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クラシアンシン

会話劇 ふたりのはなし


「イケメンじゃなくてもいいから、ちゃんとしてて優しい男いないかなぁ」

「なにそれ、彼氏欲しいの?」

「超欲しい。ってか結婚したい」

「あー、この間披露宴におよばれされて地元帰ってたもんね」

「そう、幸せオーラに飲み込まれました」

「そっか、でもちゃんとしてて優しい男ってどういうこと?」

「だからー、真面目に仕事してて、私のこと気づかってくれる男」

「それなら腐る程いるよ」

「いないよー」

「だって私達働いてるし、ニートと出逢うほうが難しい、それに下心があれば大抵の男は優しい」

「そーお?」

「あとフリーターだって真面目に仕事してる人も沢山いるよ」

「フリーターはやだー」

「ほら、じゃあもう矛盾してるじゃん」

「だって」

「気づかってくれる優しい男っていうのも、なにを持ってして気づかい上手な男なの?」

「記念日には素敵なレストラン予約してくれたりとかー」

「うっす、もっと体調面とか、メンタル面とかそういう気づかいかと思ってたよ」

「だってー」

「子育て一緒にやったり、家事も分担したり、心と生活の支え合いが大事だよ」

「そんなの一緒に暮らしたり、妊娠してみなきゃわからないことじゃん!」

「あたまのなかで想像できるもんでしょ。絵に浮かぶっていうか、波長っていうか」

「そんなの無理だよ!わかる様に表現してもらわないと伝わらない!そもそも絶対そんな想像通りにいかないじゃん」

「たしかに、いかない場合もある」

「でしょ、私は離婚したくないの」

「ひどー、私がバツイチだからって」

「そうじゃん、説得力ない」

「たしかに、男って結婚したらもう安心しちゃって
態度変わることとかもあるしねー」

「じゃあもう見分けつかないじゃん!どーしたらいいの」

「まあ、男達も私達に同じこと思ってるかもだしねー」

「もうだれも信用できないー!」

「難しく考えるともうドツボだよね」

「ねー!ねー!見て!」

「なに?」

「ここの店員さん、超イケメン!」

「おいおい、最初の言葉どこ行った」


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