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【#Real Voice】 「貴方のおかげで、ここにいる自分が幸せだと思えた。」 3年・菊地彩花

3年目の冬が過ぎていく。

16時台にはグラウンドの照明をつけて、上さん(上赤坂コーチ)に手が袖口に引っ込んでるから手袋つけなって言われる季節。

先輩と「寒い寒い」言いながらも、グラウンド横のやぐらでくだらない話を永遠としている季節。


人が入れ替わるのが魅力な大学サッカーだけど、毎年、誰かの『最後』を迎えるのは結構寂しい。


ひたすら先輩たちの後を追った1年目を終え、

多くのことに果敢に挑戦した2年目を過ぎ、


今さっき始まったように感じる3年目も、いつの間にか締めに入ってきている。

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最近、部屋の本棚を漁ると懐かしいものがでてきた。


薄い小冊子の表紙には、

『自分史
 3年1組 菊地彩花』という文字。


中学3年生のとき、
学校で『自分史』という課題が課せられて、

今までの自分の人生(15年間)を
なにか1つの軸を作って振り返るものだった。

「15年間という、
 長そうだけど短くて、

 でも人生の中で確実に重要な期間を振り返って

 君たちは何を思うのか。


 そして、未来に何を描くのか。」

多分、そんなようなことを先生が言ってたと思う。

過去を振り返って、
現在を見つめ
未来を想像する。

15歳のわたしには
これらの言語化は少し難しかった記憶がある。


特に、わたしが書いた1万字もの長い文章の中で、「第六章 ミライ」が占めるのはたった7行だった。


21歳という年を迎え、
大学生活も残り約1年と差し迫った今、


若干15歳のあの青臭い感覚と
希望に満ちていた自分を

微かながら思い出せる今、

私が6年前描いた「ミライ」を読んで、"今"だからこそ感じ取れる何かを探りたい。

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『自分史』を書いた頃。選手時代。




第六章 ミライ

「15才の今、正直、未来は見えない。

これから高校生になって、大学生になって、卒業して、働く。どんな自分       になってるのか全く想像つかなくて、希望もあるが不安もある。

今の自分から見て「大人」と感じる人間に、数年後わたしはなれるのか。もしかしたら、なろうと頑張らなくても、自動的になってしまうのかもしれない。

でも、その時のわたしは、
何かをひたすら頑張っている自分であって欲しい。
一生涯の仲間や友達と、笑って泣いて、やりたいことに突き進む人であってほしい。

そんな希望を今とこれからの自分に託して、この自分史を終わろうと思う。」



自分が書いたはずの文章だけど、
どこか今の私とは距離があるように思う。


「何かをひたすら頑張る」


この言葉に
あの時は知らなかった重みを感じる。


今年の1年を「頑張る」のは、正直簡単じゃなかった。

部活、学連、学業、就活、、、
さまざまなものが止まることなく降ってきて、息する間も無く走り続けなきゃいけない1年間だった。


やっとゴールに辿り着いたと思ったら、また新しいゴールが遠くに現れて。「頑張る」ことで、また新しく「頑張らなきゃいけないこと」が増えていく感覚。


「彩花なら大丈夫でしょ!」って言葉が
本来なら嬉しいはずなのに、どこかでプレッシャーに変換されていった。


「人生イージーモードじゃん。笑」
「挫折とかないでしょ?笑」

普段なら笑って返せる言葉たちに、何故か容易く傷つくようになった。

時には抱えきれず限界が訪れる時もあって、

ストレスで突然夜に片目が見えなくなったり、
何かの糸がぷつっと切れて号泣してしまった日とか、

今となっては笑って話せるけど、その時は相当追い詰められてたのかもしれない。

それでも、なんとか走り続けた。


他から見てどうだったかは分からないが、5年前に自分が言った「何かをひたすら頑張っている自分」に少しは近づけたんじゃないかなと思う。

