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わかおの日記8

文豪になると宣ったはいいものの、肝心のアイデアが浮かんでこない。「小説の書き方」には、「とにかく習作を積み重ねるべし」とあったが、習作のアイデアすら一文字も浮かんでこない始末である。もともと本当に表現したいことなど、ただ一つを除いてほかにないのだ。このままでは小説家になる前に、ブロガーになってしまいそうである。

この危機的状況の原因は自らのインプット不足にあるとぼくは結論づけた。酔っぱらった父親が「創作にはインプットが肝要である」と叫んでいたからである。インプットさえしっかりしていれば、アイデアは勝手に降ってくるそうだ。日本映画学校を1学期で中退している父親の言うことは、やはり重みがある。したがって最近のぼくは、暇さえあれば映画を見ているのだ。

今日は映画「AKIRA」をみた。古典扱いされているアニメ映画である。1988年の作品とは思えない作画と、壮大なスケールのシナリオに圧倒されてしまい、最初は40分ほどで胃もたれを起こしてしまった。いったん中断して、アルバイトから帰還したのちに続きを見たが、とても面白かった。ぼくも男の子の端くれなので、やはり「荒廃した近未来」という設定には心をくすぐられてしまうのである。同様の理由で「カウボーイビバップ」も愛好している。

今日も今日とてバイトがあった。刻苦勉励して文学部に入学したのに、今の自分は文学よりも、中学受験の算数について熱心に学んでいるのだ。バイト先に向かっている最中にそのことに気付き、ぼくは愕然としてしまった。自分はなんてもったいないことをしていたのだろうか。秋学期からは心を入れ替え、勉学に励む所存である。

明日で目が回るほど忙しかった夏期講習期間も終了である。ぼくにとっては、これからが本当の夏休みである。もしぼくの友人がこれを読んでいたなら、ぜひぼくを外に連れ出してやってほしい。ぼくは大体暇である。

追伸 デシリットルなんて実際に使うことあるんですか?

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