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<2021年度版>カスタマーサクセスに関する実態調査(第4弾)

こんにちは!バーチャレクスのTKです。
この記事は、2019年3月から毎年実施している「カスタマーサクセス」に関する調査の結果レポートです。先日の2021年度版(第1弾第2弾第3弾)に続いて、第4弾の結果をご紹介します。

<第4弾 調査結果概要>
対象:第1弾の調査対象である21,526人のなかで、自社において
① 「現在はカスタマーサクセスに取り組んでいないが必要性を感じている」と答えた250人および、
② 「現在カスタマーサクセスに取り組んでおらず今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた250人、計500人に対して調査を行いました。
※まずは、カスタマーサクセスって何?などを知りたい!という方は、"カスタマーサクセスの「いろは」がわかるサイト"で解説をしていますので、ぜひこちらもご覧ください!

▼CSのいろはがわかるサイト【カスタマーサクセス for Succession】▼
「カスタマーサクセスとは?」
https://customer-success.virtualex.co.jp/about.html

必要性を感じつつも、やはり立ちはだかるのは組織・人材に関する障壁

まず①に当てはまるカスタマーサクセスの必要性を感じている層、②の必要性すら感じていない層、それぞれの対象者に、勤務先でサブスクリプション(サブスク)型の製品またはサービスの取り扱いがあるかどうかをたずねました。

何かしらのサブスク商材を既に取り扱っている、または今後取り扱う予定であると答えた人は、カスタマーサクセスの必要性を感じている層では32.6%、必要性を感じていない層については17.6%という結果でした。サブスク商材の取り扱いの有無が、カスタマーサクセスの必要性への意識の差として表れた形となりました。

一方、サブスク商材の取り扱いはないと答えている人が、いずれの層も約半数という数字も出ており、サブスク商材を扱っていない企業においても、カスタマーサクセスは必要であると認識されているということがわかりました。

#4-01_カスタマーサクセス取り組み意向別サブスクリプション型商材取り扱い状況

次に、「カスタマーサクセスの必要性を感じている」人の内訳として「(今後)カスタマーサクセスに取り組む確度が高い」と答えた200人、「取り組む確度が低い」と答えた50人に対し、「実際にカスタマーサクセスの取り組みを始めることになった場合障害になりそうなことは何ですか?」をたずねました。

カスタマーサクセスに取り組んでいく確度が高い層と低い層の間で大きな差が見られたものが、「経営層/上層部の理解が得られない」「社内現場の理解が得られない」という項目でした。カスタマーサクセスの導入・実践においては、トップの理解に加え、現場での理解・浸透がどれだけ進んでいるかが鍵であることが改めてわかる結果となりました。

一方、いずれの層でも「人材・組織体制が不十分」との回答が最も多く、次いで「何から手をつけたら良いのかわからない」との回答が続きました。以上から、経営陣や社内のコンセンサスは取れ、カスタマーサクセス取り組みへの機運が高まったとしても、いざカスタマ―サクセスに取り組み始めるとなると、人材や組織体制への不安、実際に何から手をつけたらいいのか、といった現実的な課題にぶつかっていることがわかります。

#4-02_カスタマーサクセスの取り組みを始めることになった場合障害になりそうなこと

また同じ対象者に、「カスタマーサクセスの取り組みを始めようと何か取り組んでいることはありますか?」とたずねたところ、取り組み確度が高い人については積極的に情報収集などを行っている人が一定数いることがわかりました。しかし、「特にない」と答えた人の割合も多く、例えば前述の「障害になりそうなこと」として挙げられていた人材・組織に関する課題などについてはなかなか情報を得にくいのが現実なのかもしれません。

#4-03_カスタマーサクセスの取り組みを始めようと何か取り組んでいること

「必要性」感じない人が多いのは正しい理解が進んでいないからか

続いて、②に当てはまる「現在カスタマーサクセスに取り組んでおらず今後も取り組む予定はない、かつ必要性も感じていない」と答えた人に対してその理由を聞いてみると、約3割の人は「いまいちメリットが感じられない」と回答、次いで「そもそもカスタマーサクセスに対しての理解が深くなく、ぼんやりしている(24.8%)」、「カスタマーサクセスに人員を割くなら、他にもっとやるべきことがある(23.6%)」という回答が続きました。これらは昨年の調査も上位3項目として挙がっており、カスタマーサクセスの本質への理解があまり進んでいないことがわかります。

#4-04_カスタマーサクセスの必要性を感じない理由

次に、「何が実現されるならカスタマーサクセスに取り組むことに価値があると感じますか?」とたずねたところ、「顧客満足度の向上(28.4%)」、「利益拡大(26.4%)」という回答率を上まわり、34.4%の人が「特に価値を感じることはない」と考えているという結果となりました。

