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Racist(人種差別)と言われた日本食屋さん

英語力ゼロで始めたカナダ暮らしも10年目、晴れて還暦のWakeiです。

突然ですが、あなたはレイシスト(人種差別主義者)ですか? 

「正直なところ、偏見はあるかもしれないけど、人種差別をするようなことはない」と言う方が多いんじゃないでしょうか?

連日、メディアでさかんに特定の国の悪いニュースが流れると、「〇〇国は、〇〇人はいい感じがしない」と思ってしまうのも当然ですが、かと言って実際に差別や嫌がらせをしたい人はごく稀だと思います。

そんな日本人がうっかりやってしまうのが、今回のご紹介する出来事です。

カナダのある日本食屋さんが、ある日求人のお知らせをファイスブックに投稿しました。日本語で日本人向けにも書かれたもので「ワーキングホリデーでカナダで働きたい日本人の方大歓迎!」のような内容でした。

一見なんの問題もないような内容ですが、この投稿の後、あるカナダ人から「レイシストな表現」というクレームが来たと言います。日本人を限定して歓迎という表現がレイシスト的だとか。

「日本人オーナー、キッチンのお店だから、スタッフ同士のコミュニケーションや日本食の理解からも、日本人を歓迎したいのは当たり前」と多くのカナダ人は理解するし、日本人しか雇わない、とは言っていないので、特に問題と思いません。日本人スタッフがいて、日本的サービス、雰囲気を感じられるお店は、お店の目玉かもしれません。

実際にこちらのお店は人気店でオール日本人スタッフ。もし、このお店で働きたいと思っていたカナダ人がいたとしたら、「日本人大歓迎」の言葉は、排他的と感じたかもしれません。

「日本語堪能な人と求む」だったら問題なかったと思うけど、「日本人大歓迎」だとレイシストになる、という微妙な関係。

このクレームは、お店のイメージダウンになったことは確かです。


求人に対してカナダは、日本よりずっと敏感。履歴書に生年月日を書くことも顔写真を貼ることもありません。住所も書く必要がありません。あくまでも経験と実力(技能・資格)を基準に公平に面接、採用すべし、という考え方があるからです。まして人種によって有利であることを示すような求人の書き方はNGだったわけです。

ここまでくるとレイシストというよりもレイシストと誤解されないための教養の問題になってきます。

日本人が海外で暮らすときは要注意。

ちなみに私もレイシストと言われたことがあります。それはある夜、黒人系の知人が暗闇から近づいてきたときのこと。いっしょに彼を待っていた友人に「夜に〇〇と会うと黒いからよくわからない」と冗談っぽく言ったら「あなたはレイシストだったの?」と言われました。

肌の色を茶化してジョークにしたことが、人種をバカにしている、っていうことでしょう。

日本で日本人が人種差別など意識することも指摘されることもありません。なので人種差別的発言にも鈍感です。ですが、移民国家、多文化国家ではそういうわけにはいきません。

例えば、中国系の人を侮蔑した言い方で呼んでいたら、呼んでいる方が無教養な人間と軽蔑されます。

これから日本も移民を増やす政策のようですし、海外で暮らす選択をする人も増えていきそうです。

グローバール化が加速する現在、皆さんも「レイシスト」などど思われないように是非意識にしみてくださいね。




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