和歌への情熱で道を拓く ~元ホームレス、和歌にフルベットして~
隠岐後鳥羽院和歌大賞の結果を知り
「わーい! 去年より上の賞を受賞したみたいだ。うれしいな」
ぐらいに思っていた梶間和歌、しばらくのちに
「受賞作の冒頭に掲載されているではないか!!!? つ、つまり!!!!!!???」
と気づき、うれしいどころの騒ぎではなくなりました。
しかし、ただ実力を確認するためだの、まして承認欲求を満たすためだの、といった目的でこの和歌大賞に応募したわけではない、
日本で唯一の和歌大賞で上位の、できれば一等の賞を受賞し、その受賞歴を今後のキャリアにつなげることがそもそもの応募目的だったのだ。
……ということを思い出し、
そのためにぜひとも参加すべき【表彰式のための交通費・滞在費をどう工面するか】という次なる壁の立ちはだかることに気づくのです。
ここまでの経緯を読んでから続きもお楽しみください。
1記事目:和歌への情熱で道を拓く ~隠岐後鳥羽院大賞和歌部門への応募経緯~
2記事目:和歌への情熱で道を拓く ~和歌大賞への挑戦2年目の転機~
3記事目:和歌への情熱で道を拓く ~アルバイトでの成長と和歌指導の可能性~
4記事目:和歌への情熱で道を拓く ~信念で詠み上げた和歌作品の行方~
5記事目:和歌への情熱で道を拓く ~大賞受賞、そして立ちはだかる壁~
和歌への情熱で道を拓く ~元ホームレス、和歌にフルベットして~
大公開! ホームレス彼氏の作り方
昔むかし、知人主催のお金について考えるイベントに参加した際、
「私はずっとああでこうでそうで。辞めた会社からも不払いが60万あるし、貯金は200万しかないし、息子はもうすぐ小学校に上がるし夫はああでこうでそうで……」
と不安を述べる参加者に対し
「200万あるなら金持ちやん。不払い金が支払われたら60万入るんやん。夫の収入があるなら二馬力やん。ごめん、何が不安なん? 」
と思ってしまった梶間和歌は、ある意味世間知らずなのかもしれません。
小さな子どものいる共働き(?)世帯で貯金が200万というのが心もとないものなのか、そうでもないのか、という判断をするための材料を私は持っていない。
ただ、言えるのは
この人、きっと銀行残高3桁(もちろん財布にお札などない)のネットカフェ難民なんて状況は経験したことがないのだろうな
と思ってしまった梶間和歌の経済状況は確実に平均以下である、ということ。
どちらも梶間は経験済みだよ♡ 元彼2名は現役ホームレスでした!
「ホームレスとどこで知り合って恋愛するの!? 」
自分がホームレスなら知り合うのは簡単さ♡♡♡
あの読者の付かない和歌ブログ
昔はそれでも【自分で稼ぐ】ことについてなんとかすべく、インターネットビジネスを学んだり、和歌にはニーズがないということで英語分野で価値提供しようとしたり、あれやこれやともがいたものですが、
ある時、ビジネスコンサルをしていた親友にこう言われたのです。
「和歌ちゃんは、【好きだから】というだけで、反応がなくてもお金にならなくても続けられる、という稀有な才能の持ち主。
和歌ちゃんが私のコンサルを受けるというなら、もちろん最大限力になるけど、
そんな和歌ちゃんの行くべき道はこっちじゃないと思う。
お金とかビジネスとか度外視して和歌をやったほうが、和歌ちゃんにとってしあわせなんじゃないかな。
あのね、【好きなことを仕事にする】なんてみんな言うけど、実際【好き】だけで続けられる人なんてほとんどいないのよ。
だいたい全員お金なり反応なり、見返りがないと心折れちゃうのよ。
でも、和歌ちゃんはそうじゃない。
和歌ちゃんは、あの読者の付かない和歌ブログをいったい何年、毎日更新してきた? 」
↑あの読者の付かない和歌ブログ↑
(ここ数年は毎日更新をお休みしています)
コンサルを引き受ければ確実に自分の売り上げになるクライアントを前に、真実相手のためを思いこう言ってくれた親友。
2017年、18年ぐらいのことだったかな。
彼女のこの言葉はその後の私の生き方の明確な軸になりました。
世界は私を死なせない
厳密には和歌に対して【好き】という気持ちすらないのですが、まあ、傍から見て理解しやすい【好き】という表現でもいいと思うし、なんでもいい。
事実として私は、和歌に出会って以降夢中でそれに取り組んでいる。学び、詠み、発信している。どうやら、人には真似できないらしい熱心さで。
(その自覚もなかったけれど。「みんなこのくらいやらないものなの? マジで? なんで? 」なんて思っていた)
どうがんばっても、私に和歌のない生活や人生は考えられない。和歌を【趣味】にするというのも無理。これは私の生きる道なのだ。
和歌では無理だから短歌で、英語で、料理で、とビジネスを展開しようとしていたころも、それらことごとく上手くいかずアルバイト中心で稼いでいたころも、私は変わらず粛々と和歌をやっていた。
直感的には、これは世界が私に求めていることである、という確信があるけれど、それが本当かどうかの確認なんてできない。
ただたしかなのは、世界が私に求めようが求めまいが、私が一生和歌を続けるだろうこと。食えても食えなくても、関係なく。まあ、食えなきゃ死ぬだけだしね。
そう、食えなきゃ死ぬだけ。
元ネットカフェ難民の私にはその感覚が、悲壮感を伴わずナチュラルにある。
しかし、私が死んだら世界は困るでしょう。私ほど和歌に情熱を傾ける人間が死んだら、和歌の側が、世界の側が困るのよ。
研究者の方々の研究は本当に尊い。しかし、私のようにそれらを踏まえて一般向けに発信したり、和歌を詠んだりする活動も、同じように尊く、世界に必要である。
