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【#Real Voice 2023】 「逞しき殊勲の獅子」 1年・鈴木大翔

また負け、また負け、また勝てへん。なんでやねん。
こんな週末を何回続けただろうか。












こんにちは。

この度、部員ブログを書かせていただきます。
スポーツ科学部1年の鈴木大翔です。
文章を書くことはあまり得意ではないので大目に見ていただけたら幸いです。

初めてということで少し自己紹介をしたいと思います。
とにかく負けることが嫌いです。
サッカーでもじゃんけんでもゲームでも、とりあえず負けることが嫌いです。
感情を表現すること、表に出すことはあまり得意ではありません。
ですがその分、内に秘める想いは強いです。
同期のりゅうじ(1年・青柳龍次郎)にはサッカー中にキレてる時はわかると言われました。


今回、自分を知ってもらうためにも、早稲田大学ア式蹴球部に入るまでのサッカー人生(主に高校)についてありのままの思いを書きたいと思います。


私は中学、高校とガンバ大阪の下部組織に所属していました。


中学3年生で高円宮杯優勝。


試合終了の笛と共に見上げた薄暗い空。響き渡る歓声。溢れ落ちる涙。


どれをとっても最高の景色でした。


3年間戦ってきた仲間だからこそ本当に嬉しかったし、あの瞬間を忘れることはありません。


中学3年の時は本当に試合に負けた記憶がほとんどありません。


リーグ戦88得点とずば抜けて得点力があるチームでした。


めちゃくちゃ楽しかったです。


リーグ戦は2位で、年間を通してほとんど負けることがなかったので負けたチームとの試合は鮮明に覚えています。


その時はそれほど勝つことが当たり前で負けるのが珍しかったし、勝ちながら成長するサッカーはとても楽しかったです。


高校でも絶対に日本一をとってあの景色をみんなでみようと戦いました。  






2022年12月4日プレミアリーグ降格。
リーグ戦5勝5分12敗。
チームは最下位、たったの5勝。


日本一を獲るどころか、残留争いの日々。


これまではどこに勝ったかなんてほとんど覚えていなかったのに、去年は勝ったチーム、試合をはっきりと覚えている。

勝ち続ける側やったのに負け続ける側になってるやん。

今思い出しても本当に苦しくなります。

落ち込んでる暇はないから自分と向き合って何がダメだったか解決しなければならない。

だけど整理がつかず気づいたら夜中の3時。

挙げ句の果てには金縛り。

こんな夜が何日、何週間あっただろう。

本当に悪循環が続いていました。

「次は絶対に勝とう。」
「毎試合アウェイであっても応援に駆けつけてくれるサポーターのためにも頑張ろう。」
みんなでこんな話をしても結果はなかなか出ない。


弱音を吐くことは嫌いなので誰にも話してはいなかったのですが、1度だけ心が折れそうになりました。
9月18日、ホームのジュビロ戦、試合に負け、自分は何も結果を残すことができませんでした。
自分自身が一番このままではだめ、もっとやらないといけないとわかっていて、悔しさと苛立ちが隠せませんでした。
一人でグラウンドをあがろうとした時、監督から厳しい言葉を言われ何かがプツンと切れそうな勢いで頭が真っ白になってしまいました。
サッカーが嫌いになったわけでも、プロへの道を諦めたわけではありません。
ですが、あの瞬間は全ての思考が停止しながら寮まで帰っていました。



「最近サッカー全然楽しめてへんやん。」
また夜中の2時にこんなことを考えている。

クラブユース全国大会で中学時代の監督が試合を見にきて、チームメイトの母親に言っていた言葉を思い出しました。

「あいつら全然楽しそうにサッカーしてへんやん。」

その言葉を思い出して、中学の時の試合映像を見返しました。
自分で見てもわかるほどイキイキサッカーをしていました。
そしてユースの試合を見返しても中学や高校2年生の方が元気にサッカーを自分らしくしていた気がしました。
次の週からはもう1回今までやっていたことを見直して、心も体もリセットしました。
するとコンディションは明らかに良くなりました。
今思うと本当にメンタルが未熟でした。
もっと自分自身の管理の仕方を学んで実践するべきだったと今では思います。
しかし、大学に来てメンタル面は少し成長したと実感しています。
それはたくさんの人と話して、たくさんの人の考え方を取り入れたからだと思います。
落ち込んでいる人もいれば、すぐに試合が終わって切り替えている人もいるし、ミスをしても切り替えるのが上手な人もいます。
それが良いのか悪いのかは分かりませんが、様々な考え方を取り入れてみることで自分にあった方法を少しずつ見つけることができ、大学に来た意味を早々感じています。


優勝と降格という経験を経験で終わらせるのではなく、糧にして強く逞しくならなければいけないという責任を強く感じます。
「この経験が間違いなく自分を変えてくれた。」
そう言えるように今後も自分と向き合い闘い続けなければいけません。
辛かったことや苦しかったことだけではありません。
毎週負けたら走りの対人。
コーチが一番上手いシュート練習。
厳しい練習を耐え抜いた先に感じる成長が燃え上がるような練習へとなっていました。
この練習が今の自分を作り上げ、自分がチームを勝たせるというメンタリティをより強くしてくれました。
散々怒られたことや言われてきたことは今でも頭の中で再生され続け、ちょっと気を抜いた時やそのプレーの瞬間に、指示をされていないのに聞こえてきます。(笑)


今ある時間を大切に、そして有効に使わなければいけないと改めて思います。


逞しき殊勲の獅子




この言葉はガンバ大阪のサポーターの方が僕に対して作ってくださった横断幕の言葉です。

今はこの横断幕を預かっています。
この横断幕はプロになった時に返すという話をガンバサポーターからいただきました。

ガンバアカデミーを離れても応援してくれているサポーターのためにも、この約束が力になっています。

たくさんの人に出会い、たくさんの応援を受けてきました。
その出会いを力に変えて自分なりにまっすぐと進んでいけるように頑張ります。


東京に来て約半年が経ちました。何不自由なく楽しく毎日を過ごせています。
練習後には陽琉くん(4年・奥田陽琉)とシュート練習を、試合の日には山市くん(2年・山市秀翔)、奏希くん(2年・本保奏希)、にご飯に連れて行ってもらっています。りゅうじ(1年・青柳龍次郎)とはたくさんサッカーの話をして相方になろうと。
シュート練習でミスをした時に咄嗟にでる「あかんっ!」をいじられたり、関西弁を真似されたり、関西人ばりのボケとツッコミをする山市くんがいたりと、ここには出しきれていませんが優しい先輩方と同期にたくさん面倒を見てもらっています。
本当に感謝しています。
たくさんの人に結果で恩返しできるようもっともっと頑張ります。

◇鈴木大翔(すずきひろと)◇
学年:1年
学部:スポーツ科学部
前所属チーム:ガンバ大阪ユース


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