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動きの習熟と成長をみるためのポイント

●きれいな動きは「止まる」とセットで考える

人を魅了するパフォーマンスとは何か。
そう考えると、"きれいな動きをすること" "卓越した記録を出すこと" "圧倒的なパワーと躍動感を感じる動きをすること" ———このようなことが思い浮かぶのだと思います。

それらは確かに、動きの卓越性を評価するのにはとても大切なのですが、それ以上に着目すべきポイントがあって。
それが「静止」———つまり"止まる"ことなんです。

以前にこのような記事も書いたことがあるのですが、「静止」がキレイであることは、その運動に対する感性や繰り返しの試行錯誤の結果に表出されるパフォーマンスなんです。
それは技能でもあり、その場の意識や集中度合いも関係してくることでもあります。

それらが統合されて、動きと動きの繋ぎとして、あるいは動きはじめのプレモーションとして、"止まる"ことが組み込まれていきます。

●動きの模倣を原点とする

そして、個人の成長を最も感じられるのが、「模倣できることの段階が上がること」なんです。

これは今日妻の実家の姪と遊んでいた時に実感したことでもあるのですが。
これまでにできなかったことへの試行錯誤として、周囲の大人の動きを自分の動きとしてトレースしてみることを繰り返すんです。
その中で、「こうじゃない」「ああじゃない」と少しずつ変化をつけて、試行をしていく様をみることができます。
その様は、スポーツで練習に練習を重ねる姿と酷似していて。うまくいかないことに対して、"うまくいっている人やモノのイメージ"をいかに自分の中に取り入れて、自身の中で咀嚼するか、が課題となるんですよね。

この記事にも記載したように、その試行錯誤自体が、自分自身の学びとなり、どんどんと習熟するサイクルを作り出す源泉になります。

"真似ること"から始めること

これは新生児〜幼児期の子どもを見ていると、否応なしに実感させられる成長の神秘なので。私としても、そのような機会があれば、ともに時間を過ごしてその成長スピードを感じ取りたいと思っています。

ただ、ここで問題となるのが、「コピー」と「真似」は全く異なる、ということです。

詳細は↑こちらの記事を参照していただければと思いますが、ざっくりまとめると、このようになります。

●コピー|表面的な模倣・転写・おうむ返し
●マネ|対象を汲み取っての模倣・学びを伴う

学びをより効果的に促進するアプローチはどちらかといえば、"マネ"の方ですが。コピーが全て悪いかと言えばそうではありません。
全くわからない人に対しての指導などは、動きのトレースから入るのはとても酷なことなので、手取り足取りででも動きを表面的に模倣させる「コピー」から入ることもままあります。

その中で感じた身体感覚や動きのスピード、タイミングなどから、動きの"マネ"へ引き上げていくことが、コーチングとして指導者が見抜き、言葉がけをするポイントなんだと思っています。

●「できた!」を積み重ねることで"当たり前"の基準を引き上げる

最終的にコーチがやり続けることは何かといえばこちらで。
どれだけ選手や子どもに「できた!」を感じ、自信をつけてもらい、成長を促進させられるように並走できるかなのだと思っています。

今日の姪(2歳)との遊びの中でとても驚愕したことがあって。それは、『箸で豆をつかんで食べる』ことがあっという間にできるようになったんです。それも両手どちらもで。

あまりの成長速度に唖然としていたんですが、その前にしていたことが、「手掴みで食べる」「指でつまんで食べる」「フォークやスプーンを使って食べる」ことなんです。

『箸でつかんで食べる』はいわば今できていることの統合された運動の結果で。特に手先の精細な巧緻性が要求される運動なんです。

先に記載したような模倣の動きで、周囲の大人の箸づかいや口への運び方を学習したのでしょう、箸で突き刺す動きから、2本の箸をまず"開く"ことができるようになりました。
それだけでも驚いたんですが、その開いた状態から箸先を指に見立てたようにつまむ動作に習熟させ、つまむ動作を数回繰り返すうちにつまみの"力具合"の調整を終えて、豆をつまみ口まで運んだんです。

この『箸でマメをつまんで食べる』ということができるまでに、【できない⇨できた】の動作が段階的に、しかし一足飛びに塗り変わっていったことに驚嘆しました。

子どもの成長速度は早いと教科書でも見知っていますし、他のジュニア指導現場で見てきてはいましたが、この時期の子どもの成長と成熟の速さはその比ではないことを改めて思い知らされました。

このように子どもらや選手は、自身の"当たり前"をどんどんと引き上げることを日々挑戦しています。
そんな彼らの向上心や進みたいという欲を、指導側や教育側がストップさせないよう、足を引っ張らないように、どう刺激を与えられるのか、環境をどう構築するかを真摯に考えていきたいですね。

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どうも。藁科侑希(わらしなゆうき)です。
普段は大学教員やスポーツ現場でコーチやトレーナーをしております。
今日が530日目のnote投稿でした。

最後までお読みいただきありがとうございました!

それではまた明日。

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【保有資格】
 博士(スポーツ医学 筑波大学)
 日本スポーツ協会公認バドミントンコーチ3
 日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツコーチ
 日本障がい者スポーツ協会公認中級障がい者スポーツ指導員
 日本障がい者スポーツ協会公認障がい者スポーツトレーナー
 NSCA認定ストレングス&コンディショニングスペシャリスト
 NSCA認定パーソナルトレーナー
 高等学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 中学校教諭専修免許(保健体育科 茨城県)
 赤十字救急法救急員

【現在の大学担当授業】於:東京経済大学・千葉大学・東洋大学
 <体育実技>
  ●バドミントン ●卓球 ●バレーボール ●トレーニング理論実習 ●フィットネス
 <ワークショップ科目>
  ●テーピング・マッサージ実習 ●スポーツ医学理論実践
 <講義科目>
  ●健康の科学a ●健康の科学b ●スポーツとの出逢い


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