神山まるごと高等専門学校を見学して
今回は、シンポジウムに登壇することもあって徳島へ。
そして、もう一つの目的が神山まるごと高専の見学でした。
神山まるごと高専は、
「テクノロジー×デザイン×起業家精神」をコンセプトにしている高等専門学校です。
徳島の神山町という地方に場所を構え、地域とのつながりもリソースにしながら、子どもたちが主体であることを大切にしている学校です。今回は実際に校舎に訪れ、知り合いのスタッフにお話を伺ってきました。
神山まるごと高専っておもしろいなぁと感じたころ
(1)社会とのつながりと学習観の違いからなるカリキュラム
まず、学ぶことが社会につながっているところです。
ここでの学びは全てこれからの将来のことにつながる、役立つという発想でカリキュラムが編まれているわけですね。そして、この神山町とのつながりの中で子どもたちが、プロジェクトを考える活動もしているとのことでした。
授業は、いわゆる基礎的基本的な知識・技能を3R 's(読み書き計算)としていないように感じました。もちろん一般科目として、英語、国語、算数等はありますが。
「モノをつくる力でコトを起こす」
中心にあるのは、「モノをつくる力」です。デザインとテクノロジーを合わせ、「言葉に強くなる」、「数字に強くなる」、「絵に強くなる」、「プログラミングに強くなる」ことをベースにして、社会と関わる力である起業家精神を育てているそうです。
ここでの授業で内容が、そのまま社会とつながるように、スタッフ(教師のこと)だけでなく「起業家講師」の力を借りて、アクティブラーニングとPBL形式授業で、実践的な学習スタイルをとっています。ものすごい豪華な起業家講師陣はホームページをご覧ください。
上記の写真は、コーヒー屋さんのポスターを実際につくる学習だそうです。選ばれた1作品は実際に、使ってもらえるそうです。どのような言葉を使うか、デザインするか、コーヒー屋さんの意図はどのようなものかを考えなくてはなりません。このように学びが実際に社会とつながっていきます。そして、このコーヒー屋さん、なんとデザインのプロの方だとか。プロに学べるわけですね。
(2)子ども観の違い
神山まるごと高専では、「子どもたちは小さな社会の大人である」として
学校を小さな社会と捉え、市民として子どもを捉えています。子どもたち自身が神山まるごと高専の在り方を考える。自分が、どんな風にありたいか、ビジョンをもってアクションを考える。スタッフはあくまで、子どものやりたいことに力を貸す人なんでしょうね。
この市民としての経験が、社会に出たときにも役立つのでしょうね。「民主主義は民主主義を実践することでしか学べない」とデューイやビースタは言っていたけど、まさにそうですね。
子どもたちのやってみたいという思いが大切にされ、実現できる環境がここにはあるのだと感じました。
上記の写真は、「カフェが欲しい」という子が考えたカフェだそうです。どのように、運営するかを話し合い、この形にしたのだそうです。支払いはPayPayを使うのだとか。
このオクラは、たまたまいた子が「どうぞー」と言ってくれたオクラです。なんだか特別な品種なんだとか。これからは、ざくろを育てて染め物をしたいんですって。やりたいことができる環境って子どもを主体にしますね。
(3)日本一の地産地食を目指す給食
ここは全寮制なので、3食食事が用意されるのですが、ここの給食は、日本一の地産地食を目指しているそうです。とにかく美味しそう。残食はほとんどないのだそうです。給食の時間は行列ができるのだとか。先ほどオクラの写真がありましたが、このような給食が、子どもの活動にも影響することはあるのでしょうね。
(4)学費はなんと無料!!!
学費や寮費は1年間で200万ほどかかるそうですが、なんと全額実質無料になるのだとか!
それを可能にしているのは、やはり企業です。神山まるごと高専に寄付のような形で、膨大な経費を実質無料としているそうです。
そんなことができるんですね。
なんて素敵なオフィス(教室)なんだ…。こんなところで高校生生活を送ってみたかった。
以上4点ですが、本当に魅力的な学校だと感じました。
我が子に勧めてみようかな。
ぜひ、学校HPをご覧ください!
自分が中学生だったらいきたかったなぁ。
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