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サッカー強豪チェルシーの評価軸や分析方法が面白い!

さて、2021年度がスタートしました。
当チャンネルスポ深でも、April dream(4月1日を嘘ではなく夢を語ろうという企画)で皆さんの背中を一押しして、応援していきたいと発信しました。

なので、私が応援している、Youtubeチャンネル プレミアリーグトークショーがチャンネル登録者10万人を超えましたので今日は、このチャンネルのある特集を取り上げます。

まず、このチャンネルですが、アラフォーの一般企業に務めるサラリーマンのケニーとトモが、立ち上げたチャンネルです。
サッカーの戦術は取り上げるときはあるけど、どちらかというとビジネス的な視点で、チーム運営 とか 選手の挫折からの成長が語られることが多い。

そんなこともあり、自分もちょいちょいこのチャンネルで取り上げています。そんななかで、最近個人的に面白いなと思ったのがチェルシーのチーム運営でした。

このチェルシー、ロシアの石油王アブラモビッチさんがオーナーで、お金でほしい選手を買い漁っている金満チームという印象を持たれている人も多い。

しかし、ここ最近は、とても計画的で合理的な経営、育成やスカウティングにも定評があります。

さて、2021年度がスタートしたということで、もちろんスタートダッシュも大事です。
しかし同時に、自分のパフォーマンスやチームメンバーのパフォーマンスをどのように見れば良いのか、そんなヒントが今日の放送であるかもしれませんので、ぜひ最後までお聞きいただけたらと嬉しいです。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部を文字に起こしたものです。

チェルシーのメガクラブへの足跡と緻密な戦略

まず、サッカーイングランド プレミアリーグの強豪であるチェルシーについてです。

1905年に設立されたクラブで、ロンドンを本拠地にしています。
1950年代ごろから少しずつ注目されますが、停滞と復活を繰り返します。
1990年代に入ると少しずつ躍進はしますが、いわゆる古豪と呼ばれる位置づけでした。

欧州屈指のメガクラブへのきっかけは2003年。

ロシアの石油王で大富豪であるアブラモビッチがオーナーになり、積極的な補強戦略を取りました。
2004年からは、後に様々なクラブで優勝を果たす、モウリーニョ監督が就任します。

そこからちょっと表現が悪いですが、多くのスーパースターをを買い漁り、金満チームとも言われました。
赤字になったとしても、アブラモビッチオーナーのオイルマネーがあるので、チーム運営はできます。

その成果もあってアーセナルとマンチェスターユナイテッドの2強時代だったのですが、割って入るようになり、2004年から2011年ぐらいまではチェルシーは常に2位か優勝といった感じで黄金時代を迎えます。

ただ、入場料やグッズの売上などのクラブの売上に見合わないぐらい過剰に投資をするので、UEFA(欧州サッカー連盟)からは、ちょいちょい注意されます。

実際の補強なのですが、毎年のように100億以上を選手補強に費やしてきました。

また、最近は、イングランドのプレミアリーグは世界中からファンを獲得して、放映権収入など、莫大な収益をあげているリーグとなりました。

それもあって、マンチェスターシティやトットナムも食い込み、古豪と言われたリバプールの復活も加わって、プレミアリーグではこれらの上位争いをするチームをビッグ6と呼びます。

さらにこの6チーム以外でもレスターやエバートンなどのチームも食い込んできていて本当に気の抜けない、見る側からしたらたまらないリーグになっています。

で、チェルシーですが、ここ数年は、王座をリバプールやマンチェスターシティなどに奪われて、若干影が薄い存在になってきていました。

ただ、2010年代から、徐々に金満チームだけない側面を見せて長期的なビジョンに立って、着実にチームを強化しているようでした。

これを推進したのがアブラモビッチオーナーの元女性秘書で2013年から役員を務めるグラノフスカイヤさんです。

この方が行った施策は例えば、
・最新のトレーニング施設を導入
・優秀なユース選手の発掘、そこからの強化戦略
・若い選手を強化するためには、少しだけランクの下がるオランダリーグのフィテセと業務提携をして、そこに武者修行させる

などです。

このように闇雲にお金を使うわけではなく、緻密な戦略を撮るようになりました。

その成果として、ユースチームでの成果は出てきております。
2007年〜2020年のFAユースカップでは優勝7回、準優勝3回。

下のカテゴリーから着実に成果が出ているので、ここ数年でまた、プレミアリーグのトップにひょっとすると返り咲くかもしれません。

そんな中で、更に深堀りしたいなーと私が思ったのは、スカウトチームの分析方法についてです。

次のチャプターでは、更に掘り下げていきます

パフォーマンス プロファイリングってなに?敏腕スカウトの緻密な分析とは?

さて、前のチャプターでは、チェルシーの強豪チームへの歩みと積極補強、金満チームと言われてきたが、ここ最近は長期的なビジョンに立っていることに触れました。

このチャプターでは、スカウトチームの分析方法がなるほどと思ったので、その方法について取り上げます。

まずチェルシーですが、2011年ごろまでは、スカウトに目利きはいましたが、そこにはロジックは全くなかったみたいです。
例えば、
・具体的に支払う移籍金は妥当なのかという金額設定がどんぶり勘定、
・さらにこの選手は成長してもらって他チームにいくらで売れるか、
・そこからの移籍金の収入等の
回収プランも全くなかったみたいです。

そんな放漫経営の反省から、2012年から超理論派のスカウトであるスコット・マクラクランという人物を招聘します。

このスコット氏の肩書は、”フットボールアナリストで、パフォーマンスプロファイリングのパイオニア”と呼ばれています。

サッカーという感性や芸術的なアートな側面とサイエンス、ロジックで結びつけて、とことん言語化、誰が見ても分かる判断できる数値化してきました。

なので、スカウトチームメンバーからのレポートは抽象的な表現、主観的な表現ではなく計測可能なものを求めるように数値化していきました。
抽象的な表現にとどめてレポーティングしてしまうと、いろんな解釈が可能だからです。

