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わかおの日記128

弱小軟式野球サークル慶應ロイヤルズのエース、若生宗太朗投手(19)が、今年最後の紅白戦にパーチームの一員として登板し、投げては3回四死球いっぱい2失点で勝利を収め、打っては3打数2安打1打点の活躍をみせた。

立ち上がりの1回、先頭打者から三振を奪うものの、ほぼ平地のマウンドと縫い目が無くなってしまったボール、さらにはサイズを間違えてしまったせいでピチピチのアンダーシャツに苦戦しコントロールが定まらない。結局この回にたくさんフォアボールを出し、2失点を許す。

続く2回、ようやく不利な諸条件に慣れてきたのか、一転して危なげない投球をみせる。しかし、全くタイミングがあっていなかった友だち(18)を舐めてかかり、ど真ん中にストレートを置きに行ったところを痛出される。後続はきちんと打ち取りスコアボードに0を記録する。この裏にはサードの頭を抜けるレフト前ヒットを放ち、ランナーを1人返した。打線は4点をもぎとり、なんとか逆転。若生に勝ち投手の権利がもたらされた。

本当は2回で降板したかったけれど、みんなからいけるいけると言われて調子に乗り3回も続投。先頭打者をストレートとカーブボールのコンビネーションで手玉に取ると、次の打者もインコースのストレートを詰まらせて、あっという間に二死。ここら辺から疲れの色が見え始め、またもやボール先行の苦しい投球になってくる。次の打者には入れに行った真っ直ぐを弾き返されツーベースヒットを浴びる。その次の打者にもストライクが入らなかった。しかし、ノースリーからなんとか立て直しインコースのストレートを詰まらせてサードゴロに打ち取った。

その後はレフトでやる気なく突っ立っていた若生だったが、終盤で左中間にツーベースヒットを放った。最初はフライを上げてしまったと思ってとことこ歩いていたため、スリーベースヒットになり損なった。

試合後若生は、「ここぞという時に、キャッチャーがストライクをとらない(ロイヤルズでは、主審をキャッチャーが兼務する)ので苦労した。汚い縫い目の潰れたボールばかりで、ピッチャーを思いやる気持ちが全くない。本当はこんなはずじゃなかった、もっと大きいサイズのアンダーシャツを買うべきだった」と謙虚に反省の弁を述べた。

眠れる宝仙の秘密兵器が覚醒する時は近い。

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