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脳の理解変化–学習と個別最適化

本日は「脳の理解変化」というテーマでお話しします。


脳のことがよくわかってきたというか、今までわかっていたことがSNSやYouTubeで拡散されやすくなったというか、YouTuberなどインフルエンサー、匿名アカウント、色々ありますけど、そういう身近な人たちの悩みごとが可視化されて、それと研究が結びつくようになったというか、情報が素早く移動するようになったというか、壁がなくなったというか。

何と言えばいいかわからないですが、基本的に脳の理解というのは急速に高まってるなという風に思います。

それで僕自身も臨床に対する理解度が、本当にYouTubeやSNSなど色々なものを通じて深まっているというか。

正確に言うと教科書的な知識としては知っていた、情報としては入っていたのだけれど、自分の臨床とのリンクというか結び付きが弱かったというか、どこか腑に落ちてなかったというか。

だけど急激に実例と研究と、そして教科書との行き来がどんどん進むことによって、道が太くなって理解が進んでいるというか、そういう実感はあります。

プラス、僕のところでは一緒にリョーハムさんなど当事者の人と一緒に働いていたりもしますし、自助会もあって診察室以外のやりとりとかもあるので、より臨床が見えてきているというか、そういうのがあります。

そういう中で、僕だけじゃなくて、他の患者さん、他の当事者の人、他のインフルエンサーの方も、やはりこれは脳だよね、という風に考えることが増えているみたいです。

若い世代ほど心は脳なんだ、心というのは物質なんだ、脳という物質が生んでいる現象なんだ、いわゆる機械論的な心の構造というものの理解というか親和性が高まってるようです。

難しいことを言ってますけど、とにかく今回は、もう一回脳の理解というのはどうなの、という話で動画を撮って、皆さんと共有したいなと思います。

◾️学習と個別最適化

なぜ脳の理解が、研究と実際の現場でのリンクが強まったかということですけど、これは学習です。

どういう風に教育すればいいのか、どういう風に人は認知してるか、どういう学習をしたらいいのかということがすごく研究されていて、その結果、この「学習」というのは、子どもの学習もそうだけれども、大人の生涯学習もそうだし、ビジネスの世界で会社をどういう風に運営するのか、どうやって人材を育成すればいいのか、モチベーションを高めていけばいいのか、そういうことが研究されてきており、その結果、個別最適化する必要があるということがわかったんです。

当たり前じゃないかと言われたら当たり前な感じがしますけど、でもそれが脳の構造的にそうなんだろうなということがわかってきてるし、それが蓄積されているという感じです。

そしてそれらの知見が一般のところでやられているところなどが医学の世界にも来ているというようなイメージです。

医学の中の発見もそっち側に行っている。

そういうことで個別最適化なんだろうということがわかってきてる、と。

じゃあなぜ個別最適化しなければいけないのか、なぜ個別最適化したような学習が必要なのかというと、人それぞれ脳レベルでかなり違うよねということがわかったということです。

教育や環境が違うから、文化背景が違うから個別最適化が必要というよりは、もうちょっと根本的なところで、生物学的なレベルからかなり違うよねということがわかってきたからだと言うことです。

うん、難しいね、今日は。

難しいですけど、何となく聞き流してください。

実際、臨床や教育現場、会社の現場ではどういう要素が注目されてるか。

一言で脳と言っても色々な側面があるわけです。

多様な側面がある。

東京とはどういうものですか、と言った時に、色々な側面があるじゃないですか。

ラーメン店が多いよ、日本の首都だよ、と色々な側面がある。

脳といっても色々な側面があり、その色々な側面のうちのどのポイントに注目するかということですけど、この10代の脳、発達障害や知的な問題、トラウマはやはり注目されているし、現実応用の余地がすごくある部分として注目されてるかなと思います。

ストレスから来る、心身の疲弊から来るうつという脳の変化、うつ状態になるという脳の変化は割とポピュラーになってきてるし、HSP(繊細な人、不安になりやすい人)という脳が持っている構造、生まれ持った違いというのも割とポピュラーになってるんですけど、そこ辺の領域も大事なんだけど、ポピュラーになってきていて、ここら辺のところがまだあまり知られてないけど、とても重要だという風に考えられてる分野です。

