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<2021年度版>カスタマーサクセスに関する実態調査(第2弾)

こんにちは!バーチャレクスのTKです。
この記事は、2019年3月から毎年実施している「カスタマーサクセス」に関する調査の結果レポートです。
先日の2021年度版(第1弾)に続いて、第2弾の結果をご紹介します。

前回の第1弾では、カスタマーサクセスの「認知度」や「どれくらい取り組んでいる部署があるのか等の結果をお伝えしました。第1弾の調査結果サマリは下記内容です。(*全内容はこちらからご覧いただけます)

◆カスタマーサクセスに関する調査【第1弾】結果サマリ◆
《対象:全国の20代から60代の有職者24,274人》

●「カスタマーサクセスとは何かをよく知っている人(=認知度)」は全体の9%で、3年連続4%未満
●「カスタマーサクセス」という言葉を聞いた事すらないという人は全体の0%
●「カスタマーサクセスに取り組んでいる部署/担当者がある/いる割合は昨年と変わらず約50%
●外資系企業での取り組み率は2%と昨年よりやや増加、日系企業では「必要性を感じている」人の割合が微増
●従業員規模別では100名以下の企業および10,000人以上の企業において取り組んでいる企業が増加、それ以外では減少
カスタマ―サクセスに対する上層部の意識は年々向上、少しずつだが重要性を認識しつつあると推察

カスタマーサクセスの認知度が3年連続4%未満、しかし上層部の意識は年々向上している、という結果から、日本においてもカスタマーサクセスの機能・組織の普及がこれから更に進んでいくのではないか、と感じる結果でした。
第2弾では、既に「カスタマーサクセスを取り組んでいる」方に対して、効果をどれくらい感じているのか?を深掘りした内容をお伝えしていきます。

※まずは、カスタマーサクセスって何?などを知りたい!という方は、"カスタマーサクセスの「いろは」がわかるサイト"で解説をしていますので、ぜひこちらもご覧ください!

▼CSのいろはがわかるサイト【カスタマーサクセス for Succession】▼
「カスタマーサクセスとは?」
https://customer-success.virtualex.co.jp/about.html

カスタマーサクセスに関する調査(2021年度/第2弾)

調査実施概要「2021年カスタマーサクセスに関する調査」
・調査方法  :インターネットアンケート
・調査実施期間:2021年2月19日~2021年2月22日
・対象地域  :全国
・対象者   :20代から 60代の有職者(パート・アルバイト、専業主婦・主夫、学生を除く)24,274人

◇第2弾 調査結果概要◇
前回の調査対象である24,274人の中で、カスタマーサクセスを「自身が担当している/社内に取り組んでいる部署、または担当者がおり、自身もかかわっている」と答えた500人に対し、カスタマーサクセスに関する取り組みについての調査を行いました。

◆取り組み企業の半数は「効果を感じている」ものの、「どちらとも言えない」割合が昨年より微増

カスタマーサクセス取り組みの効果としては、半数以上の人が「感じている」と回答している一方で、35.6%の人は「どちらとも言えない」と感じており、昨年の32.2%よりわずかに増加していることがわかりました。

#2-01_カスタマーサクセスの効果を感じていますか

取り組み体制別で効果の感じ方を見てみると、専業で取り組んでいる人たちの6割強、専業でない人たちでも半数以上の人が「効果を感じている」と回答しています。

#2-02_取り組み体制別カスタマ―サクセス効果の感じ方

また、「効果を感じている」と回答した人たちの取り組み年数を見てみると、各層においてほぼ55%の割合、2年以上4年未満の層は他よりも少し高い6割強の人たちが効果を感じています。昨年にも同様の結果が出ていましたが、半年~1年程度の短い期間での取り組みにおいても半数以上の人が効果を感じることができているというのは、カスタマーサクセスに関連する情報や参考にできるような事例などが年々増えてきていることも影響しているかもしれません。

#2-03_取り組み期間別効果の感じ方

しかし一方で、体制や取り組み年数に関わらず、各層において3割強の人たちは「どちらとも言えない」と答えていることから、ある程度カスタマ―サクセスの取り組みに時間とリソースを投資をしたにもかかわらず、残念ながら効果を感じられていない企業も少なくないということがわかります。

◆効果体感の壁①カスタマ―サクセス担当者の前に立ちはだかる「組織課題」

ではなぜ効果が体感できない企業が少なくないのか。カスタマ―サクセスを運用していくにあたっての現状の課題を聞いたところ、一番多かったのは「人材・組織体制が不十分」で22.6%、次いで「経営層/上層部の理解が得られない」が20.2%と、少なくとも約2割の人が組織に関する課題を抱えていることがわかりました。