だとしたら世界が、和歌が、私をそう易々と死なせたりしないのではないか。私が和歌にフルベットしたとしても、私を死なせないのではないか。
なーんて計算も働きましたけれど、まあ、実際のところ計算より先に行動していました。英語や短歌で仕事を取ろうとすることをやめ、ブログを更新し続けた。
行動しながらその確信を強めていった、というのが正確なところかな。
世界は、和歌に人生を懸ける私を死なせない。
その確信とともに生き始めた私は、
一度戻った実家を「やっぱリームー」と出たのちも、東京で生活するのにぎりぎりなんとかなる金額を頂きながら生きています。和歌仕事で、また寄付で。
一度学んだビジネスの知識もしっかり生きているよ。ど真ん中に据えなかっただけで、あれも無駄な経験ではありませんでした。
アルバイトも、実家に戻る前に勤めていたところに出戻りしました。
私家版の歌集を出すための金額をそこで短期間で確保、その後は趣味として勤め続けながら、生活の主は和歌からブレさせない。
まだ「三鷹古典サロン 裕泉堂」を始める前、また裕泉堂始動後も、裕泉堂主宰吉田裕子さんは本当に大きな支援者です。
ご自宅と別に当時持っておられたアトリエに住まわせてくださったり、執筆仕事の得意な私に和歌や古典関係のエッセイの仕事を下さったり。
いまの家に引っ越してから本当に生活の回らなかった時期、生活保護の受給申請も考え窓口で相談までしたのですが(受給資格、余裕でクリアしていたわ)、
いまのところ生活保護受給の少し手前で生きていられるのは、裕子さんをはじめ多くの友人たちに支えられているからです。
「お坊さんにお布施するつもりでやっているよ。私は和歌だけにそこまで懸けられないから」
「ただ和歌さんが楽しく生きていてくれたらそれでいい」
「損得勘定抜きで大切なものを貫ける姿勢、尊敬する」
など、皆それぞれの動機で大切なお金を私に預けてくださいます。
2021年以降、ご寄付も頂くようになりました。
梶間和歌よ、そなたはなぜぴえんぴえんしているのか
そう、皆様に支えられながら、生活保護の受給申請もそう突拍子もない話ではないぐらいのところで、私は元気に生きております!
そんななか和歌大賞で念願の受賞。
表彰式にはぜひとも行ったほうが、という歌友、佐佐木頼綱さんに
「生活費以外のそんな余剰のお金なんてあるわけが……ない! 」
とぴえんぴえんしたのが、和歌大賞の結果を受けた梶間和歌の正直な反応でした。
しかしこれが
こうなって
こうなる。
表彰式に、なんとしても行かねば。
歌集を出すと決めた時も、人が二度見、三度見する行動力で十余万円を稼いだ。表彰式だって、本気で決めたらなんとかなるはず。
ぴえんぴえんしながらもそう決意を固め上掲のポストをしたのが、2024年2月19日午前7時。
この時点で手段など何の心当たりもありません。
が、この日も楽しくアルバイトをし、午前中の勤務をあらかた終えてふと息をつき、スマホを覗いた時、
前日に頂いていた吉田裕子さんからのFacebookメッセンジャーに気づくのです……。
「和歌さん、授賞式もし行かれるなら出しますよ! 」
な、な、な!!!!!????????
この続きはまた次の記事で。
和歌への情熱で道を拓く
1記事目:和歌への情熱で道を拓く ~隠岐後鳥羽院大賞和歌部門への応募経緯~
2記事目:和歌への情熱で道を拓く ~和歌大賞への挑戦2年目の転機~
3記事目:和歌への情熱で道を拓く ~アルバイトでの成長と和歌指導の可能性~
4記事目:和歌への情熱で道を拓く ~信念で詠み上げた和歌作品の行方~
5記事目:和歌への情熱で道を拓く ~大賞受賞、そして立ちはだかる壁~
6記事目:和歌への情熱で道を拓く ~元ホームレス、和歌にフルベットして~【イマココ】
7記事目:和歌への情熱で道を拓く ~友情と応援の表彰式チケット~
8記事目:和歌への情熱で道を拓く ~終わらぬ挑戦、広がる波紋~
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梶間和歌の出身地島根県とゆかりの深い隠岐後鳥羽院大賞和歌部門への応募経緯や、令和五年分の大会結果、そしてその後……noteのマガジンとして連載して参ります。
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梶間和歌がつつがなく和歌創作、勉強、発信を続けるため、余裕のあります方にお気持ちを分けていただけますと、
私はもちろん喜びますし、それは日本や世界の未来のためにも喜ばしいことであろうと確信しております。
「この無茶苦茶な生き方を見ていると勇気がもらえる」
「こういうまっすぐな人が健康に安全に生きられる未来って希望がある」
なんて思ってくださいます方で、余裕のあります方に、ぜひともご支援をお願いしたく存じます。
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特にこのたび令和5年の隠岐後鳥羽院大賞和歌部門で古事記編纂一三〇〇年記念大賞を受賞し、表彰式を含む大会のツアーに申し込みましたが、こちらのツアー代金(9万円弱)は生活費と別に工面することになります。
お気持ちとお財布事情の許します方に、ぜひともご支援を頂けましたら幸いです。
このツアーの様子はこのマガジンで連載して参ります。どうぞお楽しみに。
今後とも、それぞれの領分において世界を美しくしてゆく営みを、楽しんで参りましょう。
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