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【毎日note*268日目】当たり前に生きる強さ

上橋菜穂子さんの最新作『香君』を遅ればせながら読んでいます。

冒頭から上橋ワールドで、目次と登場人物紹介を見ただけで、どんな冒険に引きずり込まれるのだろうかとワクワクしました。

次の日が休みなら夜更かしで読み進めたいところでしたが、昨日の夜から読み始めたので、続きはまた今晩の楽しみに…

先日は久々に上橋さんの『夢の守り人』を読みました。何度も読んだのに、ふと読み返したくなるのが上橋さんの作品。

呪術師のトロガイが弟子のタンダに言う台詞は、初めて読んだときから印象的でした。

自分たち呪術師は、普通の人が見えないものが見える。深く理解していないうちは、自分たちだけに見える世界だけが本物だと信じ込み、それが見えない人たちを軽んじてしまいやすい。

しかし、そうした普通の人たち、当たり前のような毎日を懸命に生きる人たちには、自分たちには無い強さがあるのだと。

昼と夜が互いに補い合っているように、お互いに違う強みを持つ者たちが補い合っているのがこの世界なのだと。

人と違う強い力を持つ代償として、他の人達と同じような生き方ができない孤独や寂しさを抱える人たちの話。でも、誰もが少なからず孤独を抱いて生きている。お互いに無い物ねだりなのかもしれません。

当たり前に感じる日々を懸命に生きるほうが、時には大変なこともあります。「普通」なんてものは本当は存在しない。

上橋さんが描きたいものは、特別な強さや能力を持つ人たちの話ではなくて、当たり前に生きる強さなのだと、『夢の守り人』を読んでいて改めて感じました。

『香君』の続きも楽しみです^⁠_⁠^

ありのまま、自分らしく。

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