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「人を使う」ということ・女将って?
2006年4月12日 (水)
「女将」などと呼ばれて、何人ものスタッフと働いてはいますが、私自身の自覚が足りないなぁ~、と思うことがよく有ります。
ずっとこの現場でがんばってきて、少しずつ経験とスキルを積み重ねてきた古参から見たら、私などはまだまだポッと出の素人なんだろな、と思うこともしばしば…。
そんなわけで、自分としては「女将でござ~い」というよりも、スタッフの「小間使い」の気分というか、そういうスタンスでおりますデス―。
まあ、こんなことを申し上げると、「”女将”としての自覚を持て!!」などとお叱りを受けるかもしれませんが……ええと……申し上げにくいことながら、いまだにわたくし、「女将」ってなんだかよくわからないのです。
まあ職種はどうあれ、一つの職場のアタマと考えれば良いんじゃん?などと軽く考えておりましたので、とりあえず、
1.スタッフが気持ちよく、機嫌よく働いてくれると、お客様
の機嫌もよくなる!
2.職場内の出来事は、とにもかくにも全部ケツを持つ!
この二つだけ考えて、「女将」を引き受けました。
1に関しては、スタッフが働く環境や条件を良くすれば、働くことが楽しくなるし、そうすると笑顔も増え、サービスにも気合が入り、最終的にはそれをお客様に還元できる、という考えですから、「風が吹けば桶屋が儲かる」戦術となります。
2に関しては、職種がどうあれ、職場の規模がどうあれ、自分が任された部署で起きるすべてのことは自分がケツを持つ!という決意表明です。
1+1=2、8÷2=4、そんな風にきっちり結果がでないのがサービス業ですし、行き当たりばったりというか、良い表現だと「臨機応変」というか、だいぶ解釈に幅のある部分もあります。
経験を積んで初めて理解できる事も多く、新人さんは失敗しながら覚えていくものですから、そんな時は誰かが頭を下げることになります。
ベテランさんだって、慣れゆえのミスもありますし、初めてのケースに遭遇することもあります。
もちろん、お客様にとっては「すみません!これもスタッフの勉強ですから―」なんてことが通るはずはありません。
ご迷惑をかけないように、あらかじめ万全であろうフォローをするのですが、それでも何か起こってしまったら、それはフォローし切れなかった自分の責任だということを肝に銘じる決意表明、というわけですねぇ…。
まあ、でも実際はそんなカッコイイもんじゃありません。
あれもこれも、ひとえに私の人徳が無いばっかりに起きること……。
おまえが一番しっかりせいよ!!と、自分に自分で「喝」を入れているようなモンです。
ありゃりゃ、やっぱりわたくし、相当なヘタれっぷりですわね。
そもそも、女将業に対して、なんとなく中途採用されたような感がある私には、今だもって「女将」とは何かが、良くわからずにいます。
営業の人間などは、
「各部屋に挨拶に行って、酌の一つも…」
などと言いますが、全部のお客様がそれを喜ぶわけでもなし、いわゆる「美人女将」でも無いので、客寄せの看板になるわけでなし―。
ありゃりゃ?昨日に引き続いて、ヘタれっぷりの大盤振る舞いか…?
まあ、おふざけ抜きに13年やってみて、個人的には「裏方の最たるもの」だとは思っていますね。
それは、接客担当のスタッフ達が気持ちよく楽しく仕事をするために、あらゆる環境を整え、不足無く準備をし、手配りをする、それが自分の仕事だと考えるからです。
お客様の立場からしたら、どんなに素晴らしい造りの部屋でも、最高の食材を使った料理でも、サービスの印象が悪かったらすべてが台無しではありませんか?
こと店内のサービスに関しては、直接お客様に接するスタッフ、いわゆる仲居が最も重要なポジションであり、そこでのお客様からの評価がそのまま=店の評価だと思って間違いないと考えています。
ですから、どうしたらスタッフに最高最強のサービスをしてもらえるか、その方法を考えて実践すること、それが私の考える
「女将」の第一優先業務、というわけですね……。
口幅ったいのですが、以下が現在実践中のいくつかです―。
・「仕事は機嫌良く」が私のモットーですから、いつも自分が
「平ら」でいること。
自分の機嫌の良し悪しで、下の人間に態度を変える人たちをずいぶん見てきました。
自分がされて嫌なことは、人様にもしないこと、まずは自分からの実践です。
・失敗があった時に、ミスしたことそのものを責めるのではな
く、次に同じことを起こさないようにするにはどうするか?
を考えさせること。
どんなに注意していても、人間ですからミスは起こります。
起きてしまったことをあれこれ言うのは簡単ですが、ではなぜそのことが間違いなのか、それを理解しない人は、必ず同じことをしてしまいます。
理由がわかれば理解できます。
「起こさない」ことを考えるのが大切なんだと思っています。
あとはそうだな~、スタッフとの「お友達付き合い」をあきらめること、ですかねぇ…。
まあどのみち、ぴったりくっついてぺちゃぺちゃ喋るのも苦手だし、頭でいる以上、愚痴と文句は言われるモンであって言うモンじゃあないし…うーんうーん…。
あるスタッフとなにかの話題でちょっと盛り上がろうモンなら、「○○ちゃんは女将さんに気に入られてるから―」なんつーことをのたまわってくださる方が居たりもするしで、全方位に等距離を置くのが無難な情勢…。
スタッフとしても、頭は文句の対象であった方が緊張感があって良いんでしょうね。
あまり同じスタンスだと、「バカコケ」言いにくいですもんね、かなり乱暴な理屈ですが。
まあ、少し寂しい時もありますが、仕事は「仲良しクラブ」じゃないので、そこんトコが大切なのではないかと思います。
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