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#31 建設業許可:財産的基礎とは

以前の記事に続き、「建設工事の許可」についてまとめていきます。
今回は、建設業許可要件の財産的基礎についてです。


建設業許可の3原則は、”ヒト”・”モノ”・”カネ”になります。

ヒト”は、「経営業務の管理責任者」や「専任技術者」の要件。
モノ”は、「営業所」などの要件。

最後に”カネ”は、財産的基礎の要件となります。

建設業界特有でもある、
資材・機器の購入・労働者の確保は欠かせません。
一定の資金を確保をすることで経営を安定させる必要があります。

そのため、許可審査時に財産の要件がチェックされます。

一般建設業の許可の場合、
以下3点のいづれかに該当すればOKとなります。

①自己資本の額が500万円以上である者
②500万円以上の資金を調達する能力を有する者
③許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業をした実績を有する者

どうやら500万円が1つの基準になっているようです。
1つずつみていきましょう!

①自己資本の額が500万円以上である者

自己資本についてご説明します。

■法人の場合
 「貸借対照表」における「純資産の合計」の額

■個人の場合
 「期首資本金」、「事業主借勘定」、「事業主利益」の合計額から、
 「事業主貸勘定」の額を控除した額に、
 負債の部に計上されている「利益留保性の引当金」及び「準備金」の額を加えた額

 ◆計算式
 =(期首資本金+事業主借勘定+事業主利益)
    - 事業主貸勘定
      +(利益留保性の引当金+準備金)

②500万円以上の資金を調達する能力を有する者

実際に資金が手元になかったとしても要件を満たすことができます。

担保として不動産など有していることで、
金融機関から500万円以上の融資を受けされるケースなどがあります。

具体的には、
「取引金融機関の融資証明書」・「預金残高証明書」などで判断します。

◆注意点
 「預金残高証明書」は、申請から1か月以内の証明日を要求されます。
 例えば、申請に向けて準備を進める中、
 他の資料集めに時間を要し1か月を経過するケールがあるので要注意!

③許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業をした実績を有する者

こちらは、「更新」の場合にあたります。

逆をいうと、更新する場合、
①②でいう500万円以上の財務的基礎はみられないこととなります。

しっかり5年間、継続して営業を行ってきた実績があれば、
自然と財産的信用はあるとの判断になります。

まとめ

経営を安定させ発注者を保護するため、一般建設業の場合、ざっくり500万円以上の財産を有する必要がある。

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