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<私のスケッチポイント/作品紹介あれこれ> 新宿御苑と線スケッチ作品(1)

 先週初めまで、note記事としては、ほぼ毎日投稿する<手帳人物スケッチ>シリーズと、時折投稿する記事との2本立てでやってきました。

 実は先週から入院しているため、手帳の人物スケッチの彩色ができないので毎日投稿ができなくなりました(入院は2週間、糖尿病の学習と血糖値を下げるための治療をあわせたもので、身体はいたって元気です)。

 そこで考えたのが、これまでの完成作品を利用して気楽に書ける作品紹介コーナーです。

 noteを始めた当初、別のコーナーで作品紹介をし始めたのですが、欲張りすぎて、記事を作るのに時間がかかりすぎ、結局記事は1年間まったく書けませんでした。

 そこでハードルを下げるために、これまでインスタグラムで投稿した作品を、スケッチポイント毎に複数の作品をまとめ、あまり文章は欲張らないで一つの記事にしていくことにしました。

 第一弾は新宿御苑です。

 なお、最近の作品は下記インスタグラムで紹介しておりますのでよろしければご覧ください(下記URL)。

https://www.instagram.com/wataei172/

新宿御苑と線スケッチ作品

新宿御苑の利点

 新宿御苑は、春夏秋冬を通じて、いつ行っても何らかのモチーフが見つかるので、スケッチャーにとって、困った時の神頼みならぬ御苑だのみといえる場所です。

 私は年間パスを購入して、好きな日時にいつでも、また1日の間でも何回も出入りしてスケッチを愉しんでいます。

スケッチする場所としての利点を下の図に示します。

図:新宿御苑のスケッチとしての利点

作品例

それでは、2012-2013年頃の作品を紹介します。

(1)新宿御苑・関山

「新宿御苑・関山」(2013)
アルシュ 全紙 ペンと透明水彩

 新宿門から大温室の方向へしばらく進むと、左手に大きなヒマラヤ杉が見えてきます。その前に、明治の香りがする古い建物があり、それが旧御休所です。
 その建物の東の小道の丘陵側に一本の枝垂れ桜が植えられており、毎年春に、見事な淡いピンクの八重の花を咲かせます。品種は「関山」と云い、満開時には多くのアマチュア写真家の人たちで場所の取り合いになります。

 彼らの狙いは、旧御休所の全面ガラスに枝垂れ桜が映り込む光景です。

 私の場合は、全紙を広げて現場で線描するのですが、写真と違い描くのに計4時間ほどかかるのでどうしても長時間場所を占領して写真家の方に迷惑をかけてしまいます。
 それでも彼ら彼女らの冷たい視線を受けながら頑張って描き切りました。

(2)新宿御苑のプラタナス並木(秋)


新宿御苑のプラタナス並木(秋)(2012)
アルシュ 全紙 ペンと透明水彩

 新宿御苑の樹木の中で私が好きな場所はこのプラタナス並木です。特に幹肌には独特の文様がついており、この模様を無心に線描するときが一番楽しい時になります。
 季節は落葉する前の、紅葉した葉が着いている頃が美しいと感じます。この絵は、紅葉がある程度進んだ時期に描いたものです。

 構図ですが、一般には数多くのプラタナスがずっと奥まできちんと並んだ風景を描くケースが大半だと思います。ここではあえて逆方向の英国式風景庭園の広場の方を向いて描きました。
 遠くに新宿御苑のシンボルのユリノキの巨木、さらに背後のビル群を描き、都心の真ん中にある公園の雰囲気を出すようにしました。

 手前とその奥、および左のプラタナスの木の葉は大量にあるので、一見描くのは大変のように見えますが、写実的に描いたのは手前の木の葉の、一番近い距離の数十枚の葉だけです。
 そのほかの葉は、プラタナスの葉の特徴だけを描くようにし、必ずしも正確な葉の形は描いていません。葉の向きを見ながら、単調にならないようにひたすら大量の葉を描き重ねていっただけです。

(3)大温室・室内風景

新宿御苑大温室・室内風景 (2013)
アルシュ 全紙 ペンと透明水彩

 大温室では、様々なめずらしい熱帯植物とランをはじめとする美しい花々が独特な風景を作り出しています。そのような色鮮やかな花や風変わりな形の葉が満ちた熱帯風景もスケッチ心を誘います。
 ただ、ここでは、睡蓮が浮かぶ池を覗き込む人々と、その池に反射する紅葉と空に注目して人工の洞窟の中から池の方向を描きました。


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