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ここにやってきた人は、誰もが適任者

RayArc(レイアーク)の皆さま、おつかれさまです。新規事業ユニットです!

今回は、フィードバックでいただいた「メンバー目線での上司との関わり方」の、アンサー記事です。

株式会社RayArcのオープン社内報として、取り組み・思いを社内外に発信!

フォロワーシップのお話を、私からも

2021年の7月。社内行事の発表セッションで、フォロワーシップのお話がありました。覚えている方は、はたして何人いるでしょうか?
(ちなみに、ワクワク魔人Sが話したわけではない)

いえ。覚えていなかったら「覚えてない人~」で、素直に手を挙げてよいのですよ。てか、「その場にいなかった」という方も、当然いますよね。

「ふぉ…ほろ…え? ありましたっけ?」

全部ゼンブ覚えていなくても無理からぬことなので、よいと思います。
が、ちょっとモッタイナイ。

テーマとしても『メンバー目線での上司との関わり方の例』に重なるので、私からも、フォロワーシップのお話を、してみむとてするなり。

フォロワーシップとは

ひとことで言えば、

自律的、かつ主体的に
リーダーや他メンバーに働きかけ、支援すること

が、フォロワーシップです。

メチャ最近の、ほやっほやに真新しい概念ってわけでもありません。たとえば、こちらは2011年の記事。

チームはリーダーとフォロワーで構成されています。リーダーの下でどのように行動するかというフォロワーシップを学ぶ機会も必要なのです。みんながリーダーのような言動をしていては、チームは動きませんから。

「NASA流」極限訓練で学んだこと
若田光一 JAXA宇宙飛行士|日本経済新聞

すでに、ごく自然にフォロワーシップという単語が登場しています。

フォロワーシップ、すごいぜ!

カーネギーメロン大学のロバート・ケリー教授が、著書『The Power of Followership(指導力革命―リーダーシップからフォロワーシップへ)』で、この概念をフォロワーシップという言葉で表現したのが始まり。

ケリー教授は、組織が出す結果に対して、

  • 「リーダー」の影響力→10%~20%

  • 「メンバー」の影響力→80%~90%

だいたい、こんな感じだ!

との調査結果を提示し、フォロワーシップの重要性を伝えている…らしいのですが、残念ながら絶版で手に入りにくそう…。

ただ、関連書籍はたくさん出ています。
その中から読みやすいものを探すのもよいでしょう。

今後、さらに重要になりそうだ

たしかに、ほやっほやに真新しい概念ではないものの。同じ概念でも、時代の変化によって重要性が増すことはあります。

リーダーの意思決定や行動に誤りがあると感じた場合は、臆することなく提言を行ったり、チームがより良い方向に進むようメンバーに働きかけたりと、自分の置かれたポジションだからこそできることを主体的に実行していくことを指します。

フォロワーシップとは?リーダーシップとの
違いや実践方法|グロービスキャリアノート

いわゆる『健全な批判』ができること。
それだけでは終わらず、自分が関与する姿勢、具体的な行動があること。

この姿勢は、フォロワーシップが発表された当時以上に、今後重要になってきます。常にリーダーが最善の判断をできるほど、世の中が単純ではなくなったためです。(単純ではないことに気づいた、が、より正確?)

もしかしたら、『時代が追い付いた』というヤツかもしれませんね。

フォロワーシップとコンフリクトの4象限比較

『健全な批判』に似た響きの言葉に『健全な衝突』『健全な対立』があります。コンフリクトマネジメントの話題で目にする・耳にすることが多いですね。

フォロワーシップにも、コンフリクトマネジメントにも4象限の図が登場します。両者は、とても似た姿に見えます。(4象限の図は、なんでもある程度は似ます。が、もう少し強い相似が見られます)

フォロワーシップの4象限

左や下のエリアは、いかにも課題が見えやすい。
それに比べて、一見課題が見えにくいバランサーの実務型。
一言でいうと「言われたことはしっかりやる」という位置づけです。
それを悪くないと思うか、大いに課題を感じるか、それが問題だ。

コンフリクトマネジメントの4象限

こちらは、コンフリクト(衝突・対立)に対峙したときのあり方を示すもの。
妥協のエリアは、波風は立たないかもしれないが、価値も生み出さない無の領域です。そこから一歩出て、必要なコンフリクトを受け入れることができるか、それが問題だ。

正解のある問いはもはや少なく、何を目指すかは一人ひとりが選ぶしかありません。しかし、それぞれの理論で期待される姿は、右上のエリアです。

  • 「実務型」にとどまらず、「模範的」のエリアへ向かう

  • 「妥協」を乗り越え、「協調」のエリアへ向かう

そのために必要なのが『健全な批判』『健全な衝突』『健全な対立』です。

真のフォロワーシップを引き出すもの

皆さま、そろそろ疲れてませんか?
当初思ったより、ちょっと長い旅路になりました。奥深いんだもの。
疲れたら無理せず深呼吸して、それから続きを読んでください。

休むのも、シゴトのうちさ!

