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【#Real Voice 2023】 「焦り」 2年・瀧澤暖

今年こそと意気込んで臨んだ今シーズン。


活動開始早々から、肉離れ、両足首の捻挫を繰り返し、3ヶ月の離脱。


試合に出場しては離脱を繰り返していた頃、ユースの同期がブログに綴っていたこんな言葉が目に止まった。



「あと3年しかない大学生活」



あと3年しかない。



ブログを読み終わった瞬間に、漠然とした不安と焦りで心がいっぱいになった。
3年の時間がどれほど短いか。


その短さを痛いほど知っていたから。


プロを目指して尽力してきた高校3年間。
長いようで本当に短い。
3年という月日はあっという間に過ぎていく。


練習には最初にグラウンドに来て、最後に帰る。
オフの日も自主練習を欠かさず、できる限りの時間をサッカーに割く生活を送っていた。

その結果、3年生になった頃には、毎試合のようにリーグ戦に出場できるようになり、全国決勝の舞台も経験できた。



ただそれだけだった。



今思い返すと、努力と言えることがしたいだけだったと思う。
本当に成長するためのことができていない。
ただやることに満足していた。
やっているという満足感に浸りたかっただけだった。


北海道という小さな地域の中でしかない。
全国の舞台では何もできず、チームメイトに助けられてばかり。
トップチームのキャンプでは何もできないどころか、トレーニングの迷惑にさえなっていた。
当然、目標であったトップチーム昇格も叶うはずがなかった。


できるだけのことをしてきた3年間だと思いたいが、ただ少しだけ、いい経験と思い出ができただけだった。



こんな思いはもうしない。



本気で夢を実現する。



そう決意して始まった大学生活が、気がつけば2年目に突入していた。



昨シーズンから1年間、確実に成長していると思う。
少しずつ、やれることが増えてきた実感もある。
ただ、残りの時間、同じ過ごし方をして、同じ成長速度で、夢を実現できるのか。


夢を諦めたわけではない。
ただ、最近就活の話を耳にすることが多く、自分もそうなっているかもしれないと思ってしまう。


そんな現実から目を背けながら生活していたある日、なんとなく見ていたTwitterに



全日本大学選抜 国際ユース大会優勝
MVPは主将の山市(2年・山市秀翔 / 桐光学園高校)



同期の活躍を報じる記事が流れてきた。



同じ大学から、しかも同期が、世界の舞台で活躍している。
毎日のように筋トレをしている山市を見てきたからこそ、こういうやつが上に行くんだなと思ったし、素直に嬉しかった。


と同時に一緒に生活していたはずなのに、こんなにも差が開いているのかと、劣等感に苛まれた。


いてもたってもいられず、トレーニング室へ向かっていた。



悩んでいる暇はない。
やるしかない。



この日から、残された時間、後悔のないように、夢を実現するために、できる限りのことをやりきろうと決心した。


練習後には、毎日筋トレをするようになった。


オフの日は5時半に起き、パーソナルトレーニングへ向かう。


トレーナーに教わりながら、食生活も徹底している。


そんなものよく食べられるねと引かれることも多い。


小さな積み重ねが、いつか結果として現れることを信じて、継続していく。




そんな生活を送りながら、今シーズンも終盤に差し掛かっている。
所属しているカテゴリーは全試合を消化した。


シーズン当初、監督との面談で、今年は関東リーグで点を取りますと宣言したものの、選手選考にも絡めていない。
ただ、これが現実であり、受け止めるしかない。
ただ、可能性が残っている以上、チャレンジし続けたい。




そして、全国優勝を狙える新人戦が残っている。
ここにかける同期の思いの強さを常々感じる。
大好きな同期と、日本一を必ず成し遂げたい。


◇瀧澤暖(たきざわだん)◇
学年:2年
学部:スポーツ科学部 
前所属チーム:コンサドーレ札幌U-18


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