頑張り続けられた理由。

それは、人だった。


私の周りにいる沢山の人達が、
走り続けるエネルギーになった。

日々の「ありがとう」「お疲れ様」に救われて、たくさんの笑顔に元気をもらえた。


一緒に戦う学連メンバー。
それぞれが色んな場面で板挟みになりながら苦しんでるはずなのに、それを感じさせずに相当な量の仕事をこなして妥協しない姿に、私も勇気をもらえました。右も左も分からなかった状態の私に仕事を任せてくれた先輩方、後から入ってきた私を暖かく迎えてくれて頼ってくれた同期、手伝いますよ!って声をかけてくれる心強い後輩たち、いつもありがとうございます。

可愛いア式の後輩たち。
基本的にくだらない話しかしてないけど、その時間が私にとって気が緩められる時間だなと思います。「彩花さん!」って話しかけてくれて、いつも笑いの絶えない時間をくれてありがとう。来年の4年はちょっととっつきにくい部分もあるかもしれないけど、信じてついて来てくれると嬉しいです。みんなのパワーをすごく頼りにしてます!
マネージャー陣には来年もたくさん迷惑かけちゃうと思うけど、一緒に戦っていこうね。

常に前を走ってくれたア式の先輩方。
先頭に立って引っ張っていく姿はとても頼もしくて、そんな姿に甘えて頼り過ぎた気もしてます。特に学生スタッフの先輩方は、1年生の頃からその背中にたくさんのことを学ばせてもらいました。5人とも方向がバラバラなのに、ア式への愛と熱さに関しては全員に共通してて、どこかで信頼し合っている感じがカッコよかったです。将来色んな場所で輝くであろうみなさんを、心から応援してます!生意気で可愛くない後輩だったとは思いますが、本当にお世話になりました!

大好きな両親。
いつも私のやりたいって言ったことを叶えてさせてくれて、たくさんサポートしてくれて感謝してもしきれません。不自由なくマネージャーや学連をやれているのは、ママとパパのおかげです。家族でいる時間がやっぱり一番自分らしく居られる時だなと、最近特に実感してます。言いたいことが多すぎてまとまらないので、この辺にしておくね。笑
大きな愛を持って、育ててくれてありがとう。

そして、唯一無二の同期。
ちょっと個性が強めでまとまりがなさそうに見えるけど、「勝つ」ことへのこだわりは誰にも負けない熱さが大好きです。元気がない時は気づいてくれて、笑わせてくれて、学年内女子1人でマネージャーも1人っていう環境の中で孤独を感じないのは、本当にみんなのおかげです。グラウンドに行けない日も多い中で、「彩花が試合のベンチにいてほしい」って言葉をもらった時は、気を緩めたら泣きそうでした。みんなが戦う姿が、私がマネージャーを続ける理由です。いつもありがとう。

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頑張った1年を言い換えれば、

誰かの言葉や行動に
元気をもらって、支えられていた1年だった。

他にも感謝を伝えたい人はたくさんいて、


常に応援してくれる中高時代の親友たちだったり、試合後疲れてる中で「あやかちゃんお疲れ!」って声をかけてくれる先輩たちだったり、早慶戦に来て面白い感想を聞かせてくれる大学の友達だったり、ライバル校慶應のマネージャーとして戦友ながらも大親友でいてくれるまこだったり。


みなさんのおかげで、

貴方のおかげで、

改めて、ここにいる自分が幸せだと思えた。

そして、私はこれから、

『最後』の春を迎える。


これから過ごすすべての季節が、
大学生活最後になる。


15歳の自分が描いた"ミライ"を叶えるべく、

一生涯の仲間と、
笑って泣いて、
やりたいことに突き進みます。


同期のみんな、

来年、優勝しよう。

笑って涙を流す最後を一緒に迎えよう。

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菊地彩花(きくちあやか)
学年:3年
学部:政治経済学部
出身校:渋谷教育学園幕張高校


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