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【デスモイド腫瘍闘病記録③】はじめての針生検

前回記事
【デスモイド腫瘍闘病記録②】まだまだ検査は続く
https://note.com/warabimochi_r/n/ncfd596a8d634

わらびもちの記事です

針生検は症状の原因を調べるための組織診(生検)の一種だ。
太い針を腫瘍とされる部分に刺し、その中に組織の一部を入れて、からだの外に取り出す。

太い針ってどれくらい太いんだろう?

イメージもまったくないまま、突如始まってしまった。

心の準備は出来ていないが、異物の正体を明らかにするために必要なら
わたしはなんだってやる気でいた。
即時、同意書類に目を通し、承諾した。

医師は徐(おもむろ)に看護師を呼び、針生検するから準備して、と指示を飛ばす。

~ここから少し詳細な描写をすることになりますので苦手な方はご注意ください~

おお、ワゴンが来た。
何やら手術でよく使うブルーシートが出てきた。

私は腹部をさらけ出し、ブルーシートをかけられた。
患部となる部分に空いている穴全体、広範囲に消毒を施す。

私はいつも冷静(出産のときでさえ冷静だった)なので、
先生も、安心してより丁寧に説明して詳細を教えて下さった。

「まずは痛みを感じないよう局部麻酔の注射を打ちますね」
(全身じゃないんだ、よねそりゃ)

数か所にそんなに細くない注射を打つ。

腹部を刺す針を、「チクっ」「チクっ」と1本1本実感した。
刺されたら、やっぱり痛みを感じるものだ。
生きているんだなと思った。

「麻酔が効いてきたところで、この針を
いま消毒したところに刺していくんだけど
腫瘍の正確な位置を把握するために、エコーを使います
ひんやりするジェル塗るから」

しばらく経つと、腹部が痺れてきた。
先生がそのあたりを触り、
麻酔が効いてきたことを確認してエコーを開始。

エコーで腫瘍の位置を探り、深さを想定したところで針を打つ位置を決めていく。

さて、検査で刺す針は、組織の一部を入れるだけあって、太い。
今まで刺した針の中で一番、太いかもしれない。


いよいよ、検査の針を刺されるときがきた。


痛くない。でも、針が皮膚を突き破った感覚。
皮膚から奥にググっと侵入していく感覚。

これまでに感じたことのない感覚に、テンションは上がっていた。

針は奥へと進んだ。エコー画像を見ながら目的の深さまで行くと、
組織の手前で止まるのがわかる。
何か壁のようなものにぶつかった感覚だ。


「これですね。」「はい、わかります」

目的の組織にぶつかったところで、
「じゃあ組織を取るために中に刺します」

組織に侵入する合図をしてくれたタイミングで、
「プスッ」とでも表現できようか、
針が一つ奥に破り進んだのがわかった。

「じゃあ、中身を採取します。「パチッ」ていうからね」

タイミングで、本当に身体の中で「パチッ」ていう音がした。
ちょっと、思ったよりも大きい音だった。

そして針を抜く。そのときも、針が戻っていく、抜かれるのがわかる。
割と出血しているようで、かかったシートの内部で血液が流れたのを感じる。
出血したところは看護師さんが素早く拭き取ってくれた。

「うーーーん。ちょっと・・・はいったかなあ
もう一回してみよう」

え?まだやるの?という気持ちが、
顔に出ていたかもしれない。

曰はく、中に採取した組織の量が十分ではない可能性があるとのこと。
2回目を行うことになった。

手順は同じ。
今度は、針が皮膚を突き破り、中に入っていく感覚。
目的の組織を破っていく感覚を明確に覚えた。

そして、「パチッ」
と音がしたら、また針が抜かれていった。


2回目のチャレンジ、割と組織は取れたみたいだが
「念のため3回目取らせて」
ということで、3回にわたって穿刺された私。

3回目ともなると、全てが自分の感覚として確かなものとなった。

3回の穿刺で無事に十分な量の組織片が取れたようだ。
検査で採取できた検体を、ラベルとともに見せてくれた。
なんだか白い、糸くずのようなもの。

分析を行うため、検査結果はまた2週間後となるそうだ。


今回、針生検というとても珍しい貴重な体験ができたことで、
麻酔後の痛みも忘れていた。
なんだかわくわくしていた私。


忘れたころに、刺したところが痛みだしたが、
それほどでもなかった。
もらった痛み止めも気休めだったので、しばらくしたら刺したことすら忘れてしまった。

かくして、私の「針生検」初体験は無事に終わったのである。


わらびもち
Warabimochi

次回は・・・
【デスモイド腫瘍闘病記録④】果たして異物の正体は??
https://note.com/warabimochi_r/n/ncfd596a8d634

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