梶間和歌

玉葉風雅見ざる歌詠みは遺恨のことなり。 和歌を読み、詠む人。『新古今集』『玉葉集』『風雅集』『源氏物語』を愛読。光厳院が心の師。 経歴はプロフィール小説を見てね。 2020年5月、私家版歌集『生殖の海』上梓。 令和五年隠岐後鳥羽院大賞和歌部門大賞(古事記一三〇〇年記念大賞)受賞。

梶間和歌

玉葉風雅見ざる歌詠みは遺恨のことなり。 和歌を読み、詠む人。『新古今集』『玉葉集』『風雅集』『源氏物語』を愛読。光厳院が心の師。 経歴はプロフィール小説を見てね。 2020年5月、私家版歌集『生殖の海』上梓。 令和五年隠岐後鳥羽院大賞和歌部門大賞(古事記一三〇〇年記念大賞)受賞。

マガジン

  • 和歌への情熱で道を拓く ~海士町との縁、和歌大賞、そして~

    出身地である島根県にゆかりの深い隠岐後鳥羽院大賞和歌部門の栄えある大賞(古事記一三〇〇年記念大賞受賞)を、このたび頂きました。 島根県のこと、海士町のこと、敬愛する後鳥羽院のこと、この賞への応募経緯から授賞式の様子、その後の歩みの諸々を少しずつ記事にして参ります。

  • 梶間和歌の宇治十帖本説取りチャレンジ

    敬愛する九条左大臣女に倣い、『源氏物語』「宇治十帖」を読みながら、その場面や情景を本説取り(物語取り)して和歌に詠んでゆく企画です。 「橋姫」から「夢浮橋」まで少しずつ進めて参ります。 『源氏物語』のお好きな方、ご自身の詠歌に活かしたい方におすすめします。

  • 梶間和歌の選ぶ○○集秀歌選

    『新古今和歌集』『玉葉和歌集』『風雅和歌集』の和歌あまたのなかから、梶間和歌の基準で秀歌と見える歌をピックアップ、必要に応じてコメントを付しながら秀歌選をまとめて参ります。 各集秀歌選を作り終えたら、無料公開するかもしれません。ただ、それもいつになるかわかりませんので、完成までの歩みをともに見てゆきたいという方はこちらのご購入をお願いいたします。

  • 梶間和歌の堀河百首チャレンジ

    梶間和歌が「堀河百首」題で詠んだ和歌を公開するマガジンです。 完走までともに歩んでいただけましたら幸いです。

  • 源氏で紡ぐ和歌便り

    『源氏物語』の様々な登場人物を作中主体(主人公)に据え、 梶間和歌が定期的に歌の連作を詠みます。 記事ごとに買う、買わないを選ぶもよし、 マガジンごと買ってしまうもよし。 楽しみにお待ちくださいね^^ ある程度作品が溜まったら製本し、販売する予定。 マガジン購入者様が製本した本を買われる場合は、 割引か何か、特典を考えています(詳細未定) 梶間和歌の過去の作品はこちらから無料で読めます。 https://ameblo.jp/waka-kajima/theme-10087403361.html https://ameblo.jp/waka-kajima/theme-10112573743.html

最近の記事

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和歌の道しるべ ~梶間和歌のnoteサイトマップ~(2024/11/20更新)

☆What's NEW☆・歌集『母となる』 ~『生殖の海』2024年版~ 並びに各章のページを公開しました。 ・隠岐に至る和歌心 連載最新記事を公開しました。 ・裕泉堂歌会こぼれ筆 に10月歌会レビュー記事を掲載しました。 ・和歌・短歌の基本と実践 に最新動画を掲載しました。 ・堀河百首チャレンジ 冬 に「鷹狩」詠を掲載しました。 和歌の道しるべ梶間和歌のnoteをご愛読のあなた、こんにちは。いつもありがとう。 このたび初めてお越しのあなた、初めまして。ようこそ。 not