#4-05_何が実現されるならカスタマーサクセスに取り組むことに価値があると感じるか

しかし、この「特に価値を感じることはない」と回答した101人のうち、約3割の人は「いまいちカスタマーサクセスのメリットが感じられない」、1/4の人が「そもそもカスタマーサクセスに対しての理解が深くなく、ぼんやりしている」とも回答していることから、カスタマーサクセスの必要性も価値を感じていない人は、カスタマーサクセスについて、その概念や意義を正しく理解する意向すら低い(=自分事として捉えていない)ことが推察されます。

なお、「社内でカスタマーサクセスの話題が出ることがありますか?」とたずねたところ、7割強の人が「全く話題に出ることはない」と答えており、カスタマーサクセスについての認知の低さや、正しい理解がまだまだ進んでいないことが改めてわかる結果となりました。

#4-06_勤務先におけるカスタマーサクセスについての話題

「必要性感じる」ようになったのは直近一年の業況変化が起因?

最後に、カスタマーサクセスの必要性を感じている人、感じていない人それぞれに対して、直近一年の業況について新規顧客数の変化、新規売上の変化、継続売上の変化それぞれについて聞いてみたところ、カスタマーサクセスの必要性を感じている人の方がいずれの項目においても「増加した」、「減少した」と回答した人の割合が大きいとの結果でした。業況を更に上昇させるため、もしくは業況の低下への打ち手としてカスタマーサクセスに可能性を感じている人が多い、ということなのではないかと考えます。

逆に「カスタマーサクセスの必要性を感じない」層については、直近一年で新規顧客数、新規売上、継続売上いずれの項目においても「変わらない」と回答した人が6~7割を占めており、コロナ禍で業況が良くなるとも悪くなるともならない状態であるがゆえ、カスタマーサクセスの取り組みに対しても意義や価値を感じられないのかもしれません。前述した「自分事として捉えていない」という人も一定数いると言えるのではないでしょうか。

#4-07_直近1年の勤務先業況について_新規顧客数

#4-08_直近1年の勤務先業況について_新規売上

#4-09_直近1年の勤務先業況について_継続売上

社会の急速な変化に対応していくためにも加速すべきカスタマ―サクセスの取り組み

コロナ禍で顧客との向き合い方を変えざるを得ない状況、そして実際の業績の変化に直面し、カスタマーサクセスという考え方にたどり着いた人も少なくないでしょう。カスタマ―サクセスの必要性を認識したうえで、社内での導入をスムーズに進めて行けるかどうかの分岐は「経営陣の理解」がキーとなるということが今回の調査で示され、改めて「経営理念としてのカスタマーサクセス」を最初に掲げることの重要性が確認されました。

一方で、今回の調査で業況に変化がなかった人ほど「カスタマーサクセスの必要性を感じない」傾向が見られることなどから、必要に迫られない限り、カスタマーサクセスの本質に触れ、その取り組みを「自分(自社)ごと」として捉えるきっかけがない、という実態も見えてきました。カスタマーサクセスは全ての企業に必要なコンセプトではありますが、それがどの程度、どのように必要か、どうあるべきか、は当然それぞれの企業の事業や組織体制、業績等によって変わります。これが唯一の正解だ、というものもありません。

しかし、カスタマーサクセスの本質や価値が正しく理解されず、そもそも「自社には必要ない」という判断を下してしまっては、ビジネスの成長機会を逸するリスクが高まります。顧客と自社との絆、信頼・Win-Winの関係を構築し、新規顧客の獲得(アクイジション)と、既存顧客の維持・拡大(リテンション)との観点から売上貢献に繋げることを可能とする、それがカスタマーサクセスを実践する最大のメリットです。変化の激しい時代でも、顧客に価値を届けることでビジネスが成立するという前提は変わりません。ただ、変化の激しい時代においては、その顧客そのもの、そして顧客の求める価値は変わり続けます。そんな時代では、自社がどのような価値を顧客に提供すべき/できるのかを突き詰め続け、実際にその価値を顧客に提供できるように向き合い続けること、つまりカスタマーサクセスが必要不可欠となってくるのです。

【調査実施概要】
「2021年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法  :インターネットアンケート
・調査実施期間:2021年2月19日~2021年2月22日
・対象地域  :全国
・対象者   :20代から 60代の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)24,274人

(第5弾につづく)

おわりに

カスタマーサクセスへの意識・理解・メリットなどを感じ推進していくためには、やはり「経営陣の理解」「経営理念としてのカスタマーサクセス」が最重要ポイントであることが、今回の調査結果からもわかりました。
コロナ禍においては企業の在り方も大きくかわり、今後も著しく変化をしていくことも推察できます。どの業界でもお客様との接し方・向き合い方を継続的に考えていく必要がある中で、少しでもヒントとなるようなことをお届けできるよう、今後もモニター&発信をしていきます。

また、バーチャレクスでは、「カスタマーサクセス」をより多くの方に知っていただくために定期的にオンラインセミナーも開催しています。
近々下記のウェビナー(オンライン)を予定していますので、ぜひお気軽にご参加ください!
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