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「失敗の本質」を読んで。

 またまた来ました。この「読みました」シリーズ。もはや、マガジン作った方がいいのかなとすら思う。もっぱらただ感想を綴るだけなので、読んだだけで「内容が理解できる!」「何かきっかけを与えられる!」というような代物ではございません。読んだ内容をすっ飛ばして、ただ自分の思ったことを綴る。そのようなものです。

 では、本題へ参ります。一言目はとりあえず「この本難しいわ!」です。これにつきます。それでも、この本を読む前に「超入門、失敗の本質」という本を読んでいたこともあり、内容を理解するのに苦労はしなかったです。入門本を読んでいなかったら今頃悲惨な状態になっていたことは容易に想像できます。

 「難しい、難しい」と唸っていても埒が開かないので、感情以外で心に残っていることを綴っていこうと思う。この本は何故日本が太平洋戦争で負けたのかということについて書かれている。その流れを今でも引っ張っている。そんな今だからこそ、読むべき本なのかなと思う。

私がこの本を読んで、学んだこと。

「成功体験に固執することは次の成功に役に立つかどうかはわからない。」ということを学んだ。

日本は日露戦争において、バルチック艦隊撃破や203高地での撃破など成功体験を収めた。その時のやり方をそのまま踏襲していた。時代は移ろっているにもかかわらず。相手が変わって、グレードアップしているのに、「これで勝てたから!」と過信をし、その方法に固執し磨き上げることに一生懸命。勝てた理由は引き継がれず、勝つために使った方法だけが引き継がれていく。わかりやすい方法たちだけが引き継がれていく。

そしてその成功体験があるからこそ、何故勝てたかということを問いには上げず、やみくもにプロになろうとする。その時から時が経っているからこそ綴れることだが、その当時は民衆も軍人も「それで勝った!だから次も勝てる」という、前回の戦いと次の戦いに関連性があるかのように感じるのである。そしてそこに疑問なぞない。世界の情報なんかは入ってきていない。

そしてそれに対して疑問を持っている一部の異端児も、日本という協調を重んじ、年功序列という組織の中では発言力が弱くなる。その異端児の考えを尊重するという組織ではなかった。周りの意見を聞かず、過去の成功体験に基づいた意思決定がなされていた。そしてその成功体験に基づいているからこそ、もっと「自分達の強みを!」と熟練されたプロにしか使えないような装備を作っていく。そして、一つのことに特化した機体を作っては使える人が限られ、その人がいなくなったらその機体は意味をなさないなんてことまでは疑問に及ばない。

負けた時は圧倒的な理由が残る。勝った時は理由が残らず、事実しか残らない。そして振り返りも起こらない。たまたま勝っただけかもしれないのに。そしてその事実に基づくだけでは、次に成功する可能性が低いことは容易にわかるだろう。

だからこそ成功したら、「成功してしまった」と思い、成功した理由を少しでも考える必要がある。そして成功体験に基づかず、その成功体験に隠されている要素を抽出する。そして次に使えなさそうならどんどん破壊していく。自分をある意味壊していくことが必要。そんなことをこの本から教えてもらった気がする。



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