文を読み、Part2の待ち時間ではPart3を読み、などと先読みをしていかに問題で問われているポイントを意識して問題音声を聞けるかということが非常に大きなポイントとなります。
これは自宅ではなかなか模擬体験できないのですが、本番で大事です。
また問題選択肢と問題音声が全く同じことを言っている場合には逆に不正解の可能性が高い(選択肢は言い換えられているパターンが多い)、初期に出された情報はひっかけである(XXXという予定だったが、住民の反対で###に変わった。等)、リスニング問題特有の要領があります。
ここら辺のスキルはこれらのブログページがとても詳しかったので参考になりました。
Writing&Speaking
ここからは正直、余り人に偉そうに講釈をたれるレベルにはありませんが、ライティングは 5.0からスタートして6.0、 スピーキングは6.0からスタートして7.0までのスコアを取った方法です。
まずライティングとスピーキングのトレーニングはアウトプットという点においてとても似ています。
例えば、喋る時に論理構造を意識することはそのまま文章を書くことにおいても言えることです。
私はライティングもスピーキングもPREPを意識して、整理してアウトプットすることをまず念頭に置きました。
PREP法はあまりにも有名ですが、念のために参考リンクを置いておきます。
また参考書としてこの本はオススメです。
ここで参考にしたのは文章やスピーチの表現方法もそうですが、頻出項目に対する模範解答やアイディアも役に立ちました。
当初私は、面接や小論文試験のように素晴らしいアイディアを出そうと考えていちいち言葉が詰まったり時間がかかったりしていました。
しかしIELTSで見られているのは論理の一貫性だったり流暢さであったりで、そのアイディアがどうであろうが全く評価の対象にはなりません。つまり「誰が見ても当たり前のありきたりな答え」で十分です。そのアイディアを論理的整合性を持って話せる(書ける)というがキモになります。
その上でライティングの論理構造のテンプレ化のために以下のサイトが参考になりました。
私がライティングで行った実際の手順です。
手順1:まず時間を測って文章を書きます(私はコンピューターベースでの受験を考えていたので、正確にはタイプしました)。
手順2:基礎的な文法事項の評価のために、まず書いた原稿をグラマリーで添削しました。
この時点で時制や単複、綴りなどの基礎的な間違いを見つけます。
よく同じ間違えをする項目については文法を忘れている可能性があるので、その都度基礎知識をチェックしました。
手順3:基礎的なライティングに慣れ、論理構造のテンプレが出来てきたら、以下のサービスがオススメです。
ここは非常に早く、丁寧に添削されており、この結果を踏まえてリライトをするとよく身につきました。
8回分の添削ができますのでTask1、Task2のさまざまな問題形式をそれぞれ一つずつ選んで、網羅するように提出しました。
次に私がスピーキングで行った実際の手順です。
手順1:Youtube動画で雰囲気を掴む。
その中でもIELTS Dailyというチャンネルのmock testは大変参考になりました。
(色々なレベルの受験者がおり、どんな風に返答すれば評価されるのかが勉強になります。)
手順2:想定質問に対する答え(解答文やキーワード)を用意する。
頻出質問事項についてはエクセルのスプレッドシートに一つ一つ答えのキーワードや答えを書いてとっさであっても答えられるようにしました。
頻出質問事項につきましては、上記参考書やブログを参照しました。
手順3:日頃から頻出問題の解答を独り言でぶつぶつ言ってみる。
手順4:自分の2分間の喋りを携帯で録音して聞く。
自分一人ですと上手くいっているのかフィードバックが欲しくなります。
自分の喋りを録音し、客観的に聞く様に努めました。
聞いてみると、あまりの出来なさ加減と恥ずかしさでそのまま携帯を水に沈めたくなるような衝動に駆られますが、なぜそういうように感じるのかというのを他人の目線で冷静に分析します。
私は発音やリンキングに難があり、とてもカクカクとしたサムライイングリッシュでした。
そのためELSAというアプリを一日5分はする様にしました。
おかげで後半は少しはマシな発音になれたと思います。
手順5:オンライン英会話でアウトプットを続ける。
数ヶ月ですがキンブリーに入会し、IELTS 対策コースを受講し講師の方にフィードバックをもらいました。
講師の中でこのDavidさんはIELTS 講師として抜群に素晴らしく、もしスケジュールが空いていれば是非予約して体験して頂きたいです。
しかし、まだまだ自分自身のアウトプット力に関しては、伸びしろだらけです。。
まとめ
40歳を過ぎてからの受験は色々と不安でしたが、英語は努力する方向さえ間違えなければ、まだまだ成長することができると実感できた機会でもありました。今後、色々な場面で英語が必要になる方々に少しでも参考になれば望外の喜びです。
お互い、一緒に頑張っていきましょう!
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