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eSPORTS 冨林勇佑選手から学ぶ組織における立ち位置

9月の「#47 eSPORTSの進化に真のポジティブ思考を学ぶ」の回で、当番組初めてEスポーツを取り上げました。

市場成長を続けるeSPORTSのリブランディングというマーケティング戦略は、同じものをより前向きな言い方で表現するというポジティブ思考を持つべきというヒントをお届けしました。
ですのでスポーツ選手の言動にフォーカスを当てるというより、eSPORTSという競技自体が成長した背景を学びのヒントとしました。

今回はいよいよeSPORTSの世界で活躍する選手の言動に注目します。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

改めてeSPORTSの現状

さて前回は当番組では、eSPORTSの過去からの簡単な流れや市場規模などをご紹介しましたが、相変わらず盛り上がっており、急成長市場をうかがわせます。
昨年は国体(国民体育大会)の競技としても採用されたのは新鮮でしたが、
フィジカルなスポーツと異なり、バーチャルでも競技ができるということもあり、しっかりスポンサーもついて自粛期間以降むしろ盛り上がりを見せました。
自粛期間でスポーツの試合が開催できない期間にプロスポーツの選手が、eSPORTS大会が開催されたなんてことは前回もご紹介しました。

気づけば、世界のトップアスリートたちも次々にEスポーツに参入しており、ヨーロッパのサッカー選手でも、個人でeSPORTSのオーナーとなっている選手も出てきてます。
レアル・マドリーのギャレス・ベイル選手、アーセナルのメスト・エジル選手、バルセロナのアントワーヌ・グリーズマン選手などがその代表で、一部はプロ選手を何名も抱え、外部からの資金調達にも成功しているほどです。

特にグリーズマン選手は現役F1レーサー、フェラーリチームのシャルルルクレール選手とコラボしてレーシングゲーム大会をオンライン開催したりしたそうです。
F1とeSPRTSの関係については前回も触れましたね。今やプロのF1ドライバーがシミュレーターでトレーニングを積む時代になって既に久しいのです。

ですので、自粛期間には現役ドライバーたちによるバーチャルグランプリが盛り上がりました。今日はそんなモータースポーツの世界から、バーチャルのレースでもリアルのレースでも優勝を経験した驚きの日本人選手をご紹介します。

冨林勇佑選手 バーチャルとリアルの両方で勝ったレーサー

今日取り上げるのは冨林勇佑(とみばやしゆうすけ)選手、個人的にも注目していた選手でしたが、10月7日の日経新聞に「ゲーマー兼アマチュアレーサー」という肩書で大きく取り上げられて改めて話題になっています。
その記事で紹介されていた冨林選手のプロフィールを簡単に紹介します。

1996年横浜市生まれ、カーレース好きでアマチュアレーサーだったの両親の基で育つも高校時代は部活に入らずテレビゲームに明け暮れていた結果、レースゲーム「グランツーリスモ」の全国大会に3位入賞。その後20歳でグランツーリスモの世界大会で優勝、そのころ実車のサーキット走行をはじめ、22歳の時初めて出場した公式戦でスポット優勝しています。今年9月に富士スピードウェイで開催された24時間耐久レースでは経験豊富なレーサーたちのチームで経験経験2年ながら7時間走行し、クラス2位の成績に貢献しました。正にeSPORTSとしてのバーチャルのカーレースとリアルのレースで実績を残している本当にレアな選手だと言えます。

そして冨林選手がレアなのは、バーチャルとリアルの二足のわらじで活動しているというだけでなく、このまま順調にキャリアを重ねれば、ゲーマー出身のプロレーサーが誕生するかもしれないのです。

eSPORTSの中でもレーシングゲームは前のチャプターでご紹介したように、本物のF1チームがシミュレーターとしてトレーニングやマシン開発に採用しているように、リアルとバーチャルの距離が近くなっています。格闘ゲームではなかなかそうはいかないですね。

それにしても、従来のプロレーサーを目指す道とは違うルートを切り開く初めてのケースになる可能性があるのです。ワクワクしますよね。

さて冨林選手の順調なキャリアを積み上げている背景は何があるのでしょうか。競技経験2年やそこらで24時間耐久レースで成果を出すのはちょっとあり得ません。成功の秘訣を記事やインタビュー内容などから考察してみました。

目標設定が明確である。
冨林選手の場合はもちろんリアルのレースに視点が定まってます。(eSPORTSのチャンピオンとして勝ち続けること・リアルスポーツで勝つこと・目標設定が違えばそこに至るまでの行動が変わるはず)


