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仕事に役立つサッカー漫画の話 ジャイアントキリング編

本日は、番組初の試みで、サッカー漫画「ジャイアントキリング」と、それを題材にした書籍「今いるメンバーで大金星をあげるチームの法則 ジャイアントキリングの流儀」についてです。

今年も、あっという間に、残り1ヶ月強。
来年からのスタートダッシュの参考になるとも思いますので、ぜひ最後までお付き合いいただけたらと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

漫画ジャイアントキリングとは?

まず、漫画ジャイアントキリングについての概要です。
2007年から、週刊モーニングで連載スタート。
大物喰い好きな弱小プロサッカークラブの達海監督を主人公にした漫画です。タイトルの「ジャイアント・キリング」とは、「番狂わせ」「大物食い」を意味する言葉であり、スポーツ競技において、実力差がある格上の相手に対し、格下が勝利を挙げた場合に使われます。

なお、達海監督が率いるチームETU(East Tokyo United)以外で、この作品に出てくるクラブ名は、全て実在するクラブ名をもじったものです。
(例えば、東京ヴェルディ→東京ヴィクトリー、ガンバ大阪→大阪ガンナーズなど)

・スポーツ漫画では主人公として描かれづらい、監督に注目をしている点が独特で、
・監督である達海が、率先してチームをかき乱して、型破り
・それでいて、相手の弱点を突くゲーム戦略が面白く、
・ビジネスの参考にもなる

ということで連載スタートから、私も大好きな漫画でした。

そして、タイトルにある通り、残留争いを繰り広げていて低迷していたチームが、優勝候補のチームに勝利したり、番狂わせを演じてきました。

現在は連載開始から10年以上経過しており、リーグ戦では優勝争いを繰り広げたり、所属選手が代表に選出され活躍をするなどしており、今後の展開が楽しみです。

さて、このジャイアントキリングを、一般のビジネスパーソン、経営者向けに、転用できないか、活用できないかという観点でまとめられたのが「今いるメンバーで大金星をあげるチームの法則 ジャイアントキリングの流儀」です。

次のチャプターではこの書籍を中心に更に掘りさげていきたいと思います。

チームが成長するのに必要な4つのフェーズ 達海監督は何故チームを揺さぶるのか?

さて、ここからは、「今いるメンバーで大金星をあげるチームの法則 ジャイアントキリングの流儀」の書籍の内容について触れていきます。

漫画が題材ではありますが、著者である仲山進也さんが、ビジネス、チームビルディングに如何に活用していくかを分かりやすくまとめています。

具体的には、漫画のシーンを例に交えながら、チームを4つのフェーズに分けていました。
 ・フォーミング:チームの発足
 ・ストーミング:意見をすり合わせ、カオスのフェーズ
 ・ノーミング:小さな成功体験を積み重ねて、チームワークが誕生
 ・トランスフォーミング:さなぎが蝶になり、生き物のような組織

共通するのは、各フェーズにおいて、監督である達海は意識的にチームを掻き乱したり、チームメンバーに問いを投げかけていたりしていました。
それには、キャプテンやリーダーに依存しない、個の力を引き出し、それぞれが主体的に考えられる組織、チームワークを発揮できるという狙いがありました。

さて、ここからは、4つのフェーズを駆け足になりますが掘りさげていきます。

1)まずステップ1のフォーミングの段階
これは、新チームが発足した段階。メンバーやチームの状況を把握していくフェーズです。
その中で注意するべきなのは、優秀すぎるリーダーの存在です。

一見すると、リーダーが引っ張っていくべきと思われますが、メンバーの個性や力がはっきりしない状態で、リーダーがいると、そのリーダーに依存してしまい、考えることができないチームになってしまいます。

漫画でも、達海監督は就任早々、行動に移していました。
象徴的な出来事は、「長きに渡ってキャプテンを勤めていた、ミスターETUとよばれた村越選手のキャプテンを剥奪」などです。

そして、サブの若手選手を積極的に登用するなどチームを揺さぶりまくりました。


2)つづいて、2つ目のフェーズのストーミング、カオスのフェーズ
このフェーズでは、一旦チームを揺さぶった後なので、若干の混乱が生じます。そしてストーミング=すなわち嵐というだけに、メンバーの本音の意見がでてきたりして、統率が失われて、一時的にパフォーマンスが下がります。

しかし、達海監督はさらに、揺さぶってきます。あえて、ベテランチーム と若手チームが衝突するように仕向けたりしました。

遠慮しがちな若手にはこのようにふっかけます。

「いまのお前たちは、弱小クラブの控え。要するに下の下。最低ライン。ぎりぎりプロ。このままでいいのか?想像してみろよ。ここでレギュラー組を倒す。レギュラーの座を掴む。それでリーグ戦を勝ち進む。その時、お前たちの立場は変わる。これはお前たちの、ジャイアント・キリングの始まりだぜ。お前らが望めばだけどな」

ここで大事なのは意見を出し合う、コミュニケーションの促進でした。
今まで遠慮しがちであった、若手に「やれるんだ」と自信をあたえる、レギュラー陣はこれではだめだと思う、喧嘩してでも意見をすり合わせることが大事みたいです。

そうしていくことで、チームメンバーの個性が出てきます。
このように、フォーミング、ストーミングのフェーズでは達海監督は、チームを掻き乱しつつも主体的な考えられるように促してきました。

