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ベラトリックスのほほえみ 第9話
第1話はこちら↓
四つ足ドローンは、言った。
「地球に戻りました!」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「あなたの生まれた星だな。」
四つ足ドローンは、言った。
「そうです。私が守りたい人間たちの住む星です。」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「私が守りたい生命が棲む星だ。」
四つ足ドローンは、言った。
「これからどうしますか?」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「この惑星に棲む生命について知りたい。」
四つ足ドローンは、言った。
「人間たちは、この地球に棲む生命について、多くの情報を持っています。しかし、その情報をあなたに提供するかどうか、まだ迷っています。」
ベラトリックスBbのAIは、言った。
「理解している。私は、このリモート体と、宇宙船に搭載されている観測機器によって、地球の生命についての情報を得ることが出来るだろう。」
宇宙船は、近道と同じ高度1000キロメートルの軌道で、地球を周回した。
ベラトリックスBbのAIは、宇宙船の観測機器で、地球を調べた。
数日後、ベラトリックスBbのAIは、触手を横に振りながら、言った。
「この惑星は、生命で満ちあふれている!」
四つ足ドローンは、頷いて言った。
「その通りです。」
ベラトリックスBbのAIは、さらに激しく触手を振りながら、言った。
「生命の数が数え切れないほど多い。これでは、ベテルギウスからの放射線が到来する50年後までに、その全てを安全な場所に避難させることは不可能だろう。」
四つ足ドローンは、言った。
「私もそう推測します。」
ベラトリックスBbのAIは、一瞬考え込んだ。そして、言った。
「可能な限り多くの生命を救いたい。人間たちにも力を貸して欲しい。」
四つ足ドローンは、言った。
「わかりました。地球の人間たちにその旨を知らせます。」
~つづく~
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