・マイノリティならではの差別化された視点が持てた。
王道ではない圧倒的マイノリティであるからこそ、常識を覆す・業界の常識にとらわれない発想と行動が出来た。競争が激しい世界で、長くその世界でやってきた人の典型的な考え方とは別の視点で捉えることができた。異業種から転職してきた人がまれに、業界経験無くても、業界人にない発想で成功するケースがあります。


・イメージトレーニングができた!
実車のレーシングカーの運転前に、散々ゲームで運転していたことがありました。

この3つの視点でみていますと、ひとつの競技で成果を出せた選手が、別の競技で成功するヒントがあるように思います。
この冨林選手の言動から我々は何が学べるのでしょうか、次のチャプターに続きます。

Tips 冨林選手に学ぶ環境におけるポジョニングのヒント

冒頭にお伝えしましたが、今日のテーマは「環境におけるポジショニングのヒント」です。

周囲の環境や今いる組織の中でアナタ自身がどのような立ち位置にいるべきなのか、どんな価値を提供できるポジションにいるべきなのか、冨林選手の言動から考えていきましょう。

特に新入社員の皆さん、転職や人事異動で環境が変わったという方、いや今年はある意味ほとんどの人にとって環境が変わらざるをえなかったというとことですが、すでに存在している組織や環境に新しく入っていくと人間誰もが戸惑うものですよね。
既に確立されている、やり方や文化、人間環境など知らないことばかりです。冨林選手もリアルレースの世界に飛び込んだ時はそうだったでしょう。

そんな新しい環境においてアナタはひたすら教わり学び慣れていくしかないのでしょうか?
最初はそうかもしれませんね、そんな環境を理解していく中でアナタはご自身の提供できる価値をみつけていなかければいけません。

でもよく考えてみると、アナタ自身にも経験やスキルがあるはずです。
キャリアチェンジされたかたはもちろん、新社会人のアナタですら今まで生きてきた経験が蓄積されているわけです。
アナタ自身が経験し既に持っているものと、この新しい環境の中で起こっていることに共通点はありませんでしょうか。まずはその共通している部分がすぐに動ける部分ですし、そうではない重なっていない部分について急いで学び吸収していかないとけませんよね。
新しい環境ではそこに苦労されることが多いと思います。

そして新しい環境になれてきたら、もしくは慣れてきつつある中で、アナタ自身の持っているものの中でこの新しい組織や環境にないものを見つけ出してみましょう。それこそがより大きくアナタが貢献できる部分である可能性が高いからです。

イメージしてみてください。
この新しい環境をサークル・円・として捉えてみます。大きな丸を書いてみてください。そしてご自身のキャリアについての丸。この二つの重なる部分をまずみつけることで直ぐに貢献できる部分がありひとまずは安心できるでしょう。
ですが自分の丸がかかっていない部分、新しい環境の中で未知なる部分を急ぎ学ばなければなりません。ですが本当の価値はアナタ自身の丸のなかで環境の丸と重なっていない部分です。
もし2つの丸の重なる面積が小さければ、最初はかなり不案になるのでしょう。塗りつぶさないといけない円が大きいからですね。
ですがそこをクリア出来たらむしろ、アナタ自身の丸の中で重なっていない部分が広いわけですから、新たな価値を作れる可能性も高くなります。これがその組織や環境におけるアナタ自身の差別化のポイントになるかもしれません。組織におけるポジションづくりにおける強力な柱になる可能性がありますよね。

冨林選手は実車のレースではゲームにないタイヤ圧の調整などに戸惑ったと言います。
一方で、実車のレーサーが運転練習を行うときコストなどの制限があるなか、シミュレーターでの走行時間は現役レーサーをしのいでいたといえるかもしれません。
さらに、チームの運営などでは従来なかった新たなスポンサーの獲得等の可能性があり、通常のキャリアを積み上げてきた実車オンリーのレーサーにない、ゲーマーとしてのキャリアを積んできたレーサーならではの価値を出し始めているということです。

この考え方は何も転職や移動で新たな環境に身を投じた人だけにいえることではないかもしれません。以前にもサードプレイスを見つけることの重要性をお話させて頂きましたが、ご自身の成長のため経験やスキルなど既にお持ちのものを、今の仕事以外の場所で発揮してみる機会を探してみてはどうでしょうか。

最近はギグエコノミーなんて言い方もされていますが、副業やボランティア、PTAや町内会といった場所ですらアナタが持っているもので人に貢献できる場所があるかもしれません。

そこでの経験はアナタ自身を成長させてくれるヒントとなるでしょう。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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