#2-04_カスタマーサクセスを運用していくにあたって解決すべき課題

本結果を、各企業のカスタマ―サクセス取り組み期間別で見た場合、この2つの項目についてはいずれの層においても上位3項目に上がってきており、長く取り組みを続けていくことで自然と解決されるものというわけではなく、担当者を悩ませている課題であるということが浮き彫りになりました。また2年以上、さらには4年以上取り組みを続けているにもかかわらず「やっていることが正解なのかわからない」と感じている人も多く、試行錯誤を繰り返しながら取り組みを進めていることがうかがえます。

#2-05_年数別課題TOP3

ちなみに、「効果を感じているに対して、「最初の頃は障害であったが今は解決している課題」は何かを聞いてみると、少なくとも3割の人が人材・組織体制に関してと、経営層/上層部からの理解に関する課題を挙げており、取り組みの効果を出すためにも早期に解決すべき重要な要素であることがわかります。

#2-06_効果を感じている人が既に解決した課題

◆効果体感の壁②"カスタマ―サクセス0.0"フェーズでの躓き

続いて、カスタマーサクセスを実践する上で、一般的に実務として最初に取り組むべきと考えられていることの一つがKGIやKPI、ヘルススコアの設定です。トップダウンか現場発かはさておき、カスタマーサクセスを推進することは決定。自社にとってのカスタマーサクセスとは何なのか。なんのためにカスタマーサクセスに取り組むのか。その目的・ゴールの達成状況をどのように測定するのか。その前段として、日々の顧客の契約・利活用状況をどう明らかにするのか。こういった準備・検討を進めるフェーズは、いわば"カスタマ―サクセス0.0"とも呼ぶべき段階であり、この段階を突破できているかどうかで、効果の感じ方に差が出ていることが以下のグラフから推察されます。効果を感じている人ほど、KPIやKGI、ヘルススコア項目の設定、さらにはその運用の仕方についての課題が既に解決できているということがわかります。

#2-07_既に解決したCS0.0フェーズの課題

さらに、成果指標として定めているKPI項目を尋ねてみたところ、効果を感じていない人・どちらとも言えない人それぞれの半数以上が、「特に定めていない」ということがわかりました。数字で顧客を把握することはカスタマーサクセスの10原則にも含まれており、顧客の事業を成功導くためには欠かせませんが、こういった指標の設定や運用の難しさが、カスタマーサクセス効果の創出にも影響しているのかもしれません。

#2-08_成果指標として定めているKPI

◆カスタマ―サクセスの「業務」に取り組み始める前に、できれば全社方針合わせを

第一弾の調査で、企業上層部のカスタマーサクセスに対する重要性が年々認識されつつあるという結果が出ましたが、実際に取り組みを進めている企業において、まだ上層部の理解が得られていないケースがあるという実態が見えてきました。これは組織全体で大きく取り組む会社の方針としての「大きなカスタマーサクセス」を掲げる前に、現場におけるオペレーション・仕組みとしての「小さなカスタマーサクセス」を進めてしまっているという可能性が考えられます。
今年に関しては新型コロナウイルス感染拡大の影響も一部考えられますが、カスタマーサクセスの取り組みは、単純に専任の担当者や部署を置いたり、人数を増やしたり、長く続けていったり、ということだけで自然と結果に繋がるものではないということが、改めて今回の調査でわかりました。
カスタマーサクセスの取り組みを導入する前に、経営陣がカスタマーサクセスの必要性・重要性を理解しておくことが理想形ではありますが、現実問題はなかなか難しいところもあるでしょう。その場合は現場レベルでの取り組みにおいて「小さな成功事例」を作り、それを経営陣共有していきつつ意識改革を進めて行くのもよいでしょう。社内における意識齟齬を無くして一丸となって進めて行く経営哲学としての「真のカスタマーサクセス」に取り組んで行ける企業が、今後国内で増えていくことが期待されます。

おわりに

今回は、すでに「カスタマーサクセス取り組み中」の企業にフォーカスした調査結果のため、特に立ち上げを検討中の方や、既に取り組み中の方には、自社の状況と照らし合わせながら見ることができ、今後どのように進めていくべきなのかのヒントも得られる結果だったと思います。
より多くの企業のみなさまが「真のカスタマーサクセス」に取り組んでいけるように、引き続きモニターしながら発信を続けていきます。

また、バーチャレクスでは、「カスタマーサクセス」をより多くの方に知っていただくために定期的にオンラインセミナーも開催しています。
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