『健全な恐れ』と、『不健全な恐れ』の先に

『健全な批判』『健全な衝突』『健全な対立』の実践のために。
まず、取り除かなければならないものがあります。
それは、『不健全な恐れ』です。

ハーバードビジネススクールのエイミー・エドモンドソン教授は、著書『The Fearless Organization: Creating Psychological Safety in the Workplace for Learning, Innovation, and Growth(恐れのない組織:職場に学習力・イノベーション・成長をもたらす心理的安全性の創出)』の中で、対照的な「恐れに満ちた組織」「恐れのない組織」の事例を挙げています。いずれも、東日本大震災に関するものです。

一つは、国や東京電力が福島第1原発の地震・津波対策を検討する過程で、数々の重要な警告が無視されたという「恐れに満ちた組織」の事例です。

心理的安全性が創出されていない組織において、部下は上司から「忠誠心がない」「無能だ」と思われることをことさら恐れます。そのため、上司の意向に沿おうとして、本当はそうは思っていなくとも異論を述べることを控えてしまうのです。

組織の中の「恐れ」で明暗 ハーバードが見た原発事故
ハーバードビジネススクール教授
エイミー・エドモンドソン氏|NIKKEI STYLE

もう一つは、福島第2原発の増田所長(当時)とそのチームがチームワークによって危機的状況を回避した、「恐れのない組織」の事例です。

「チーム増田」のメンバーは「こんな報告をしたら上司や同僚にどう思われるか」などと心配することもなく、増田氏に問題を報告し、事態を打開するためのアイデアも提言し、迅速に行動していきました。これはまさに増田氏がすべてのメンバーに正しい優先順位を示したからだと思います。

組織の中の「恐れ」で明暗 ハーバードが見た原発事故
ハーバードビジネススクール教授
エイミー・エドモンドソン氏|NIKKEI STYLE

エドモンドソン教授は、自然災害のような脅威に対して、正しく備えるための恐れを『健全な恐れ』としています。よく「正しく恐れる」とも表現されますね。

そして、できること、やるべきことをやるのだ

それに対して「自分がどう思われているか」のような、目の前の人間関係に過度に怯えることは『不健全な恐れ』です。とらわれると、本来「正しく恐れる」べきものに対し、誤った判断を下すことにさえ、つなががります。

リーダーシップとフォロワーシップは、両輪

リーダーの役割は、この『不健全な恐れ』を取り除き、メンバーが「自分がどう思われているか」に怯えず、自由に発言できる環境をつくること。

そのリーダーシップの有無が、東日本大震災の二つの事例において、メンバーのフォロワーシップを委縮、または活性化し、結果の明暗を分けました。

明るいは暗い、暗いは明るい

真のフォロワーシップは、真のリーダーシップと両輪です。
そして、もう一つ大事なことがあります。

それは、

  • フォロワーシップは、リーダーを含めたチーム全員に求められる

  • リーダーシップも、メンバーを含めたチーム全員に求められる

ということです。

ここにやってきた人は、誰もが適任者

  • フォロワーシップは、リーダーを含めたチーム全員に求められる

  • リーダーシップも、メンバーを含めたチーム全員に求められる

今回記事を書くにあたり、この考え方をあらためて確認・整理していて。
OST(オープンスペーステクノロジー)の『4つの原則』を連想しました。

ここにやってきた人は、誰もが適任者である

OST『4つの原則』より

OSTの詳細については、話題が広がりすぎるので割愛します。
なにより、これを簡潔に説明できるほど、知見が自分のものになっておりません。私自身が、まだまだ修行中でございます。

OSTでは誰もが参加の適任とされます。大事なのは参加者のテーマに対する情熱であり、参加者どうしの対話の質です。組織上の役職などは関係なく、誰もが適任者です。

参加者がつくる対話の場 オープンスペーステクノロジー
オージス総研|水野正隆

そう。チームで何かを成し遂げようとするならば。フォロワーシップにおいても、リーダーシップにおいても、誰もが適任者です。

まとめ

  • フォロワーシップとは、自律的、かつ主体的にリーダーや他メンバーに働きかけ、支援すること

  • 真のフォロワーシップは、真のリーダーシップと両輪

  • フォロワーシップは、リーダーを含めたチーム全員に求められる

  • リーダーシップも、メンバーを含めたチーム全員に求められる

  • ここにやってきた人は、誰もが適任者

みんな、バッチリがんばれ!

ところで…。
リーダーシップにまで言及したため、これって「上司目線でのメンバーとの関わり方」のアンサー記事でもあるんじゃないの? と思われたかもしれません。

が、そちらにも少し視点の違う領域がありそうなので、あえて、今後のテーマとして取っておきます。よろしければ、楽しみにしてやってください。

追記

書きました!

(新規事業ユニット・ワクワク魔人S)


さあ、ワクワクしようぜ!

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