見出し画像

帰省について語る時に私の語ること


3連休を利用して、嫁をつれて地元の熊本に帰省した。メインは親戚への挨拶回りだ。
独身の時はしょっちゅう帰っていた地元も、嫁と出会ってからは足が遠のいていた。

----------------------------------------------------

駅を降り立つと、叔父さんが出迎えてくれた。
ビー・バップ・ハイスクール的な高校時代を過ごした卍リベンジャーズな叔父さんだが、今では社長をしている。
昔、叔父さんに買ってもらったガオキングの変形ロボは今でも大事に実家にとってある。
そのまま叔父さん宅へ行き、挨拶を済まし
ひさしぶりの実家に戻った。

実家ではおばあちゃんが待っていてくれた。
おばあちゃんは、明日は母方のおばあちゃんと落語を聞きに行くこと、そのおばあちゃんと遠くに旅行に行こうとキャッキャ話してたら、年寄り2人だけでそんな遠出するんじゃないと私の母親に怒られたことを話してくれた。
嫁が話し相手をしてくれている間、私は素麺やっぱり揖保乃糸をずるずるすすりながら、やっぱり素麺やっぱり揖保乃糸と言うだけあるなと思いながら世界陸上を観ていた。

その後は、目と鼻の先の母方のおばあちゃんちへ赴き、明日は父方のおばあちゃんと落語を聞きに行くこと、そのおばあちゃんと遠くに旅行に行こうとキャッキャ話してたら、年寄り2人だけでそんな遠出するんじゃないと母親に怒られたことを話してくれた。
そして車を30分走らせたところにある叔母の家に挨拶に行き、親戚挨拶回り巡礼ツアーはぬるっと終了したのだった。

----------------------------------------------------

無事に終了し、実家に戻るまで時間があったので近くの動物園に立ち寄ることにした。嫁の労を労うのと、熊本にいた時はよく行ってたなあと懐かしくなったからである。

ところがいざ着くと、正面玄関が改築され、かなり綺麗になっていた。知らないところに来たような気分だ。どうやら数年前の地震で被害を受けた際に、所々新しくリニューアルしていたらしい。
それはそれで、どんな感じに変わったのかわくわくしながら入場した。

正直、園内は変わったところもあれば、
変わらないところもいっぱいあった。
まあ変わってないところの方が多かった。
年季の入った檻も、中のレストランも
チープなゲームセンターも爬虫類館的な建物も
色褪せつつある象舎も。
でもまあ、それが懐かしく思えたので結果オーライであった。
ライオンがめちゃくちゃ唸り出したので見ている私たちの間に緊張が走ったが、その後ごろにゃんと腹を見せて寝っ転がり出したので、
しょせんネコ科だなと思うなどした。

----------------------------------------------------

就職したての頃は、新しい街に馴染めず連休のたびに実家に帰っていた。自分の居場所は熊本なんだと信じて疑わなかった。いつか必ず帰ると思っていた。

でも今は、住んでいる福岡の街が自分の居場所となっている。  
熊本に降り立った瞬間と同じくらい、
最寄駅を降り立った瞬間ホッとする。
自分にとっての居場所となる土地が増えることは
いいことなのかもしれない。

----------------------------------------------------

2日目は熊本のどえらい田舎にあるおじいちゃんが眠るお寺へ行った。
お寺から見える山々を観た時に、
自分が死んだら、骨はどこ置かれるんだろうと考えた。

熊本がいちばん安らぐだろうが、
嫁と離れるのも忍びない。
かと言って福岡のあまり思い入れのない山奥に寝かされてもなんだかなあという感じ。

人間って死んでもなお悩みの多い生き物なんだなと、動物園で退屈そうにあくびをしていたシロクマがこの時ばかりはうらやましくなった。


この記事が参加している募集

夏の思い出

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?