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【#Real Voice 2022】 「今思うこと。」 2年・木原爽汰

突然だが、
大学サッカーとプロサッカーの違いは何かと問われれば、何と答えるだろうか。
給料の有無、プレーのレベル・クオリティの違い、ステークホルダーの存在等、人によって回答はさまざまであると思う。
さまざまな捉え方がある中で、この問いを私の主観で捉えるのであれば、


プロサッカー以上に、結果に至るまでの過程(以下、プロセスと記する)を重視するのが大学サッカーなのではないかと思う。

もちろん、大学サッカーにおいて結果が重要でないと言っているわけではない。結果を重視しなければそもそも良質なプロセスは生まれない。また、プロサッカーにおいてプロセスが重要でないと言っているわけでもない。ただ、ここで言いたいことは、プロサッカーよりも大学サッカーの方がプロセスを追求しなければならないのではないかということである。

サッカーは相手次第でスコアが変化するスポーツ、再現性が少ないスポーツ、ゴールという狭い箱にボールを流し込まなければいけないスポーツであるが故に、不測の事態が起きやすく、どんなに良いプロセスを積み上げても、求めていた結果が出ないことが多々ある。つまり、「結果―プロセス」の関係性において、ある程度の相関関係は存在するが、良いプロセスがあれば必ず良い結果が出るという因果関係が存在するわけでもない。故に、実力差や結果に至るまでの過程が結果に必ずしも反映されるわけではない。実際に、最近行われたW杯では、下馬評では圧倒的不利であったにもかかわらずその下馬評を覆し、ジャイアントキリングを起こすチームがいくつもいた。日本もそのうちの一つである。もちろん、グローバル化に伴いサッカーの戦術や知恵、育成力等が全世界に共有されやすくなったことで、実力の差が埋まったからという意見もあるだろう。私自身もその意見に対して異論を唱えるつもりもないし、ジャイアントキリングが起こった要因の一つであると捉えている。しかしながら、ジャイアントキリングが起こった要因はそれだけでなく、相手次第でスコアが変化するスポーツ、再現性が少ないスポーツ、ゴールという狭い箱にボールを流し込まなければいけないスポーツであるという特性も重なって、下馬評とは異なる結果が生じたのではないかと考えている。私自身はそのような部分もサッカーの醍醐味であり、サッカーを面白くしている要素の一つであると考えているが、同時にどんなに良い練習を積んでも、どんなに強いチームでも、勝つ確度を高められても「必ず」という言葉は存在しないという捉え方もできる。(どのスポーツにおいても当てはまることかもしれないが、サッカーは特にこの要素が強いと思う)

そして、そのような競技的特性を有していても、プロの世界においては、良いプロセスを積み上げ、良い内容であっても、結果が伴わなければアウト。

しかし、大学サッカーはプロの世界のように、結果が出なければ解雇といったような環境下ではないからこそ、良い結果のために、良いプロセスを積み上げるというサイクルをプロよりも一層伸び伸びと追求できるのではないかと思う。プロの集団ではなく、プロを目指す集団においては、結果だけでなく、プロセスもセットで考えなければ「成長」はないからこそ、大学サッカーは「学生」が主体の「成長の場」でもあるからこそ、プロセスを追求することの価値は非常に高いものであると私は考えている。うまくまとめられていないが、まあつまりプロセスを追求することに価値を見出せるのが、大学サッカーなのではないかということである。(例えば、プロの世界ではどんなによいプロセスを積み上げても、結果が伴わなければ給料は上がらないよねということ)


そして、私は個人としてより良いプロセスを積みあげるためには、昨シーズンのブログと重なってしまうが、「自分にベクトルを向け続けること」が大切なのではないかと今シーズンを過ごす中で改めて痛感した。言葉にするのは簡単であるが、これを体現するとなるとなかなか難しい。昨シーズンのブログで「自分にベクトルを向けるということ=自分の弱みと向き合い、愚直に取り組むこと」と訳したがそれを体現するためのコツとして、主体的に苦しい道(大抵の人がキツイと思うような道)に挑戦することが大切なのではないかと考えている(このように思う起源は高校ニ年時に在るが、昨年のブログでも触れたため、今回は割愛する)。具体的には例えば、走り込みのメニューであれば、手を抜くことは簡単であるが、周りに合わせるのではなく、自分の最大限の力を出し切るといったように。つまり、私たち人間は日々さまざまな選択を繰り返しているが、その選択の中で苦しいと思う道に、やらされているかのように取り組むのではなく、主体的に挑み続けることが大切なのではないかということである。もちろん、常に気を張って苦しい道を選択し続ける必要があるとは思わないが、少なからず自分が最も大切にしているもの、例えば、夢を実現するためだとかそういったものに対しては上記で挙げたような価値観は大切であると思う。




最後に、今シーズンは試合経験や日々の活動を通じて、「成長」を実感できたことが多かった一方で、反省すべき点や課題も多く残るシーズンとなった。自分の夢を理想のものから少しでも現実のものへと近づけるためにも、来シーズンは今シーズン同様に「自分にベクトルを向けろ」と言い聞かせ、満足のいくシーズンになるよう日々成長していきたい。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

◇木原爽汰◇
学年:2年
学部:教育学部
前所属チーム:早稲田実業学校高等部


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