【#Real Voice 2023】 「笑う門には福来る」 2年・石井玲於奈
今年の2月、ボルトが入っている第5中足骨を再骨折した。
怪我は私にとってネガティブな出来事。
ネガティブな人にネガティブな出来事が起きると、当たり前だがネガティブになる。
ネガティブな出来事が起きれば起きるほど、ネガティブな人のままである。
こうして、私からポジティブが離れていった。
ネガティブな人は、被害妄想が得意である。
たいしたことない出来事でも被害妄想によってネガティブな出来事に変えてしまう。
だから、ネガティブな出来事が多くなる。
こうして、私からポジティブが離れていった。
ネガティブとポジティブ、どちらの方が人生を楽しめるのか。
私はポジティブだと信じたい。
そう信じているから、私はネガティブからポジティブになろうとしている。
しかし、そんな簡単にポジティブにはなれない。これまでポジティブになろうと試みて失敗してきたから、よくわかる。なぜ失敗し続けてしまうのか。
おそらく、人間関係を含めた環境が整っていなかったからだと思う。
ポジティブになる準備ができていても、それに適した環境にいなければ意味がないということ。周りの力にその気持ちが押し殺されるのだ。
考えてみれば、環境が人を変えてしまうことを自分が1番感じていたはずだ。
なぜなら、小学生の頃の私と今の私は真逆の人間だから。
高校や大学から私と会った人は想像できないと思うが、私はそんなに暗い人間ではなかった。めちゃくちゃポジティブというわけではないが、今のように「陰」をまとっている感じではない。どちらかといえば「陽」であった。
この前、小学生の頃のコーチと会う機会があり、私はこんな質問をしてみた。
「小学生の時、明るいか暗いかの2択だったらどっちでした?」
この質問にコーチは
「え?明るいに決まってるじゃん」
と即答。
小学生の頃のビデオを見てみたが、恥ずかしさを感じるほど明るかった。
今の私に足りない絶対的な自信もビデオに映る私からは感じられた。
恥ずかしさを感じたのは大人になったからなのか。
もちろんそれもあるが、1番は別人になったからだろう。
恥ずかしいだけではなく、羨ましいとも感じてしまったから。
小学校を卒業してから、8年。
頭が良い人、頭が悪い人
サッカーが上手い人、サッカーが下手な人
性格が良い人、性格が悪い人
様々な人と出会ってきた。
嫌われる覚悟がなかったから。
受け入れてくれるか不安になったから。
自信がなかったから。
私は、周りに合わせる透明人間になった。
そして、環境の変化とともにネガティブになり、自身の色を見失った。
そんな私を小学生の私はどのように感じるのだろう。
人には言えない恥ずかしい過去のことを黒歴史と言うなら、おそらく小学生の私は黒色の未来だと言うだろう。
変わろうとしなければ、このまましょうもない人生で終わるのだ。
過去には戻れないから今を変えることはできない。だから、未来を変えるために、自身の色を取り戻すために、今できることを1つ1つ行っていくしかない。
先ほど失敗の原因は環境と述べたけれど、周りの環境に押し殺されない鋼のメンタルがあれば失敗はしなかったはずだ。誰かが悪いから、環境が悪いから。結局、自分にベクトルが向けられていなかった。自分自身と本気で向き合い、失敗してもいいからやり続けるマインドを持たなければならない。
現在、ポジティブになるために意識していることが1つある。
それは、「笑う門には福来る」という言葉を信じ切ること。
行うことは簡単、笑顔を心掛ける。それだけ。
しかし、ただの笑顔ではない。
この言葉を聞いたことがあるだろうか。
「デュシェンヌ・スマイル」
「本物の笑顔」という意味である。
口角が上がり、目尻にカラスの足跡のようなしわができる笑顔のことである。
代表例は、芸能人で言えば、高橋一生さんや、ティモンディ高岸さん。ア式蹴球部で言えば、遥くん(4年・松沢遥 / 松本山雅FCユース)。
ではなぜ「デュシェンヌ・スマイル」が大切であるのか。
それは、ポジティブになる効果があるから。通常、脳内で感情が生じた後に、表情として顔面に表れる。しかし、デュシェンヌ・スマイルの場合は、作り笑顔であっても後から脳内で感情が生じるのである。簡単に言うと、デュシェンヌ・スマイルをすれば、脳に楽しいと勘違いさせることができ、ポジティブになるということ。他にも、幸福度が上がる効果がある。
笑顔には様々な効果があるのだ。
「笑う門には福来る」を信じる価値がある。
デュシェンヌ・スマイルはまだ難しいけれど、笑顔を意識したら少しずつ変化は見られてきた。
早慶戦の決起集会で初めて自分のためではなくて誰かのためにギターを弾いた。
ライブやフェス、旅行に行くことが多くなった。
倍率3倍のゼミに受かった。
そしてなによりも最近は怪我をしない。
こうして、私にポジティブが近づいてきた。
中学1年の時、好きな言葉を習字で書いた。あの日から今までその言葉に何度も救われてきた。この先笑顔を心掛けていても、これまでのように辛くて苦しい時が訪れるだろう。その度にこの言葉を思い出し、黒色ではなく明るい未来を築いていくのだ。
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