第11回読書会|魯迅「故郷」を読みました

10月2日(土)に読書会を行いました。
お二人の参加者とともに
予告していた通り、青空文庫で魯迅の「故郷」を読みました。

短編小説の回で、青空文庫で作家ごとにあ行から順に、何を読もうかと探していたのですが、なかなかピンとくるものが見つからず、ついにラ行まで来てしまい、そこに魯迅がいたというわけです。

高校の時、現代文の授業で読んだかすかな記憶が呼び覚まされ、「故郷」に決めました。

当日は参加者のみなさんとオープニングトークをした後、「故郷」を音読しました。読み方の難しい漢字が多かったです。「深藍色」(はなだいろ)とか「漉羅紗帽」(すきらしゃぼう)など……でも、最後の決め台詞に向かうまでのたたみかけるような文章のリズムが好きでした。

さて、この「故郷」どんなあらすじだったか覚えていますか?
こんな内容です。

主人公が没落した実家をたたみに訪れる。そこには母と甥の宏児(こうじ)がいた。そこで幼い頃、友達だった小作人の閏土(るんど)に出会う。閏土は今も貧困にあえぐ小作人であった。主人公は友達だった閏土なのに、大人になって、こえられない身分の壁を感じ悲しくなる。

これを読んだ後話し合ったことは、おおよそ100年前の小説ですが、今も、こんな小作人のような貧しい人は中国にはたくさんいるのだろうなあということ。

そして、閏土が主人公の家の香炉と燭台を持って帰ったことで、主人公は閏土を笑うが、自分も「偶像崇拝」をしているのではないかと省みる。その主人公の「偶像崇拝」は何かということ。

そして、「希望は本来有というものでもなく、無というものでもない」という一文について、希望とは何かということ。

読んだ感想を色々話すと、いろんな見方があることに気づかされて本当に面白いです。

わたしは今の中国でも繁栄の影で、主人公と閏土のような人々はたくさんいるとおもいました。なんだかそれを思うと切なくなりました。みんなで豊かに……などということは絵空事のように感じてしまいます。が、希望は無ではないといってしまう魯迅が好きだなあとおもいました。

次回は10月17日(土)19:00ー
課題本「レキシントンの幽霊」
短編集です。最初の「レキシントンの幽霊」と「緑色の獣」を読んできておいてください。

すみませんが、ご購入の上、ご参加くださいませ。
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