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紙の力~中国から伝来し、日本で発展した「紙」の歴史~


紙漉きの技術は仏教伝来とともに中国から日本に伝わった。その後、日本では自生していた楮などを原材料に、独自に紙漉きの技術が発展していく。 一方、中国では竹や藁、青檀などさまざまな材料を探索し、その原材料に基づいた技術が発展してきた。こうして、日本と中国の紙漉き技術は異なる道を進んだが、中国の紙は各時代の日本に「高級紙」として輸入され、大事に使われてきた。
本稿ではそうした歴史をたどり、ユネスコ無形文化遺産に登録された日本の細川紙と中国の宣紙を紹介する。

P1 纸的力量大叔认真造纸啊

▲中国:宣紙製作作業 写真提供:任長箴

P1 纸的力量 第二张 手

▲日本:細川紙製作作業 写真提供:『和華』編集部

中国から日本へ、和紙の歴史と交わり

P2 增田 胜彦(MASUDA KATSUHIKO)

増田勝彦(ますだかつひこ) プロフィール
和紙文化研究会副会長。1965年、東京教育大学農学部卒業後、遠藤得水軒(日本画・書跡・文書等修復工房)に入門。1973年、東京国立文化財研究所(現・東京文化財研究所)修復技術部。1981~1982年に文化庁派遣ユネスコ職員として、文化財保存修復研究国際センター(ICCROM)に出向。海外に和紙を使用した修復方法を広め、国内外の文化財修復保存会議で発表。昭和女子大学大学院生活機構研究科教授を歴任。 

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