    • 連作で気をつけるべきこと3選 ~和歌・短歌の基本と実践 裕泉堂歌会プチ講義~

      和歌や短歌を詠んでみたい方、 詠み始めて間もない方、 そこそこ詠んできたけれどもう一段上に行きたい方、 自分以外の歌人の詠歌訓練法を知りたい方……、 裕泉堂歌会に集うさまざまな参加者さんのため、プチ講義を収録しております。 歌詠みさんであれば、裕泉堂歌会にご参加でない方にもお役に立てるところがあるかと思います。ご自身の詠歌にご活用くださいませ。 裕泉堂歌会はだいたい月1回、火曜日20時から、オンラインで開催しております。 リアルタイム参加できない方も後日アーカイブ視聴可

      • 裕泉堂歌会こぼれ筆 2024年10月裕泉堂歌会レビュー記事

        梶間和歌が講師を務めております「裕泉堂歌会」の、開催後レビューポストや記事、対談などをまとめております。 詠歌上のコツや注意事項など、特に初心者さん向けにまとめたものが多めです。 歌会そのものにご興味のない方にとってもお役に立てるところがありましたら幸いです。 もちろん、これらを読んで興味を持たれた方の歌会へのご参加も大歓迎です。 主宰は三鷹古典サロン裕泉堂さま、講師は梶間和歌が務めております。 次回歌会は11月26日。ご興味のあります方はこちらからどうぞ。 202

        • 歌集『母となる』 出典~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 出典第一章 新古今和歌集釈教一九七〇 第二章 『源氏物語』「賢木」 第三章 村山由佳『野生の風』 第四章 拾遺和歌集哀傷一三四二 第五章 新古今和歌集夏二四五、ポルノグラフィティ「アゲハ蝶」 第六章 藤原定家『近代秀歌』、新古今和歌集春上、春下 第七章 新古今和歌集雑上一五六三 第八章 建礼門院右京大夫集三二二 第九章 村山由佳『野生の風』 第十章 高殿円『剣と紅』 終章 新古今和歌集春下一二八 梶間和歌歌集『母となる』 ~『生殖の海』2024年版~梶間

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        和歌の道しるべ ~梶間和歌のnoteサイトマップ~(2024/11/20更新)

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        • 和歌への情熱で道を拓く ~海士町との縁、和歌大賞、そして~
          14本
        • 梶間和歌の宇治十帖本説取りチャレンジ
          6本
          ¥7,800
        • 梶間和歌の選ぶ○○集秀歌選
          11本
          ¥4,500
        • 梶間和歌の堀河百首チャレンジ
          9本
          ¥5,500
        • 源氏で紡ぐ和歌便り
          10本
          ¥5,000
        • 歌集『生殖の海』 2022年版
          15本
          ¥3,000

        記事

          歌集『母となる』 終章「夢の浮橋」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 終章「夢の浮橋」 春霞結べばとくるあかつきの空にほのめくさゞなみのいろ 咲き盛る花かつ落ちて天霧らふひとゝきの春よひとゝきであれ 修羅の道を思へばとほく来たりけりなべてあはれと見ゆるほどまで 朝も夜も比良の山より影ふりて舟の分けゆく春のしかばね まだ浅きおぼろ月夜の花のもとにかくれつゝゆく春の肉体 十重はたへ肉体のへに積みに積む花のしかばね春のしかばね この頬は肩は我が知るそれぞかし白妙の花の海に横たふ マルボロに馴れてひさしきくちびるは花

          歌集『母となる』 終章「夢の浮橋」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第十章「水鳥のつばさ」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第十章「水鳥のつばさ」 川浪にすゞしき音を先立てゝむかしとおなじ夏の夕暮れ 初風のならす音もて途絶えたりあふぎおかるゝあけぼのゝ夢 暴れ川しぶきをなして下りゆくひとの涙を我れは忘れじ 夕暮れは砕くる浪のこゑたかくもとの流れに世はあらずかし つゆけさを添へ風の寄る葛の葉の恨むることはさいはひにあり 悲しびを悲しぶ者もあるものか紅葉ば枯れ葉浪はへだてず 秋のいろを織れる川面のさゞなみにしづけさ添ふる夕暮れの空 ねやさむく月さしのぼり入る影に塵の

