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#5 宇宙旅行に出かけて

何かと宇宙旅行は話題になるけれども、
宇宙と地球の境はどこにあるのだろう。

巷ではとんでもない大金持ちが、よくわからない額のお金を払って宇宙へ旅行した、とか、するだとかいうニュースがときおり流れる。

それで、僕らはついつい宇宙は遥か彼方、手の届こないところにあるように感じる。

でも、

かろうじて地面に触れている足の裏から上は、地球の中なのだろうか。
それとも、もしかして、僕らの身体は地球の「外」つまり宇宙の中にあるのだろうか。


僕らは、知識の上で真っ暗な宇宙にポツンと浮かぶ真っ青な地球の写真だったり、月や他の星々が黒い宇宙を背景に色鮮やかに映る映像を知っていて、どこにも境はないことを知っている。

しかし、

他方、経験的に真上に白い雲が青空の中をたなびく様子を眼にするから、なんとなく空というドーム上の天井もしくは窓のようなものが僕らの真上にあって、その「外」に真っ暗な宇宙が拡がっているように感じる。


でも、

やっぱりそんな感じはするかもしれないけれど、どこにも境などない。頭や地図の上にはある国境みたいなものかもしれない。

だから、

僕らは日本人をやりながら地球人で、同時に宇宙人である。

宇宙はuniverseではなくmultiverseらしい。今までは、uni(ひとつ)と考えられていた宇宙は、multi(いくつも)なのだとか。
そうすると、僕らとは違う宇宙に住む「宇宙人」だっているかもしれない。


リビングから楽しそうな声が聞こえるので、いそいそと炬燵から出て、声がするほうにいくと宇宙がヤバい、という話しで盛り上がっていた。


我が家の話題としては、いたって平常運転。

その前は、寒い我が家より暖房が効いていてご飯も飲み物も誰かが用意してくれるサイゼリアという素晴らしいお店で、4時間くらいそれぞれ個別に作業もしつつ、あれこれ話したばかりだったが、それでも飽き足らずという感じ。


さて、宇宙の何がヤバいかと言うと、座標だ。


僕らは地球に暮らしているけれど、その地球は太陽の周りを周っていて(公転)、太陽系は、太陽みたいな恒星が千個ほど集まっている銀河系の一部で、銀河系もまたある方向に動いている。


多くの研究者は、近傍の銀河の観測位置に対して銀河系は約630km/sの速度で宇宙空間を運動していると考えている。宇宙マイクロ波背景放射の非等方性の観測結果にも整合している。

21世紀初頭の推定ではこの値は130 km/sから1,000 km/sまでばらつきがある。仮に銀河系が600 km/sで運動しているとすると、我々は1日に5184万 km移動しており、1年では189億 km動くことになる。これは我々が毎年地球から冥王星までの距離の約4.5倍を移動していることを意味する。銀河系の運動方向はうみへび座の方向だと考えられている。

Wikipedia

1日に5184万km。

もう僕の知能ではよくわからないけれども、毎日とんでもない距離を移動していて、それこそ知覚できないだけで、僕らは地球ごと常に「新しい」場所にいる

僕らは一秒たりとも同じ場所にいない。

日本で通用していた常識がアメリカでは通用しないように、場所が変われば何もかも変わる。
そもそも何の固定もなく動いているものを人が小さな頭で固定しようとするから、争い悩み苦しむのかもしれない。


そんなことを書いているうちに、僕らは宇宙船地球号に乗って旅を続けている。


速すぎて何も見えないけれど、
僕らは毎日ものすごい宇宙旅行をしている。


もう旅をしなくてもいいかな、と我がルームメイトは目を輝かせていた(笑)





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