見出し画像

【#Real Voice 2022】 「責任と覚悟」 2年・原聖瑠

2年目の部員ブログ。何を書こうか迷ったけど、今シーズン自分の中で大きく考えさせられた2つのことについて書きたいと思う。

東京都社会人リーグ1部 上位リーグ第1節
vsCERVEZA 1対4 ●

この試合は内容も悪く、試合後、「相手の方が戦っていた」とか「学生らしさが足りてなかった」とか色々な言葉をいただいたけど、自分は、自分たちは一生懸命戦っていたし、ただ相手の方が駆け引きやチーム力で完全に上回っていただけだったと感じていた。

翌日、戦ったメンバーに監督からある質問が投げかけられた。

『社会人リーグに参入している意味とは何か』
『なぜ大学でサッカーをやるのか』

「またこの質問か。」

正直最初はそう思った。ア式蹴球部に来て、練習生の頃から何度も聞いてきた言葉だった。

しかし、試合に対する姿勢とか内容に関する言葉で自分の中に響くものはなかったけど、ミーティングが開かれ深く考えるうちに、なぜかその日はこの質問だけしばらく自分の中に残り続けた。自分は2年間東京都社会人リーグを主戦場として戦い、大学生以外にも多くの社会人チームと試合をする機会があった。そういった方々と自分たちの違いってなんだろう。もっと言えば、大学サッカーで成し遂げられることはなんだろう。


大学生は日本サッカー協会の所属は第1種となっており、プロとアマチュア、社会人と学生など、色々な違いはあれど、日本サッカーのトップのカテゴリーに位置している。つまりただ自分の目標や楽しさのためだけにプレーしていた今までとは違い、日本サッカーを牽引し、広めていかなければならない立場にいるということだ。

プロサッカーは文字通りプロとして注目度も高く、規模も大きく、レベルも高い環境で素晴らしいプレーを見せてくれる。

約2ヶ月前。J2所属のヴァンフォーレ甲府が日本国内のビックタイトルの1つである天皇杯を制した。別に普段特別応援しているわけではないけど、自分の出身である山梨の小さなクラブが自分含めた地元の人たちにとても大きな感動を与えてくれた。

カタールワールドカップ。惜しくもベスト16で敗退となってしまったが、日本代表が強豪国相手に奮闘する姿は日本中を興奮させ、多くの人をサッカーに惹きつけた。

プロサッカーは娯楽であり、生きがいや夢として多くの人々にサッカーを伝える大きな役割を果たしていると思う。


社会人リーグは色々なチームがあるけど、ここ2年の試合を通して感じたことは社会人として地域社会と強く結びついている印象があるということ。あるチームは企業の中のサッカー部として、企業の知名度向上やサッカーを通じた社会貢献を果たしている。またあるチームはプロリーグ参入を目指して、数こそJリーグには及ばないものの、多くのサポーターと密接に関わり合っている。


じゃあ大学サッカーはどうだろうか。

プロほど注目度があるわけでもないし、社会人サッカーほど社会との関わりがあるわけでもない。

そんな立ち位置にいるのに、いるからこそなのかもしれないが、自分は何もすることが出来ていない。大学サッカーに所属する一選手としての責任を果たせていない。そんな自分に恥ずかしさを覚えた。

社会人リーグを通して社会人の方々へ学びに行けるチャンスがある。広報活動を通して社会に発信できるチャンスがある。サッカーを通して多くの人たちとつながるチャンスがある。

ア式蹴球部という恵まれた環境にいさせてもらっている。大学サッカーという舞台でプレーさせてもらっている。既存のものを知りに行き、そして発展させていきたいと心から思った。

夢、友達、思い出など、サッカーは多くのものを自分に与えてくれた。今自分はサッカーに何かを返していかなければならない立場にいる、その責任があるということを気づかせてくれた。



2つ目は、関東2部リーグへの降格。

自分は5歳の頃からサッカーを始め、15年間多くの仲間と出会い、多くの試合を経験してきた。そんな中リーグ戦降格というものを経験したのは人生初めてだった。

自分が降格する側となり、今まで特に考えもしなかったことが自分の中でよぎった。

「残留したい。」
「試合に勝ちたい。」
「試合に出たい。」

今まで口に出していた目標は自分よがりの目標になっていなかっただろうか。
その目標が達成された時悔しい思いをする他者の存在を強く意識できていただろうか。

自分のチームが勝ったあの試合が降格の大きな原因となったチームがいたかもしれない。サッカー人生最後の試合になった人がいるかもしれない。

自惚れかもしれないけど、自分のチームのプレーが、そして自分のプレーが誰かの夢を諦めさせてしまったかもしれない。

試合も同じ。試合に出るということは、メンバーに選ばれなかった誰かがいるということ。試合に勝つということは悔しい思いをする相手選手がいるということ。

サッカーは1人じゃできない。
それと同時に全員が勝つこともできない。

サッカーを真剣に続けていく以上はそういった人たちの存在をより認識し、強い責任と覚悟を持って全力でプレーする義務があると改めて感じさせられた。

「大きな目標を掲げるならばそれ相応の覚悟を決めなければならない。」
よくこのような言葉を聞くけど、それは自分が何かを犠牲にする覚悟はもちろん、その目標を達成するために乗り越えなければならない他者の思いを背負うということでもあると学んだ。そして自分により大きな覚悟をくれた出来事だった。


今シーズンは始動から学年で問題が起きたり、自分が中々試合に出られなかったり、チームがうまく勝てなかったりと、難しいシーズンであった。しかしここで述べた出来事のように多くの出来事が間違いなく自分を成長させ、そして大切なことを教えてくれた。今シーズンの経験を糧により良い大学生活、そしてサッカー人生につなげていきたい。



最後に。

自分はサッカー人生で全国大会に出たことがありません。中学の時に初めて出た関東大会ではFC東京のジュニアユースに1-12で木っ端微塵にされました。高校最後の選手権では、プリンス東海所属ながら県2部のチームに完敗を喫しました。今のところほとんどが悔しいサッカー人生です。だからこそ大学では必ず全国大会に出場し、優勝を経験したいです。幸運なことに早稲田大学ア式蹴球部にはそれを実現するだけの力を持った選手が数多くいます。全ての物事に対して強い責任感と覚悟を持って彼らに負けないようにこれからも頑張っていきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

◇原聖瑠◇
学年:2年
学部:商学部
前所属チーム:藤枝東高校




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?