          歌集『母となる』 第十章「水鳥のつばさ」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第九章「母となる」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第九章「母となる」 腹まろき猫を抱きて泣けるひとよ春はきらいと言はぬものから 子の話をするあなたの横顔をどんな気持ちで見てゐたつけな 若草はもう、そよそよと知りてよりほのかにふるふ野ゝうすみどり 我が胎を痛めで母となることを思ふ夜明けの風しづかなり 夢を見て覚むれば淡き峰の雲のわかれて消ゆる曙の空 生さぬ子の母とやといふやすらひにあなたの右手は肩を抱かない 母となること思ひ寝の覚め初めてそよやわたしのたまぼこの道 空のいろを染めむとぞ思ふひ

          歌集『母となる』 第九章「母となる」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第八章「草枕」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第八章「草枕」 なべて世はかりそめに寝る草枕結べば消ゆるうたかたの夢 うつゝとは夢まぼろしのあはひにてまことゝ紛ふ幻のうち さしかゝる夕日の影のうつろひに重さほの増す散りがたの花 きのふ見し花をけふ又見むとかはうつるならひの世のすゑにして ふぢの花やまぶきのはな苔に寄せて夕風ごとに春ぞ暮れゆく いろいろの花のしがらみ褪せ果てゝひとへに夏の衣をぞ着る なべてみなひともゆかりも水底に入りき夢を見きゝと起きながら 月も日も西にかたぶく世にひとはも

          歌集『母となる』 第八章「草枕」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第七章「露のあけぼの」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第七章「露のあけぼの」 すゞしやと閨に夜風をながむれば虫の音すだく秋は来にけり 寝ねかねてやをら押しあくる松の戸にこの比ひとの知らぬ月影 子のなくはと言ひしひとの妻の腹又まろくなるおもしろさ哉 若草の妻子もとより有明も夕べもをぎの上風ぞ吹く 雨まじる嵐にしをれ葛の葉もをぎも波打つ深草の里 なべてみな現しごゝろは失せよかし見ず知らざりしいにしへとなれ さいはひはあらしに葛のひるがへりむらむら晴るゝ夕暮れの雲 村雨の雲の去りつる秋の野の草のすゑ

          歌集『母となる』 第七章「露のあけぼの」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第六章「及ばぬ高きすがた」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第六章「及ばぬ高きすがた」  ほのぼのと春こそ空に来にけらし天の香具山かすみたなびく あけぼのゝ空を霞に染めなして雪ふるさとに春は来にけり  谷河のうち出づる波も声たてつうぐひすさそへ春の山かぜ うぐひすをさそふ山風寄せぬらし庭にまだ見ぬ花の香ぞする  春の夜の夢のうき橋とだえして峯にわかるゝよこぐもの空 途絶えぬや覚むればとほき浮き雲の小倉の峰に分かれゆく夢  梅の花あかぬ色香もむかしにておなじかたみの春の夜の月 月をのみ形見と眺むながむればその

          歌集『母となる』 第六章「及ばぬ高きすがた」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第五章「海の辺の女」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第五章「海の辺の女」 アームカバーくはへ靴紐きと締めつガテン系女子の血を燃やすため 左腰にラチェットレンチを収めて立つ女子はオクタノルムを組みバラすのみ だゞつ広いホールを壁で埋めてゆくこの工程が好きだなにより 天板を跨ぐそれとは反対の脚より駆けよ五尺脚立、七尺脚立 計三社わたり歩いて身を寄せたずつと愛せる場所をもとめて あの比の上司とは違ふちやんと見るつもりで声を掛けた芦沢 下端組むことを地組みと呼ぶこともこゝに知りけりよもう三年目 どつ

