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プロローグ|奄美大島との出会い

2020年に起こったコロナ禍により今までの仕事が大きく変わった。のみならず、自分の子どもたちが不登校になるという事件が重なり、私の頭のなかはパニックとなった。

その時、「自分を大切にする」「自己受容」「セルフコンパッション」などという概念を知り、少しずつ自分を受け入れようと思うようになった。今までは他者に評価されない自分は価値がないと思っていたのだ。

それで、好きなことをするのが良い、それを自分に許したほうがいいということだったので、若い頃から好きだった「旅」を思う存分してみようと思い至ったのだった。家族がいる以上、家族と一緒に行かなければならないとか、母親だから泊まりの旅行は良くないとか考えていたけれど、そんな自分を縛るルールをやめて、鎖を解いて3ヶ月に1回くらいは3泊ほどの旅に出ようと思ったのだった。仕事はそのための資金作りだと考えるようにした。

その一番初めの旅行として「北海道」を選んだ。自分が自分になるというか、旅先では誰でもない「私」になれる感覚がうれしかった。これは「自分探し」などではなく「自分戻り」だと感じた。また3ヶ月後に旅をしよう、航空券を予約しようと格安航空会社Peachの公式サイトを開いた。

そこでたまたま目に入ったのが「奄美大島」という文字だった。本当は石垣島を検索していたけど、少し高くて、それならと検索してみるとなんと片道5000円ほどで行けることがわかった。5000円である。

早速予約をした。10月4日から10月7日までの3泊4日で、移動はせずにずっと同じところでゆっくりと仕事をしながら滞在しようと思った。ただ、それだけだとつまらないので、半日ツアーに参加したりしようかなどと考えていた。

まず宿探しが難航した。インターネットで調べる限り、一人旅ができそうなドミトリーなどは少なく、あっても本当にアジアの安宿という感じで、20年前なら宿泊できたけれど、今はちょっと…というところも多い。他には一棟貸しがほとんど。幸い、空港近くにいい宿を見つけてそこに宿泊を決めた。

そのホテルからのリンク先にネイチャーツアーの会社もあったのでそこで金作原原生林という世界自然遺産に登録されている原生林の中を歩くツアーに申し込んだ。そして、実際に出発する日を待った。




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