前書きが長いですね、今日。いきましょう。

◾️10代の脳

10代の脳というのは、大人の脳、30代、40代の脳と大きく違うということがわかってきてるんです。

それはなぜかというと、やはり子どもの脳というのはまだ成長過程だからだということです。

学童期、思春期以前の子どもは小さいので、大人とは違うなという感じは直感的にわかりやすいんですけど、中学生以降になると身体も大きくなってきてますよね、中学、高校生になると。

だから何となく大人と同じような感じで話も通じるし、大人と同じなんじゃないかと思いがちですけど、いや結構脳は違うよね、ということがわかってきてる。

そもそも脳みそというのは、知的能力(論理的に考える力)だったり、情動的な能力(感情のコントロールをする力)、社会的な能力、ルールを守ったり、友達と仲良くする、そういう能力というのはやはり成長していくし、だけど成長のスピードというのは人それぞれ違うんですよ

知的能力がガッと伸びた後に情動能力が追いついてくることもあれば、先に社会的な能力の方が身につきやすい。

兄弟がいると下の子の方が社会的能力の成長は早いです、上の子よりも。そういう成長速度というのは大きな違いがあったりするんですよね、環境や遺伝子によって。まず前提としてそういうのがあります。

思春期の脳というのは、学童期の脳よりも感情コントロールが困難になるということがわかってる。

それはなぜかというと、性ホルモンが活性化し、心身のバランスがグッと崩れつつも、急激に身体が成長していくからです。

脳の成長もグッと起きるから、それにつられて、感情コントロールが苦手だったりします。

ホルモンの影響を受けるので、男性ホルモンの影響で攻撃的になったり、女性ホルモンの影響で不安定になったり、女性ホルモンというか生理が初めて始まって情動が乱れたり体調不良になる、心身の不調になる、ということがあります。

それは子どもの時の方が大きい、と。

ドパミンの影響も受けやすいんです。

だから興奮する、楽しいことに対する影響を受けやすくて、我慢しにくいんです。

だから誘惑に弱いんです。

誘惑に弱いから楽しいことしたいし、遊びたいし、勉強をするよりも、苦手なことをするよりも楽しいこと、やりたいことをやりたくなってしまうという感じです。

なので依存症になりやすいんです。

子どもの時に楽しいことは依存症になりやすい。

子どもの時にアルコール、違法薬物、大麻、ギャンブル、色々覚えてしまうと、大人になってからやめにくいし、依存症になりやすいんです。

リスクが上がる。

リスクは上がります。

子どもの時の脳は柔らかくて吸収が早いんです。

吸収が早いということは、逆に依存症にもなりやすいということなので、子どもの時にそういうものに触れてしまうと、ゲーム依存、インターネット依存、SNS依存にもなりやすいよということです。

ドパミンが気持ち良いんですよ、興奮することが好きなんで。

例えば暴走族のバイクみたいな。

スピードが出る時にドパミンが出るじゃないですか。

あれが気持ちいいから、スピード出したり、危険な遊びが大好きなんです。

危険な遊びが楽しいし、大人に反抗することも大好き、楽しいんですよね。

気持ちいいというか、ドパミンが出るので。

高揚してそれが病みつきになってしまうというのも10代の脳の特徴だと言われています。

あとは仲間の目をすごく気にするようになるんです。

同世代の他人の目を気にするようになって、それが劣等感につながることもあれば、その結果、仲間から認められたくて悪ふざけをしたりとか、仲間が喜んでくれるからSNS炎上みたいなこともしてしまうんです。

