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なぜ、旅をするのか #157 知見を広げる

人は、なぜ、旅をするのでしょうか・・・

ことわざに「可愛い子には旅をさせよ」というものがあります。
これは、子のことを想うのであるのならば、側に置いて甘やかすのではなしに、もっと外の世界で様々な経験させるべきという意味です。

ここには、子の将来を考え、その視点から視野を広げ、視座を高めて欲しい思いがあるのだと思います。

村上春樹さんの著書である「辺境・近境」を思い出しました。
「辺境・近境」とは、村上さんが1990年代に国内3箇所、海外4箇所、全部で7箇所の旅行記を一冊にしたものです。

その帯には、「その場に 立って、触れて、はじめて わかることがある。」と記されていました。

その中の一文をご紹介します。
「細かい記述とか描写はなるだけ書き込まないようにする。むしろ現場では書くことは忘れるようにするんです。記録用のカメラなんかもほとんど使いません。そういう余分なエネルギーをなるべく節約して、そのかわりこの目でしっかりいろんなものを見て、頭の中に情景や雰囲気や匂いや音なんかを、ありありと刻み込むことに意識を集中するわけです。好奇心の塊になる。とにかくそこにある現実に自分を没入させることが一番大事です。」

また、著名な方々の旅に関する名言も多数あります。

「旅の過程にこそ価値がある。」
■ スティーブ・ジョブズ(米国の実業家、アップル創業者 / 1955~2011)

「旅をしない音楽家は不幸だ。」
■ モーツァルト(オーストリアの作曲家、演奏家 / 1756~1791)

「旅というものは、時間の中に純粋に身を委ねることだ。」
■ 福永武彦(日本の小説家、詩人、フランス文学者 / 1918~1979)

「希望に満ちて旅行することは、目的地にたどり着くことより良いことである。」
■ ロバート・ルイス・スティーヴンソン(英国の小説家、詩人 / 1850~1894)

「旅は私にとって、精神の若返りの泉である。」
■ ハンス・クリスチャン・アンデルセン(デンマークの童話作家、詩人 / 1805~1875)

「言葉を友人に持ちたいと思うことがある。それは、旅路の途中で自分がたった一人だと言うことに気がついたときにである。」
■ 寺山修司(日本の詩人、劇作家、歌人、映画監督 / 1935~1983)

「発見の旅とは、新しい景色を探すことではない。新しい目で見ることなのだ。」
The real voyage of discovery consists not in seeking new landscapes, but in having new eyes.
■ マルセル・プルースト(フランスの作家 / 1871~1922)

「人が旅をするのは、目的地に到着するためではない。それは旅が楽しいからなのです。」
■ ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ(ドイツの詩人、小説家、劇作家 / 1749~1832)

「何かをやって時間を損するということは絶対にない。貧乏旅をすれば、大学を二つ出たようなものだ。」
■ 永倉万治(日本の作家 / 1948~2000)

「美しいものを見つけるために、私たちは世界中を旅行するが、自らも美しいものを携えて行かねば、それは見つからないだろう。」
■ ラルフ・ワルド・エマーソン(米国の思想家、哲学者、作家、詩人 / 1803~1882)

「私は、自分が何を避けようとするのかはよくわかるのだが、何を求めているのかはよくわからない。
旅は人間を謙虚にします。世の中で人間の占める立場がいかにささやかなものであるかを、つくづく悟らされます。」

■ ギュスターヴ・フローベール(フランスの小説家 / 1821~1880)

旅に対する価値観は、人それぞれであることが分かります。

旅行業社大手の「株式会社ジェイティービー」様の企業理念が興味深いものです。

「地球を舞台に、人々の交流を創造し、平和で心豊かな社会の実現に貢献する 。」

そこに「旅」の文字は、一字たりとも使われておりません。
そして、事業ドメインを「交流文化事業」とされております。

人は、なぜ、旅をするのでしょうか・・・

もちろん、明確な定義などを掲げることは不可能です。

しかし、旅をすることで、新しい文化との交流機会を増やし、人としての様々な形、大きさの器を創り、知見を広げる機会になることは間違いなさそうです。

世の中には、行ったことのない場所がたくさんあります。
人が人生で全てに行ける訳がありません。

残された人生で、どこに行くのか。
自分のライフスタイルと合わせて選択することも楽しいのかもしれません。

是非、時間をつくって旅をしてみましょう。

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