にげて さがして ヨシタケシンスケ さん
「先生の教室は、ここに来る子たちにとって、こんな場所なんだなって思ったんです」
そう言って、はにかみながら手渡してくださったのがこの絵本。
わたしの運営しているフリースクールに通う生徒さんのお母さんからのプレゼントでした。
ふらりと立ち寄った本屋さんで目に入った、1冊の絵本に手をのばす。
そんな日常の風景の中で、ふと私の教室を思い起こして下さったことが嬉しくて。
ひらいて読んで、またじんわり。
なんて優しい絵本なんだ。
「ここに通う子たちに読んでほしい」とお母さんは言ってくれたけれど、私の胸にもやわらかくしみこむ1冊でした。
”じぶんを かえないために うごいてもいい”
これはわたしのことだ。
2年前、学校教員を辞めると決めたときのわたしのことだ。
じぶんを かえないために うごく
自分の教育観を殺さないために うごく
教師として 心を枯らさないために うごく
出会ったこどもたちが育ててくれたわたしを かえないために うごく
2年前の春、わたしは、わたしをかえないために うごくことを選んだんだなと。
退職届を提出したあと、JR桶川駅までの帰り道がとてもすがすがしかった。
あのときのさわやかな気持ちを思い出させてくれる1冊でした。
もし今、”うごくか うごかぬか”で迷われている方々にはぜひオススメしたい1冊。
ヨシタケシンスケさんの「にげてさがして」。
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