これはそういう特徴です。

結局、集団心理が働いたり、集団の狂気が生まれやすい。

集団の狂気が生まれやすいんですね、仲間の目を気にするから。

だからすぐ嫉妬したり、すぐ劣等感を感じたりとかするので、もう過密なんですよ、情報の行き交いが。

かつ感情のコントロールが全員苦手だから、グチャグチャグチャグチャしてる。

そういう中で、ガス抜きのためにいじめが起きたり、暴力が起きたり、トラウマになるような出来事が起きたりします。

スケープゴートにされた人たちというのは、記憶に残りやすいんです、いじめられたりすると。

10代の時というのは、大人になってからいじめられるよりも記憶に残りやすかったりします。

それは脳が吸収しやすい時期ですから。

あとは仲間の目を気にするのでSNSをやめられないし、SNSでの活動にすごく左右されやすいということがあったりします。

あとは脳とは関係ない、関係ないというか、よくあることとしては性被害の問題というのが実は多かったりするよというのはよく知られてます。

そこに近づいていってしまうんですよ。

こういう色々なものが重なって、家族の問題、友人とうまくいかないから、性を売りに大人に近づいていく、助けてくれる大人のところに行ってしまう、大人も助けてくれる。グルーミングというのですが、ある種の洗脳みたいな形で手懐けて性的加害を行う、性的報酬を得ようとする、大人側が。

子どもたちは性的に肉体を差し出すことで安心を得ようとするんだけれども、結局心の傷になるというか、適切な養育を受けられずこうなってしまう、大人からの無条件の愛情をもらわずに性的な取引をしないと愛情をもらえないという風に、ある種刷り込まれてしまう、そういうことが起きてしまうということです。

こういうことがよくわかってきたということです。

だから結局、じゃあどういう風にするのかというと、仕方ないことというのはあるんです。

子どもだから仕方がない、SNSを気にするのは仕方がない、感情のコントロールできない。

この仕方なさというのがあって、仕方がないんだけれども、社会構造がそれに追いついてないんです。

社会構造としては、本当は人それぞれ違うから、個別に最適化したような教育をしなければいけないんだけど、学校というのは全員やらなければいけない。

SNSなどは彼らにとって危険なんだけれども、止められない。

あとは家族構造です。

色々な家族がありますけど、ある人たちにとっては家族構造がうまくいってないパターンもあるわけです。

例えば発達障害の親と発達障害の子どもという核家族のパターンの場合、破綻をきたしてしまうことがあるんだけれども、他の家族は核家族でうまくいってるから、お前たちもそんな風にやれよ、という形で、でも破綻してしまうことがあります。

ある種脳の理解が進んで行ったのだけど、それに合わせた社会構造が出来上がっていないというのが現代の問題で、じゃあどうしたらいいんだろうということを今人類は考えてるということです。

◾️発達障害

あとは発達障害の問題ですね。

発達障害や知的能力の違いというのが、もうちょっと可視化されてきたということがあります。

ネットなどでは、発達障害だからあいつはダメなんだ、発達障害だから仕方ない、あいつは境界知能なんだ、境界知能だから仕方ない、など色々出ています。

それはある種、差別的な時もあれば、同情を買うというか、寛容さを生む言葉でもあったりしますけど、これもどういう風に扱っていけばいいんだろうかというのがわからない、と。

IQやEQ、体力は生まれ持ったものです。

IQは知的能力ですし、EQは心の知能指数と言ったりしますけど、これは伸びるんですけど、教育や環境によって、でもそれも個人の努力以外のところですし。

バイタリティ、生まれ持ったバイタリティ。

週7で働ける人もいれば、週3でもヘトヘトになってしまう人もと、このバイタリティも生まれ持ったものなんだけど、それがわかってきてるというか。

だけど今の資本主義、民主主義、今の社会構造は、全員がある種平等である、だから全員が平等に努力できるものなんだ、頑張ればできるものなんだ、と思い込まされているんですけど、実際は違うよね、ということがわかってきています。

