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カスタマーサクセスとは何か?(概論)

こんにちは、バーチャレクス・コンサルティングのlong76です。
簡単に自己紹介します。
マーケ・CRM界隈の仕事をして早20年ちかく経ちます。これまで事業会社で企画を立て直接顧客と接したり、支援側で事業会社のご支援をしたりしていました。
プライベートでは、海・山など自然が好きな1児の父親の面ももってます。

今回から弊社のソリューションや社内の取組みを
主にマーケティング・CRM・コンタクトセンターに関連した業務に携わる方向けに仕事のヒントになるような記事を載せていきたいと思っています。

今回からは、3回に渡って、近年注目されているカスタマーサクセスについてまとめて行きたいと思います。

第1回 カスタマーサクセスとは何か?(今回)
第2回 カスタマーサクセスを実行するうえで重要となる3つの要素
第3回 顧客を成功に導くための10の原則

まず第1回目は、
カスタマーサクセスとは何か?について書いてみたいと思います。

カスタマーサクセスとは?

1.カスタマーサクセスとカスタマサポートの違い

カスタマーサクセスとは何かを見る前に、イメージしやすいように
恐らく皆さんのイメージが既にあるカスタマーサポートとの違いについて
見ることからはじめたいと思います。

カスタマーサクセスとカスタマーサポート、言葉は似ていますが、
それぞれ概念が異なります。

簡単に言うと、カスタマーサポートは「顧客の不の解消」が目的であるのに対し、カスタマーサクセスは「顧客の成功の実現」が目的です。

そのため、カスタマーサクセスでは、顧客の成功のために、待ちではなく能動的な顧客へのアクションが求められる点が大きく異なります。

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2.カスタマーサクセスとは

では、カスタマーサクセスって何なのか定義をみていきましょう。
カスタマーサクセスの定義については様々あると思いますが、ここでは、
青本の翻訳をさせていただいた弊社の見解も踏まえて定義します。

カスタマーサクセスの定義

自社製品やサービスを顧客に活用してもらうことを通じ、
顧客が抱えている、あるいは今後直面するであろう様々な課題の解消を
プロアクティブに継続的に支援
し、顧客が理想とするゴールに向けて伴走し、その過程において、自社が提供する製品やサービスを継続的に改善・高度化し、顧客の期待値に応え続けることで、良好なパートナー関係を維持・深化させていくと、
この顧客による自社商材の活用(商材による継続的価値提供)と自社商材の
継続的高度化(商材自体の価値向上)
が好循環となる結果、顧客のビジネス
の成功(=売上・粗利増、顧客開拓等)が達成
され、ひいては自社のビジネスも成功する。

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カスタマーサクセスを成功させるためのポイント

ポイント1. 顧客の成功を目指して伴走

カスタマーサクセス
一連のビジネス活動のなかでどのような場面において顧客が「お困りごと」
を感じるのか、どういった事象が顧客の成功を目指すうえでの障害となるのか
を予め明確にし、直面する数々の障害を顧客と一緒に乗り越え、その先のゴールへ向けて伴走します。
顧客に関わる全ての体験に寄り添い、共に成功を目指していくことがカスタマーサクセスの最大のミッションです。

カスタマーサポート
顧客がサービスに対して何か不満を持ったり困ったりしている場合、その解消・解決のためのサポートを行うこと、そして顧客のネガティブな体験を解消することで満足度を向上させることが主な目的です。

ポイント2. 顧客とのプロアクティブなコミュニケーション

カスタマーサクセス
顧客が使っている製品やサービスに問題はないか、不満はないかなどの顧客の状態(ヘルススコア)を各種データを通じて把握した上で、プロアクティブにコミュニケーションを取ります。ゴールを目指す旅の途中で顧客に問題が生じた場合はいつでもサポートできるよう、常にこちらから積極的に顧客へ働きかけていくことを心掛ける姿勢が必要不可欠です。

カスタマーサポート
カスタマーサポートの考え方では、常に顧客からのアクションが先行するため、商品・サービスの提供側は基本的に受身のスタンスにならざるを得ないです。言い換えれば、顧客がサービスを利用する中、で何か問題が生じた際にのみサポートに問い合わせるため、何も問題がなければ顧客がカスタマーサポートを利用する必要はありません。

ポイント3. 様々なデータから顧客の状態を予測

カスタマーサクセス
これら顧客の声に加え、製品・サービスの利用頻度や利用時間、こちらからのメールに対する反応率、相互コミュニケーションを通じて獲得するフィードバックなどのデータをテクノロジーを駆使し収集します。
そして収集結果から、顧客がどのような状態で、製品やサービスに対してどういった感情を抱いているかの現状把握に加え、将来どのような行動を起こすかの予測を行い、適切な打ち手を講じることが重要になります。

カスタマーサポート
顧客からの問い合わせやアンケートなどの「顧客の声」からのみ該当する
製品やサービスについての利用状況を把握します。
また把握する以上のアクションを取ることは多くありません。

ポイント4. 顧客が成功へ向かうためのKPI

カスタマーサクセス
顧客が目指す、あるいは理想とするゴールに辿り着くために、
自社製品やサービスに満足し使い続けてもらうことが必要不可欠です。
そのため、製品やサービスの契約更新率向上や解約率減少
こちらからの働きかけに対する顧客反応率や顧客満足度といった指標
KPIとなります。

カスタマーサポート
製品・サービス提供側の作業効率化が重要なポイントであり、
いかに受電率や応答率を高めていけるかがKPI(重要業績評価指標)となります。

ポイント5. 企業にとってのプロフィットセンター

カスタマーサクセス
定常的に収益を生み出すための仕組み(=プロフィットセンター)と言えます。上述の通り、カスタマーサクセスの実践を通じ、コストをかけて獲得した顧客との関係を深め、契約を維持(Retention)し、解約(Churn)リスクを抑制することが可能です。また顧客からの期待に応え続けることができれば、より多くの機能を備えた上位エディションへのアップセルや類似サービスへのクロスセルに繋がります。

カスタマーサポート
どれだけ非効率的な業務を省いてコストを削減できるかがポイントであるため、企業に直接的な利益をもたらす可能性は大きくありません(=コストセンター)。

この話のまとめ

カスタマーサクセスとカスタマーサポートは異なる概念です。
カスタマーサクセスの最大の目的は、顧客の成功の実現であり、顧客のサクセスジャーニーを描き、共有し、ゴールまでの旅路を共に走ることによりそれを目指すものです。
                                  やや回りくどく、一見偽善的もしくは理想論にも見える概念ではありますが、ギブアンドテイク・持ち持たれつといった、人間のもつ心理(心理学でいう「返報性の法則」)に照らせば、日本人の我々でも理解・納得しやすく、馴染みやすい概念なのではないでしょうか。
                                  今回は概念のまとめでしたが、次回以降はもう少し具体的に実行面でのポイントについて書いてみたいと思います。

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よかったら一度読んでみていただけると幸いです。

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