ここで抽象的な表現の例に挙げていたのは
・柔らかいボールタッチなどです。
・力強いシュート、俊敏なドリブルなどです。
・アジアのメッシなどです。

日本のサッカー選手を例えに出しますが、
香川真司 選手って、ボールタッチは柔らかいと言われます。ゴールに近い密集遅滞でも、柔らかいボールタッチで、密集地帯をくぐり抜るのが特徴です。
で、中村俊輔選手もボールタッチって柔らかいと思います。ただ、この場合はピタッと止めて、相手にとって、柔らかい優しいエンジェルパスを通します。

こんな感じで、柔らかいボールタッチという表現をとっても、どのエリア、どのシーン、どんな局面なのかによって、選手の特徴は全然違いますし、このような情報はノイズと言えます。
抽象的な表現なので思い浮かべる像にブレが出てしまいます。

であるので、誰でも判断できる指標づくりをしました。
・例えば、コントロールミスは、100回中に何回起きたのか、その時のサンプル出場時間数は何分だったか、どういう局面だったかなどです。

現在は20名のスカウトメンバーを統括しているから、抽象的な表現があると、ばらつきが出てしまうので、比較検討、分析、判断ができるように徹底的に数字にこだわりました。

そして、チームのスカウトの流儀として、外部のコンサルタントは雇わず、全員がチェルシーの正社員という体制です。
この体制は結構稀のようですが、このような分析方法を徹底させる、よそのチームに気取られない、一歩前を行くには理にかなっているといえます。

さらに、レポートは全て暗号化されて、チェルシースカウト以外は誰も理解できないという徹底ぶりです。

このデータを収集して、最終的にトップである、スコット・マクラクランが判断するという体制です。

こんな緻密な体制に移行してきているので、2015年ごろから、戦略補強はするが、それと同時に、成長した選手の売却などきっちり好循環で回しています。
実際に2015年以降も100億円以上、補強費に費やしますが、それと同時に100億円以上で選手の売却もしております。

このスカウトチームに代表されるように、徹底的な分析手法などの決め事がしっかりしています。
さらに、アカデミーや育成、クラブハウス建設にも力を入れる、磐石な体制を取れています。

ただ、一つだけ流動的なところがあります。

それは監督です。
これは、おそらく戦い方や戦略が日々変わっている中で、勝てる監督や戦術のトレンドも変わってきています。
実際に昨シーズンは、現役選手時代は、クラブ最多出場記録を持っているレジェンドランパードが監督就任しましたが、今年に入って不振になり、解任されました。

この辺りの判断はかなりドライです。
そして、今はパリ・サンジェルマンとかを率いていた、トゥヘルを招聘しまして、そこからチームは立て直しに成功して再浮上してきています。
就任後の12戦で、8勝4分けと12戦無敗です。

さて、こんな感じで、きっちり体制を組んで取り組むこと、トップダウンでバッサリ行くところのメリハリがあるのは賛否両論ありますが、この緻密で盤石なチェルシーのチーム運営、仕事に活かせるTipsはるのではないでしょうか?

次のチャプターではTipsについて考えていきたいと思います。

主観と客観、ちゃんと分けてますか?

さて、Tipsについてです。今回まとめてみて思ったことは、主観と客観を分ける大切さです。

事業を推進するためには熱量は必要です。情熱やこれが好きってのがないとダメだとは思います。

ただ、それだけに目が向いていて、ビジョンや熱量を語るだけではチームは機能しません。そしてメンバーも、熱量を持って頑張ったとしたとしても、振り返るべき指標は必要です。
その指標として大事なのは客観的な数値かと思います。

この数値はできれば精緻で分解されていて管理しやすく、チームの成長に直結しやすいものが良いいかと思います。

ただ、この数値はずーっと通用するものではないとも思います。
色々な技術も生まれますし、環境要因によっても変わってきます。

ですので、リーダーは数値を大事にしながらも、この数値だけに頼らず、観点や切り口はアップデートしていく指標を常に見直す必要があります。

このようにロジカルに考えるサイエンス と 常に物事の捉え方や感じ方を変えていくアートな側面の両軸が必要なんだと思います。

チェルシーの場合でもスカウトチームを率いる、スコット氏が、パフォーマンスプロファイリングという考えを持ち込み、最新のサッカートレンドからどういった観点で捉えるべきかを分析して、そこから客観的な数値を提示していました。

それができているので、選手の向いているベクトルは同じ、であるので、成果が徐々に出るんだろうなと思います。

そして、意思決定をする責任を負う立場にいるリーダーが、
・与えられた情報から解釈を施し、判断をする、
・そのプロセスも納得感のある
だからこういったチームは強いんだと思います。

ただ、ビジネスシーンでは、常に定量的なもので表現できるかというと違います。
数値だけでは語りきれないものもあります。

ですので、再現性が比較的高くデータとして揃えて分析できるもの と 感覚的、情緒、アート的な文脈なものとできっちり分けて考えていく能力が必要なんだと思いました。


また、マネジメント層ではなくチームメンバーでもこの観点は必要かと思います。

自分のやりたいこと、目指したいことは主観でいいのですが、成果を報告する、リーダーに判断を仰ぐときには客観的なファクトにまとめる、そしてそこからどう解釈したのかというふうに分けるべきだと思います。

でないと、誤った意思決定につながってしまいます。

なので、今回のTipsは「主観と客観、ちゃんと使い分けていますか?」にしたいと思います。

このnoteはVoicyの過去の放送の一部を文字に起こしたものです。
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