アメリカは米朝戦争へ向かう
■譲歩しないアメリカ
北朝鮮は近々非核化に関して金正恩氏が発言すると発表。だが未だに発言は無い。そんな時に、アメリカ沿岸警備隊の艦艇が北朝鮮の瀬取り対策で配備された。さらに3月21日には北朝鮮と取引した中国企業を制裁対象にした。これらはアメリカが譲歩しない意思表示。
■瀬戸際外交
トランプ大統領はキッシンジャー氏の制限戦争を採用している。だから第一回米朝首脳会談までは、アメリカの軍事的圧力は段階的に下がった。
制限戦争論:キッシンジャー(アメリカ)
「交渉と戦闘は段階的に推進すべき。戦略の目的は敵政治意志の譲歩であって敵軍の撃破ではない」
制限戦争は相手国の譲歩に合わせて軍事的圧力を下げる。相手国が譲歩すれば軍事的圧力を下げ、強気に出れば軍事的圧力を上げる。そして限界に達したら戦争開始。
軍事的圧力:5→4→3→2→1→0
つまり5から段階的に圧力を下げ最終的には0にする。さらに戦争開始しても相手国の譲歩に合わせる。これが制限戦争の基本概念。
■譲歩しない場合
制限戦争を採用すると容易には戦争にならない。だが戦争が始まると容易に終わらない特徴を持つ。北朝鮮は核弾頭で世界を脅したが、トランプ大統領の軍事的圧力で譲歩した。これで軍事的圧力段階的に下がり、第二回米朝首脳会談までは軍事的圧力はゼロだった。
だが北朝鮮が非核化で譲歩しないことが第二回米朝首脳会談で明らかになる。これを確認したアメリカは、段階的に軍事的圧力を上げることは間違いない。
軍事的圧力:0→1→2→3→4→5
つまり今後のアメリカは、北朝鮮の態度に合わせて軍事的圧力を段階的に高める流れだ。現段階では0から1になったと言える。
■アメリカ沿岸警備隊配備
アメリカは北朝鮮の瀬取り対策で、アメリカ沿岸警備隊艦艇を配備。さらに北朝鮮と取引した中国企業を制裁対象に指定。これは制限戦争の軍事的圧力が上がったことを示す。
北朝鮮が譲歩しない場合は、沿岸警備隊を用いて臨検・拿捕を行うことになる。これも軍事的圧力の一つで、北朝鮮が譲歩しなければ一段階軍事的圧力を高める流れ。これはトランプ大統領の任期切れ間近まで続くと思われる。
■金正恩氏の発言で決まる
北朝鮮は3月15日に非核化で金正恩氏が発言すると発表。発表が無いままアメリカが軍事的圧力を一段階上げた。これはアメリカから北朝鮮に向けたメッセージ。北朝鮮は発表を遅らせることで主導権を握ろうとしたが、今はアメリカが主導権を持っている。
制限戦争で主導権を持てたのは第二回米朝首脳会談まで。これからはアメリカが主導権を持っていることに気付いていない。北朝鮮は発表のタイミングを間違えた。アメリカの行動に合わせて発表するしか道は無い。
金正恩氏は迷っているはずだ。第二回米朝首脳会談までは主導権を持てたが、今は主導権を持てないことを。そして金正恩氏の発言で運命が決まる。
■運命の発言
金正恩氏の発言は無意味と判断するとアメリカは戦争を決意する。この場合は戦争に必要な物資が日本各地・ハワイに集積される。戦争すると一日で物資10万トンなど簡単に消費する。だから戦争前に物資を集積するのが基本。
これは誤魔化せないから誰の目にも明らかになる。同時に北朝鮮との交渉も続き、北朝鮮が完全非核化すれば中断される。物資の集積と移動も軍事的圧力の一つ。戦争準備は最短で六ヶ月、最長で一年間必要とする。だから金正恩氏の発言は、戦争の引き金になる意味を持っている。
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