          歌集『母となる』 第五章「海の辺の女」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第四章「明けぬ夜の闇」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第四章「明けぬ夜の闇」 雨のなごりふかき朝けの玉の緒にひかりを添ふるさ緑の風 夢よりもはかなき世にて夢を見む忘られぬ夢のあとを追ふため 木下闇を暗き庭に迷ひ来ておなじこゑするほとゝぎす哉 橘に匂ひをよそへ恋ひ交はし憂き世を忘る玉の緒のこと 夢にまた身をまかせゆくゝらきより冥きに落つる我がこゝろから 玉の緒ゝ肌へに刻むはかなさの砕くるまでの夢と知るべく 長きよにみじかき夢の果てを見きげに玉の緒のかぎりなりけり 落ちとまる枯れ葉のかげにもゝ千鳥

          歌集『母となる』 第四章「明けぬ夜の闇」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第三章「レモンのマドレーヌ」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第三章「レモンのマドレーヌ」 夜は明けぬ覚めぬなりけりうつせみは昔もけふも起きて見る夢 子を殺め子の父を捨てつちの香を草のかをりを踏み締めて立つ マドレーヌ食めばレモンの香はつよし良き母といふ名を持たぬ身に 俺の子を殺してつぎは誰れのをとかぜのあなたのライヲングラス 頬あかし我が手も赤くいさやさや風ノルウェイの丘に吹くらむ 永劫といふ観念のうへに立つ我が卵管の癒着せしより 卵管をつぶして得たるうつせみも昔もなべてまぼろしのうち 夜の窓に瞳を

          歌集『母となる』 第三章「レモンのマドレーヌ」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第二章「まよふうたゝね」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第二章「まよふうたゝね」 咲き満てり木ぬれを重み影暗しその下道に立ち尽くす也 子の闇にまよふさへこそうれしけれこの玉鉾は我がためぞかし 薄雲にほがらほがらと明け暮るゝ空かき暗す春霞哉 ひたとねがふ裂け果てよ胎身も絶えね言はでをなべてあだし野ゝつゆ うたかたも消ぬ玉の緒となかれつゝ絶ゆることなきけふ飛鳥川 ほど過ぎていたく覚ゆる子は産まれいたく覚ゆる子の母と也 ひとたびはいな玉の緒はこゝろからなびきゝさはれ春の夜の夢 しがらみを風にまかする花

          歌集『母となる』 第二章「まよふうたゝね」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第一章「松の緑」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 第一章「松の緑」 Apuweiser-richeのかゝるクローゼットにカーゴパンツをつかむ朝あけ 弁当に着替へも詰めつ紅引きつビッグサイトにいざ向かふべし ローソンの脇の柱に身をあづけいつものメンツと交はす「おはやう」 戯れてけふも寄り来る植竹は黙ればジャニーズ系好青年 彼女などをらぬ沼野ゝ待受の「かのぢよ」の倚れる壁ぞまばゆき 「わかんないもんスよ、見た目くまモンでも」と言ふ田越はたゞのイケメン 腰袋カチッと締むるこの音にをんなはガテン系女

          歌集『母となる』 第一章「松の緑」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 序章「にほふマルボロ」~『生殖の海』2024年版~

          歌集『母となる』 序章「にほふマルボロ」草原にのぼる煙をながむればわたる風よりにほふマルボロ 梶間和歌歌集『母となる』 ~『生殖の海』2024年版~梶間和歌歌集『母となる』 序章 にほふマルボロ 第一章 松の緑 第二章 まよふうたゝね 第三章 レモンのマドレーヌ 第四章 明けぬ夜の闇 第五章 海の辺の女 第六章 及ばぬ高きすがた 第七章 露のあけぼの 第八章 草枕 第九章 母となる 第十章 水鳥のつばさ 終章 夢の浮橋 出典 2024年版にはあとがきを用意しておりま

          歌集『母となる』 序章「にほふマルボロ」~『生殖の海』2024年版~