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やっとやる気がでてきた

先月末、ボイトレに行ってきた。
8月、9月と休んだので、いつもは月2回のところ、3回目を受けてきた。
自宅で発声練習をしたり、喉を慣らさないと、声が出ない。
レッスンの数日前から、少なくても1時間は練習して備えて、当日も午前中に練習をしてから出かけるのが習慣になっている。
今回は、いつもより1回多いので、その分、練習量も増やしていた。
地声が出ないところを重点的に練習したり、ゆっくり歌ってみたり、色々試してみた。

試してみて気づいたのは、やはり毎日練習しないといけないということ、小一時間では足りないということだった。
おそらくそれは、私の年齢によるところが多いように思う。
若いときには、自然に歌えていた声、肺活量の違い、姿勢を保つ筋肉量などなど、確実に低下し、衰えている。
10代、20代のひとのような、瑞々しい声は、その年代ならではの特権のようなもので、私の年齢では到底難しい。
若さには敵わないなというのが実感だ。
なりたい声と、実際の声との落差に、こんなはずじゃなかったのにと、がっかりするときもある。

でも、それだけではないことも確か。
地声で歌う練習をする前は、裏声で歌っていたので、同じ調子だった。
この声、コーラスで歌うには、きれいでいいけれど、一人で歌うとなると、まったく感情の入らない、平坦な歌い方しかできない。
抑揚がなく、しゃくりや節やビブラート、音量の調節ができなかった。

それが、何年も通い、毎日のように歌ってきたことで、今は、まだ不安定だが、ビブラート、しゃくりを出せている。

今、どうしたらよくなるのか悩んでいるのは、発声練習やアやエという声だけでは出るが歌になると出ないこと。歌っている途中で、声がどうしてもひっくりかえること。
空気が漏れるのだそう。

それに比べ、トレーナーさんの声は、一定している。
常に同じ声で、同じトーンで安定した声で歌っている。
当然、サビの部分や、聴かせどころも、惚れ惚れするほど上手だ。
トレーナーさんは、10代の頃から歌い始めているそうで、舞台にも出ている。もう十何年も歌い続けてこの声があるんだなと思った。

どんなに発声練習で声が出ても、音程がしっかりしていても、歌っている途中でひっくり返ったら、空気が漏れてしまっては、歌をちゃんと歌ったことにはならない。
どうしたら、安定した歌声で歌えるか、試しにゆっくり歌ってみた。
すると、ちゃんと歌える。一定の声で歌えることがわかった。
これはやはりトレーニングしかない。
歌い続けることしかないんだなぁと痛感した。

実は、カラオケで歌ったことがない。
歌が好きなのにも関わらず、カラオケで歌うことはおろか、人前で歌ったことがない。
ボイトレで、過去2回発表会が開催されたが、2回とも体調を崩したり、父のことがあったりして参加できないできた。
なので、マイクの使い方、声の出し方もわからない。

ほとんどのひとは、カラオケに行って歌っている。マイクの使い方を知っている。点数が出るカラオケもある。場慣れしていて、みんな上手だ。
もしかしたら、これが1番の弱点かもしれない 

今、竹内まりやさんの「駅」を歌っている。  
地声と裏声、ミックスを調整しながら、歌っているが、一度もよく歌えたと思ったことはない。
本当は、安定した地声の幅のある音域で歌いたい。
気づいたら、そんな欲がでできていた。
自分で自分にびっくりした。 

父が入院する前から、体調が悪くなり、他界してからは、事務的仕事や雑用に追われて、歌どころではなくなった。
同時に、歌を歌うことへの気力かなくなった。
脳内では、毎日ずっと歌が流れているのに、声を出す気になれない。声が出ないのではないか、との恐怖心もでてきて、より歌う気持ちが萎えた。
ただ、ボイスクリニックの先生が、声を出さないと、また声帯に注射を打たなければならなくなるよと言われたことが忘れられず、このままではダメだという心理が働いて、とりあえず声を出してみよう、そろそろボイトレを再開しようという気持ちが湧いてきたのが、9月末。

ひと月とちょっとの間に、3回通ったことがよかったのか、課題曲が好きなのがよかったのか、やってみると、難しいのがよかったのか、練習しなければという気も湧いてきて、気づいたら、やる気が出てきていた。

やる気というのは、そんなきもちになるの待つより、まずはとにかくやってみて、繰り返していくうちに、自然に出てくるものかもしれない。
ただし、好きなことに限っての話だけれど。

とりあえず、今はボイトレだけで、まだピアノにまで気持ちがついていかない。たまに弾いてみたいなと思ったときに、弾いてみる程度。
でも、焦らない。
ボイトレだって、やり気が出るまで時間がかかったのだもの、ピアノも時々でも弾いていればそのうち、前のように弾きたくなるはずだ。
そう自分に言い聞かせている。

今年は、家のことで忙しかったり、父のことがあったりと、自分の時間らしい時間が持てないまま、気づいたら11月になっていた。
過労から腎盂炎になったり、心身ともに疲れ切ったこの一年。
何もできない、する気が起きない数ヶ月を経て、ようやくやる気が出てきて、ほっとしている。
来週には、またボイトレがある。
それまでに、少しは声が安定するようになりたい。




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