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お酒と人と人生の時間

#いい時間とお酒

劇団WAGNASのオンダです。
投稿企画をエッセイ風にカッコつけて挑戦してみました!!

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お酒っていつから美味しいと思ったろう。

昔はビールが苦手だった。
と言うか炭酸が苦手だったのかもしれない。

思えばコーラなども、味は好きだけど炭酸ジュースをごくごく飲むことが出来なかった。
だからビールも同様にちびちび飲んでは、その度に顔をしかめていた。

しかし、ある年齢を境にググーッと一気に飲むことに挑戦してみたら、それ以後徐々にビールを好きになれた。
それによってコーラなどもある程度ならば一気に飲めるようになった。

お酒の世界に興味を持って、若い頃数年バーで働いていたこともある。

そこではウイスキーの美味しさを知った。
若き時分は辛くて苦い茶色い水と思っていたが、鼻腔で広がるふくよかな風味とそれを引き出す飲み方を知って、ウイスキーとはアロマと甘みを楽しむものだと辿り着いた。

そう、ウイスキーとは甘いのだ。
長年掛けて樽の香を移した琥珀の酒は、鼻腔をくすぐり舌を躍らせ、目眩く炎の如く嚥下される。
その刹那の揺らめきに魅了されるよう酔いに落ちてゆく。

ウイスキーを好きになって、おおむねのハードリカーの美味しさも理解できるようになった。
それぞれの産地と歴史に思いを馳せながら飲む酒は、時間と距離を越えてどこまでもトリップ出来る魔法の水である。

唯一分からない酒がある。
それはワインだ。
美味しいのはわかる。
しかしながら美味しいとされるワインが分からないのだ。

ワインの美味しさはわかるのだが、美味しいワイン(高級ワイン)がどう美味しいのかと言うのを、未熟な舌とつたない表現力では言い表す事が不可能なのだ。
恐らく高級ワインを飲んでテイスティングノートを付けたとしても「美味しかった」としか書けないのである(笑)

ワインは味も大事だろうが、それ以上に文化や歴史や背景を含めて飲む酒なのだろうというのが現時点での結論だ。

逆に一番わかりやすい酒は日本酒だ。

いや日本酒が単純な酒と言いたい訳ではなく、情報や知識など前情報が一切ゼロの情報でも、日本酒の美味しさと言うのはとにかく分かりやすい。

もちろん先の世界はワインと同レベルの深淵なる世界が広がっているのだろうが、単純な「美味さ」を感じるだけなら、酒界で随一なのが日本酒であろう。
他の酒が「美味しく感じられるまで」に訓練が必要なのに比べ、日本酒はその訓練が必要ないのだ。

そのくらいに日本酒の旨味は群を抜いて強いであろう、万人向けの酒なのである。

さて、酒は百薬の長と呼ばれ、飲みすぎなければ健康にいいと言われてきた。
しかし逆に、最近の学説では1mmの酒でも摂取すれば健康に悪影響を及ぼすともいわれる。

結局何が何だかわからない。
ただ、つまるところ現在の日本で生きていくなら、富豪でもない限り完全に毒素のない食生活を続けていくことは不可能に近い。

果たして酒は薬なのか毒なのか…
しかしながら、酒が人と人を繋いだり時間と時間を繋いだり、ある種高尚である種くだらないという、人生に一番大切なエッセンスを与えてくれる命の水であるとは確信できる。

「酒を飲むのは時間の無駄、飲まないのは人生の無駄」と、どこかの居酒屋で見たコピーだが、うんうんなるほどと考えさせられる。
そのくらい古今東西の人にとって、時には蔑まれながらも大切に育てられてきた文化、それこそが「酒そのもの」なのである。

そんなくだらない事を独りぼんやり想いながら、今宵もグラスを傾けようか。
酒を飲むとは自身の人生振り返り、そして人類の文化の結晶を体内に取り入れるという事なのだから。


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