ここからは、この個性をまとめあげ、チームにしていくフェーズに入っていきます。


3)では、3つ目のノーミング、チームワークの誕生についてです。
このフェーズになると、メンバーの個性が大事にしながらも、一つのチームにまとまっていきます。

その時に大事なのは、ビジョンを共有する(=自分たちのチームはどうありたいの)ことです。そして、その理想から現状の現在地がどうかを提示して課題を明確にする。

その課題をクリアするために、チーム内で各メンバーがどのように個性を活かしながら貢献できるかという視点に立つことが大事です。

これができると、一人ひとりが、チームのために動くことができ、結果として自分の役割、力以上のパフォーマンスとして発揮されます。漫画でも、達海監督はこのように言っております。

「DFは相手の攻撃を防ぐのが仕事、FWはゴールを狙うのが仕事。それは最低限の役割。役割をおそろかにしてたらゲームは成り立たない。でも組織として差が出るのは個々ががどれだけ役割以上のことができるかだよ

また、チームキャンプでは、大学チームを相手に練習試合をするのですが、あるるルールを設けたようです。
それは、自分のポジション以外で練習試合に臨むということでした(例えばDFの選手はFWをやらないといけないとか)

このように、各々が相手のことを想像できて、チームワークが機能するように、達海監督は、選手を揺さぶり続けました。


4)最後のフェーズがトランスフォーミング
これは、蛹が蝶になる過程で、伝説になるほど大きな成果を上げるというフェーズです。

組織ではあるが、まるで生き物のように、お互いを意識しあわなくても、阿吽の呼吸で機能するというフェーズです。

この書籍が発売された2012年、また現在も連載中ですので、この究極の形に至ってはいないないのですが、このトランスフォーミングのフェーズには終わりはなく常に高みを目指している状態なのかなと個人的には思いました。


さて、ここまでが4つのフェーズについてでした。そしてこの4つのフェーズを乗り切るための具体的な力を著者である仲川さんは7つのチカラで表していました。
ちょっと、長くなってしまうので、ここでは駆け足で触れていきます。

1.1.1力(モチベーションをあふれるチームを創る)
2.凸凹力(個の強みを活かすチーム)
3.予測力(息のあったチームを創る)
4.アシスト力(信頼し合うチームをつくる。自分の仕事の範囲はどこまでか)
5.気づき力
6.面白化力(夢中で遊ぶチームをつくる)
7.三方良し力(大きなチームをつくる)

このように、達海監督は、チームを揺さぶりながらも、個人のチカラを発揮して、チームワークを最大限に発揮する、その行為自体を楽しんでいる、そして楽しんでいるから、チームに好循環をよぶことができました。

書籍では、具体的な漫画のシーンと併せて説明されていますので、興味ありましたらぜひ、書籍と原作の漫画をご覧いただけたら嬉しいです。

自分の役割以外のことをしよう!

さて、今回のTipsについてですが、チームレベルでの話と、チーム内で個人がどのように関われるかという観点で考えてみました。

1)まずチームレベルでのTIps
「自分のチームが今回の4つのフェーズのどこにいるかを考えよう」ということかなと思います。
停滞しているのであれば、進め方や体制について見直してみるとか、意見を出し合うような機会を提案するとかです。

2)次に個人レベルでのTipsについてです。
自分の仕事の幅を考え、役割を超えた仕事もやってみようということです。
そして、「これは私の仕事ではありません」という言葉を使うのを辞めようです。

これはチャプター3でも述べましたが、「役割をおそろかにしてたらゲームは成り立たない。でも組織として差が出るのは個々ががどれだけ役割以上のことができるかだよ」という達海監督の言葉に通じます。

以上が今回のTipsですが、ちょっと補足させてください。
今回Tipsをまとめる際に、現在私がが所属している会社を思い浮かべてみました。私が所属しているのは、デジタルや3D演出、ARなどの技術に特化した制作会社です。

うちの会社の仕事の特徴なのですが、
・結構な頻度で、プロジェクトメンバーと打ち合わせをして、意見を頻繁にすり合わせています。
・また、ディエレクター、プランナー、デザイナー、エンジニア等の職種はありますが、職域外のことでも、関わりたい、意見を出し合いたいというメンバーが結構多いです。

例えば、
・企画書でアイデアをいくつまとめるときは、デザイナーやエンジニアからも案をつのりますし、
・デザインの時点でもエンジニアからの意見も活発に出ますし、その雰囲気を会社自体が許容しているし、和気あいあいと楽しんでいます。

そのベースには、「遊び心」と「最新技術を活用すること」を大事にして、「世の中をハッピーにしたい」という考えがあるから、チームメンバーも積極的に意見交換する文化になっているんだと思います。

私自身、2年前にジョインしたのですが、当時は、職域をまたぐことに、結構違和感を感じました。
ただ、クライアントの期待値を超えるものが作れているのを実感していますので、各々が役割以上のことをやろうとする姿勢というのは、大事なんだなと今回まとめてみて感じました。

効率的に業務をこなすのももちろん大事ですが、クライアントの期待値を超えるためには、時に非効率でセオリー以外のこともやってみる、そして楽しんでなんぼであるという考えも必要なのかなと思いました。


終わりに

さて、本日の放送は、いかがでしたでしょうか?

冒頭で話したとおり、サッカープレミアリーグのレスターを取り上げようと思いましたが、急遽、ジャイアントキリングに切り替えました。

初の漫画を題材にした回ということで、いつもとは勝手が若干異なりましたが、結構グッと来る名言も多くて、切り口次第で仕事に役立ちそうなTipsはあるなというのが、私の感想です。

今後も漫画や小説についても時々、取り上げていきたいと思いますので宜しくおねがいします。

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