それに対してどうしたらいいんだろうということがわかってない、と。

あとは文字で考えるよりも映像や画像で考える方が得意な人、いわゆるビジュアルシンカーみたいな存在が認知心理学の中ではわかってきている。

確かに発達障害の人、ASDの人、ビジュアルシンカーの人が多くて、言葉にすると失われるので、言葉にしたくないです、と臨床的にも言う人が多いです。

どれぐらいビジュアルシンカーがいるかどうかわからないですけど、少なくともASDの人の一部はそうです。

それは臨床的にもわかってます。

あとは境界性パーソナリティ障害なんだと言っていた人、見捨てられ不安があるんだという人も、それだけじゃなくて、人格障害だと言われてたものの中には発達障害が含まれていたんじゃないか、双極Ⅱ型と言われてたけど、実は発達障害だったんじゃないか、ADHDの症状だったんじゃないか、そういうのも見え方が変わってきてるというか、わかってきています。

こういうことに対してどうすべきなのかというと、やはり早期介入がとても大事で、みんな同じように教育するのではなく、早期介入してあげて、この子にはこういう特性があるからこういう風に育てた方がいいよね、こういう風に教育してあげた方がいいよね、というのがとても大事だったりします。

これもわかってきている感じです。

同じようにやっちゃダメということです。

当たり前って言えば当たり前なんだけど、早く気付いて早期介入していけば、彼らのトラウマにならずに済むわけで、そういうことが大事だということがわかってきてるということです。

◾️複雑性トラウマ

あとはトラウマです。

トラウマに対する認識の拡大というのも一つのトピックかなという感じです。

トラウマというものをすごく狭く捉えてたんですよね、昔は。

だけど最近はもうちょっと広くとってることが多いです。

というのは、子どものうつ病はかなり多いんじゃないかということがわかってきてる。

子ども時代に10%ぐらいはうつを経験してるみたいなアメリカのデータもあったので『Up-to-Date』に載ってたので、そういうのもあるし。

あと起立性調節障害、心身症という形で、子どもの不調感、子どもがストレスでやられてるというのも割とメジャーになってきてます。

よく知られようになってきてる。

あとは親の発達障害の問題で養育問題。

ネグレクトになっているというのが、心がけの問題や気持ちの問題、教育の問題ではなくて、こういう発達や知的な問題、親の疾患が隠れてたからだとか、あとは貧困の問題でどうしようもなかった、宗教二世の問題、集団の病理の問題、洗脳の問題、誤った教育の問題等々でグチャグチャになってしまってるということがわかってきてるということです。

結局、子どもの時のそういうメンタルヘルスの問題というのが中長期的な影響を及ぼすということがわかってきてるんです。

子どもの時にうつになってしまうと、大人になってからもうつを再発しやすい、うつ病になりやすい。

子どもはうつにならないと思っていたのですけど、絶対普通になるということです。

当たり前と言えば当たり前だけど。僕らは、でも、子どもの時の傷つきというものをあまり語れないんです、大人になってから。

そういう風な、ちょっと許されない社会みたいなところがあって、気を張ってなければいけないし、競争社会だから大人の社会というのも。

自分が弱いということをアピールできなかった、告白できなかったんだけど、本当はすごく傷ついてたんだ、ペットロスの時にすごく落ち込んでしまったんだ、たかがペットではなくて、やはりすごく傷ついたんだよ、ということをもっと言えるようにならなければいけないし。

それに対して薬を飲めとかそういう話ではなくて、それをある程度ケアしてあげる、ケアしてあげなければいけないんだ。

当たり前と言えば当たり前なんですけど、そういうことなんです。

そうしないと中長期的な影響があるよということです。

人それぞれ違うので、それに合わせた傷つき方、同じペットロスでも傷つき方が違うので、俺はそんな傷つかなかったからお前も我慢しろ、ではなくて、個別性を理解した上で早期介入し、中長期的な影響を減らす、と。

これが最近わかってきたことということになります。

それがSNSで出てくる多くの人の意見と最新の研究データーが近づいてきて、一体として理解されるようになってきたということなのかなと思います。
ということで、今回は脳の理解変化についてお話ししてみました。

◾️本日の宿題

今回の宿題は、個別性と早期介入と中長期的な影響、というテーマで、皆さんの思うところを書いてもらえたらいいかなと思います。

個別性に合わせた早期介入をすることで、中長期的な影響を減らす、と。

この言葉について思うこと、自分はこうだなと思うなどを書いてもらうといいかなと思います。

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