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認知行動療法というカウンセリングについて

こんにちは。
*産業カウンセラーと日本語教師をしています。ワカです。

*産業カウンセラーとは:一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する心理職の資格です。落ち込んだ状態が続いている、仕事に行くのが辛いなどの精神的な悩みを抱える働く方のカウンセリングや、省庁・企業のメンタルヘルス対策の支援などを行っています。(*カウンセリングの相談内容によっては医療機関や社労士を紹介することがあります)

認知行動療法(Cognitive behavior therapy:CBT)とは

行動または認知(自分の考え、物事の捉え方)を修正することによって自分自身を変えていこうとする解決志向のカウンセリングです。適応障害やうつ病、パニック障害などの精神療法の一つとしても使われています。認知を変えるって何?なんか怖い…と思うでしょうか。
その説明の前に、まず、カウンセリングのベースにある「傾聴」について、少しお話しさせてください。

傾聴とは

「傾聴」とは、カウンセラーが相談者の話を受け入れ、共感し、誠実に聴くことです。友達が普通に話を聞くのとどう違うのか?

例えば、ある人が「最近太ったんですよ」と言ったとします。
友達なら、「えぇ?全然太ってないよ」と否定するでしょう。
カウンセラーなら、「太ったと思っているんですね」と、相談者の言葉をそのまま受け入れて応答します。

傾聴」は最初にカウンセラーと相談者の関係を築くのに適しています。相談者が「この人なら恥ずかしいことでも、否定されるようなことでも全て受け入れてくれるから、安心して話せる」というぐらいの関係にならないと、相談がうまく進まないからです。なので、傾聴は全てのカウンセリングの基本となります。

傾聴から認知行動療法へ

ただ、「傾聴」のままだと、本当に自分の悩みが解決できるのかな?と疑問を持つケースもあります。
カウンセラーは相談者の言葉をまとめたり、時に質問したりすることはありますが、カウンセラー自身の意見を言うことはほとんどありません。
相談者:「悩んでいるんですよ」
カウンセラー:「悩んで、困っているんですね」
なんて返答されるだけでは、相談者が(話は聞いてくれるけど、それだけで何も変わってない!)と思うのも、まぁ納得できます。
傾聴」は自信喪失、自己嫌悪などで精神的なエネルギーが枯渇している場合はとても力を与えてくれます。安心して話せる場所があることで自信を回復し、自分を冷静に見られるようになり、自分を変えていく向上心や勇気が湧いてくるからです。
ただ、すでにエネルギーがある人にとっては、もっと早く現状を変えていきたい!悩みを解決したい!と、じれったく思うかもしれません。そんな時には「認知行動療法」に移行するのも一つだと思います。

認知行動療法ですること

認知行動療法では、相談者とカウンセラーが一緒になって、以下のことを話し合っていきます。

・問題の把握(何に悩んでいるのか、どこが問題なのか)
・問題解決の目標設定(どんな状態が理想なのか)
・課題を見つけて遂行(どうすれば理想に近づくのか)
・フィードバック

これって、コーチングと同じじゃん!って思った方、その通りです。ただ、コーチングと違うのは、自分の認知が妥当なのか、それによる気分身体の影響はどうなのか、心理的な反応を細かくチェックしていくところです。
今後、自分一人でもチェックしながら認知を修正して、別の行動を実践していけるようにするのが認知行動療法の狙いなのです。


オンラインでメンタルヘルスのカウンセリングをしています。ご都合がいい時に予約して受けることができます。
*相談状況によっては、医師や社労士など専門家を紹介することがあります。




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